沖縄県の翁長雄志知事の死去に伴う9月30日投開票の知事選で、翁長氏を支持してきた県政与党や労働団体などでつくる「調整会議」(議長・照屋大河県議)は23日午後、那覇市内で選考委員会を開き、自由党幹事長で衆院議員の玉城デニー氏(58)を擁立する方針を全会一致で決め、発表した。
同日午後3時から、照屋議長らが沖縄市で玉城氏と面談し、正式に出馬を要請する。玉城氏は要請を受け入れる見通しで、24日以降に立候補の意向を表明するとみられる。
玉城氏擁立の理由として、照屋氏は「翁長雄志知事の遺志を引き継ぎ、建白書の実現に全力で取り組める人物として最適任者だとまとまった」と説明した。
翁長知事が生前、後継者に玉城氏と金秀グループ会長の呉屋守將氏(69)に期待を寄せていたことが明らかになっており、調整会議は翁長氏の遺志を重視する形で選考を進めてきた。
知事選には前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)が自民党などの保守系候補として立候補を表明しており、県内最大の政治決戦は事実上、両氏の一騎打ちの構図となる見通しだ。
玉城氏は、1959年10月生まれ。うるま市出身。81年上智社会福祉専門学校卒。ラジオパーソナリティーなどタレント活動を経て、2002年に沖縄市議に初当選(1期)。09年衆院選に初当選し、現在4期目で、自由党の幹事長を務める。