石井啓一国土交通相は二十日、北陸三県の知事らと面会し、本年度中に北陸新幹線敦賀以西の詳細ルートを公表する意向を示した。面会後、報道陣の取材に知事らが明らかにした。

　現在調査中の停車駅の位置や詳細ルートが決まれば、沿線の環境影響評価（アセスメント）などが行われる。面会で富山県の石井隆一知事はアセスメントの早期対応を踏まえ「敦賀開業と同時か、少し前に着工してほしい」と要望したと言い、石川県の谷本正憲知事も二〇二二年度末の敦賀開業前の以西着工を求めた。

　面会は非公開であり、石井国交相が冒頭、金沢－敦賀間で膨らんだ建設費について「敦賀開業に影響が生じないよう、来年度の概算要求を見据え、必要な財源の確保に取り組んでいきたい」と述べた。

　面会後、石井知事は「敦賀開業から切れ目なく大阪までつなげると明確な姿勢を示していただけたのではないか」と強調。長野－金沢間でも地方負担を軽減した経緯から同様の対応に期待した。谷本知事は建設費の増加に理解を示しつつ「できるだけ工夫いただき、地方負担の縮減にもご配慮いただきたい」と述べた。

　面会では三県知事と京都府の副知事、北陸経済連合会会長らが要望書を提出。地方負担軽減のためのコスト縮減や国の十分な財政措置、敦賀開業時の在来線特急の維持・拡大、三〇年度末ごろまでのフル規格による全線整備などを求めた。

　人件費や資材価格の高騰で膨らんだ建設費二千二百六十億円のうち、石川県負担分は九百十億円と見込まれる。石川県選出の国会議員や三県の県議会議長らも同行した。　（並木智子）