[調査・レポート]

ガートナー、先進テクノロジーのハイプサイクル2018年版を発表、AIの民主化が進む

2018年8月22日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ガートナー ジャパンは2018年8月22日、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2018年」の日本語版を発表した。ディープラーニングやIoTプラットフォームは過度の期待のピーク期にあり、ブロックチェーンは過度の期待のピーク期から幻滅期へと移行しつつある。AR(拡張現実)は幻滅期に位置している。ガートナーは2018年のハイプサイクルに見られるトレンドとして、AIの民主化など5つを挙げている。

 米ガートナー(Gartner)の先進テクノロジーハイプサイクル(Emerging Technologies Hype Cycle)は、ビジネス戦略の担当者や研究開発のリーダーなどが先進テクノロジーのポートフォリオを策定する際に考慮すべきテクノロジーとトレンドとして、同社が業種横断的な視点から分析を行い作成したグラフである(図1)。

図1:先進テクノロジのハイプ・サイクル:2018年(出典:ガートナー(2018年8月))図1:先進テクノロジーのハイプサイクル:2018年(出典:ガートナー ジャパン、2018年8月)
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 ハイプサイクルは、テクノロジーの普及度やトレンド遷移を示すガートナー独自のグラフであり、テクノロジー普及のプロセスを、黎明期、過剰な期待のピーク期、幻滅期、啓蒙活動期、生産性の安定期の5段階に分け、それぞれのテクノロジーをグラフ上にプロットする。今回発表されたのはその先進テクノロジー版であり、他の分野別ハイプサイクルよりも注目度が高い。

 先進テクノロジーのハイプサイクル2018年版では、2000を超えるテクノロジーを分析したうえで知見を抽出し、35の先進テクノロジーおよび5つのトレンドとして簡潔にまとめ、提示したとしている。今後5~10年にわたって高度な競争優位性をもたらす可能性が高い一連のテクノロジーにとりわけ注目しているという。

 過度な期待のピーク期にあると指摘している技術の例に、ディープラーニングやIoTプラットフォームがある。過度な期待のピークを越えて幻滅期に入った技術の例に、AR(拡張現実)がある。また、黎明期に位置する技術の例としては、バイオ技術(培養組織/人工生体組織)、空飛ぶ自律走行車、スマートダスト、汎用AI、などがある。

 ガートナーは、2018年版に見られるトレンドとして、(1)AIの民主化、(2)エコシステムのデジタル化、(3)DIY (自己流) バイオハッキング、(4)透過的なイマーシブスペース(Immersive Space:没入型デジタルスペース)、(5)ユビキタスなインフラストラクチャの5つを挙げている(表1)。

表1:ガートナーが挙げる5つの先進テクノロジートレンド(出典:ガートナー ジャパン)
トレンド トレンドを実現するテクノロジー
AIの民主化 AI PaaS(サービスとしてのAIプラットフォーム)
汎用AI
自律走行(レベル4/5)
自律モバイル・ロボット
会話型AIプラットフォーム
ディープ・ニューラル・ネット(ディープ・ラーニング)
空飛ぶ自律走行車
スマート・ロボット
仮想アシスタント
エコシステムのデジタル化 ブロックチェーン
ブロックチェーンによるデータ・セキュリティ
デジタル・ツイン
IoT(モノのインターネット)プラットフォーム
ナレッジ・グラフ
DIY(自己流)バイオハッキング バイオチップ
バイオ技術(培養組織/人工生体組織)
ブレイン・コンピュータ・インタフェース
拡張現実(AR)
複合現実(MR)
スマート・ファブリック
透過的なイマーシブスペース 4Dプリンティング
コネクテッド・ホーム
エッジAI
自己修復システム・テクノロジ
シリコン負極電池
スマート・ダスト
スマート・ワークスペース
立体ホログラフィック・ディスプレイ
ユビキタスなインフラストラクチャ 5G
カーボン・ナノチューブ
ディープ・ニューラル・ネットワーク向けASIC
ニューロモルフィック・ハードウェア
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