買春騒動で4選手が代表認定を取り消されたバスケットボール男子日本代表が、格下の香港相手に88-82の辛勝で通算成績を2勝1敗とした。騒動後初試合の指揮を執ったエルマン・マンドーレ・男子コーチは「この勝利が少しでも悲しみを小さくしてくれればいい。この試合に臨むのは本当に難しく、何とか勝つしかなかった」と大粒の涙をこぼした。
コートの中の選手も重圧は感じていた。主将の辻直人(川崎)は「いつもの臨み方とは全く違った。口では試合に集中と言っていても、実際に集中していたかと聞かれると、プレーを見てもらえれば…」と苦しい表情。最終第4クオーター開始時には70-61とリードしながら残り3分で77-79と逆転を許す。マンドーレ・コーチは「選手が8人の時点で困ることはいっぱいある」と話すように、交代要員に不自由したことで体力面でも不利を強いられた。
それでも大会は続き、残った8人は戦わないといけない。辻は「とにかくもう外出は禁止」とチームを引き締めたことを明かし、辻とともに主将を務める太田敦也(三遠)は「日本の国旗を背負って戦っていることはしっかり胸に刻んで戦っている。目の前の状況を今いるスタッフ、メンバーで生活面も含め頑張る」と強調する。現役時代にミスターバスケットボールと称された佐古賢一コーチは「自分たちは関係ないというスタンスではなく、全体で反省している」と出直しを誓っていた。 (川村庸介)