この記事は約13分で読めます。
世界で1億人を超えるプレイヤーを誇る、esportsの中で屈指の人気を誇るゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』(以下『LoL』)。
ものすごく人気のあるタイトルだが、プレイヤー統計の推移を鑑みるに、日本国内での運営は余り芳しくないのが現状だ。
そこでサービス開始して約2年、『LoL』運営のライアットジャパンは新規プレイヤー獲得のため、広告展開を開始した。
例えばこんなものであったり、
こんなものである。
特にこの「ロルくん登場」はYoutubeにCMとして登録しただけあって、400万近いアクセスを得ている。
あのライアットが重い腰を上げて遂に本格的な広報を始めた。
それ自体は大変に喜ばしい話である。が、正直素人目から見てもこの広告、あまり効果的と思えない。
具体的にどこが問題なのか。
『LoL』広告の3つの問題点
上述した『LoL』の広告には、大きく分けて3つの問題点がある。
不明瞭なターゲット
そもそも、広告とは「買ってくれそうな人」に商品を買わせるためのものである。
故に広告はそのターゲットを絞る。
TVCMを見ればわかりやすく、主婦がよく見る昼間は化粧品のCMが増え、子供向けアニメを放映する時間帯には関連のアニメのCMが増える。
では、『LoL』のターゲットは誰だろうか。
『LoL』はPCゲームである。であれば、PCを持つゲーマーが主な顧客だ。
逆に、PCを持ってない人に広告を打っても、彼らがわざわざ何万円もするPCを購入してまで遊ぼうとしないだろう。
この時点でターゲットは相当絞られてくる。何故なら、内閣府の調査では、2010年に未成年者の約85%が利用していたPCが、2017年には約20%にまで減少しているからだ。
ライアットの斉藤氏もこの問題を認識しており、同じPCゲーマーの層を広げることが出来なかったことを課題だと述べている。
――課題、と言いますと。
齋藤:『PUBG』や『フォートナイト(Fortnite)』のようなバトルロワイヤル系のゲームが流行っていますよね。「PCゲーマーの層を広げる」という本来は私たちがやりたかったことを、彼らの方ができていた、という点については反省があります。どうして私たちが手が届かなかった人たちに彼らは届いて、どうすればそれができるのか、という分析は進めているところです。
【ライアットゲームズの“ナカの人”に聞く・前編】「LoL日本サーバーができて2年、人口とかライバルとかどうですか?」 | ALIENWAREZONE | PCゲームで勝ち抜くためのメディア
よって、『LoL』の広告は、基本的に対人ゲームに汗水垂らして没頭するコアゲーマーに対して、「おっ」と思わせるか、せめてPCを所有する20%のマイノリティにアプローチする必要がある。
言い換えると、既に『PUBG』や『Fortnite』、その他MMOやMOBAをバリバリ遊ぶ人間を引き抜いてやるぞ、ぐらいの気概が必要なのだ。(実際LJLのプロたちも、他のゲームから引っ越したプレイヤーが殆ど。)
だが、先程並べた『LoL』の広告はどうだろう。特に「ロルくん」のPR動画。
確かにゲーマーをターゲットにしたものだと思われるが、それはスマホユーザーか、PCユーザーか、コア層かカジュアル層か、その辺の判別が殆ど出来ない。
いくら何でもロールキャベツに扮したゆるキャラが「君たちが経験してきた感動の更に上を行ってみないか?」と訴える動画で、どの層が広がるだろうか。
モバイルメインのゲーマーからすれば、「別に行かなくても良いかな」と思うし、コンシューマ・PCメインのゲーマーからすれば、「どういう理屈で”更に上”に行くの?」と疑問に思う。ゲームに興味ない人間からすれば、意味不明である。
つまり、『LoL』の広告は誰に向けて発信しているのかが不明なのだ。
魅力を欠いたメッセージ
広告には魅力的なメッセージが必要不可欠である。
漠然と、「ウチのゲーム買いませんか?」という広告を貼って、そのゲームを買おうと思う人間はいない。
例えば、「今なら特別価格でご奉仕!」とか、「各メディアが絶賛!」とか、「全てのRPGを過去にする」とか、何かしら「遊びたい」と思わせるメッセージが添えられるものだ。
『LoL』の広告はどうか
これは、「LoLスクール」というブログを運営されている方が、ライアットによるTwitter上の広告をまとめたものだ。
凄まじい「お金を費やしたからといって有利になることはありません」推しである。
スパムかよ。
その他、「ロルくん」動画でも
と、暗に無課金で遊べる事を強調しているし
「1分でわかる!リーグ・オブ・レジェンド」動画では
いの一番に
「これはリーグ・オブ・レジェンド。プレイはずっと無料。課金では強くなれない」
と言う。
---
で、はっきり言わせて欲しいのだが、ゲームがずっと無課金でフェアに遊べるかどうかなど
んなこた、どうでも良い
のが私の本音である。
そもそも今売れてるPCゲームの大半は無料か、買い切りである。DTCGを除いて、ガチャでゲームに有利になる作品の方が少ない。
Epic社の『Fortnite』は言うに及ばずだが、同じMOBAのライバルであるValve『Dota 2』、Blizzard『Heroes of the Storm』ですら、完全無料で遊ぶ事ができる。
或いは、『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』、『Counter Strike: Global Offensive』、『OVERWATCH』に至るまで、最初にパッケージを購入すれば全員フェアな環境で遊べる。
むしろ、これらのタイトルは全て、全ての武器や装備が最初から選択肢として用意されている。一方、『LoL』はチャンピオンのアンロックに割と手間と時間がかかる。
意地悪な話だが、純粋に「無料でフェアに遊べる」だけなら『LoL』は競合相手に一歩劣るとさえ言える。少なくとも、筆者はいくつかチャンプを購入した。
要するに、無料で遊べること自体は素晴らしいのだが、「今時、対人ゲームが無料なぞ珍しくない」のである。悲しき哉。
よって、いくら「無課金で遊べる」メッセージを添えられても、それで『LoL』を遊ぼうとは思わないのだ。
新規層のアフターケアの不足
そもそも『LoL』が他のPCゲームと比べて、いまいち伸びない理由を考えたことがあるだろうか。
色々あるだろうが、まず「難しい」、というのが挙げられる。
いや本当に、このゲームは数あるesportsタイトルの中でも特に難しい。
スキルは基本的にキーを押すだけで発動するが、覚えるべき知識や用語が多すぎる。
例えば、「ジャングル」をするなら「スマイト」を持たねばならず、まず「レッド」「ブルー」を「レーナー」の「リーシュ」を受けつつ最初の「ガンク」を意識する、という説明を受けて、即座に理解できる初心者が何人いるだろうか。
スタバのオーダー呪文を覚えている方が、まだナンボか楽である。
まぁ、この複雑さが魅力でもあるのだが、兎も角、8割の新規はこれを把握する前に辞めてしまうだろう。
もちろん、ライアットもその辺を察した上で専用のガイドページを作っているが、正直初心者がこれを読んで「なるほどな」と思うだろうか。
例えばチャンピオン紹介ページ。いくら何でも情報が少なすぎやしないか。
というか、かろうじて読み取れるパラメーターの「攻撃力」「防御力」「スキル」の違いがまず意味不明である。
恐らく「AD」「AR・MR」「AP」の言い換えであろうが、何よりもまず、結局このチャンピオンは何が出来て、何が出来ないのか、それを教えるべきだろう。
逆にスキルの説明に至っては、ゲーム内説明そのまんま過ぎて初心者が読んでもやっぱり意味不明である。
加えて、
これなら、有志によるwikiの方が、よっぽど親切というものだ。
対して、『OVERWATCH』のヒーロー紹介ページはとてもわかりやすい。
言語と記号をバランス良く交えて、端的にチャンピオンの特徴を説明しており、スキルの役割も即座に把握できる。
これなら、とりあえずマッチング前の数分に軽く予習することが可能だし、読めば初心者でも最低限の仕事をこなせるだろう。
もう一つ、初心者にとっての大きな壁、それが「コミュニケーション」である。
まぁこれはチームゲームなので、ある程度は致し方ないが、基本的にミスって(ミスらなくても)、色んな言語でメチャクチャ怒ったり怒られたりするのが『LoL』というゲームの宿命である。
これもプレイヤー側の問題で、ライアットが今すぐ対策するのは難しいが、結局理想は最初から仲の良い友人と一緒に遊べる、という状況でなかろうか。
私も1人で始めたら多分チュートリアルでソーンメイル買った時点で飽きていただろうが、友人の誘いと教えがあって続けられた経験がある。
が、この辺のコミュニティ関連のサポートが殆どない。例の初心者用ガイドページも、昭和のお役所仕事みたく掲示板にたらい回しにされるだけだ。
このゲームで新規と同様に必要なのは、迷える子羊を導き、襲いくる狼から守る「羊飼い」である。シェパードを同時に確保できれば嬉しいのだが……。
因みに本社はこんな動画を出してる。これ翻訳して公式サイトに貼るべきじゃないかね。
いずれにせよ、新規が躓きやすい点が「難易度」と「コミュニケーション」で、それに対して必要な対策が「具体的なガイド」と「活発なコミュニティ」。
この辺のアフターケアを十分に用意せず新規を勧誘するなど、捕まえたイワシをマグロと同じ水槽にブチ込むようなもんである。
いけすが血の海になるわ。
スポンサーリンク
『LoL』の効果的な広告とは何か→答えはライアット自身にあった
ここまで問題を指摘した中で「ほならね?」とか、「あなたにはわからないでしょうねぇ!」と思う方も多いだろう。
勿論、私も自分なりに「こんな広告が良い」という理想があって記事を書いている。ここから話すのは、そういうドリーミィな部分だ。
そして、これは非常に興味深い事実だが、実は私が理想とする広報を既にライアットやライアットジャパンは実現しているのである。
とりあえず、自分のの思い描く3つの好例を見ていこう。
理想1:初心者から上級者まで幅広く楽しませるGGTVと、その課題
まず紹介したいのは、現在ライアットジャパンが行う様々な広報活動の中、(唯一)良いなと思った、Twitch上で放映する番組「GGTV」である。
これは初心者から上級者まで、ゲームファンのインフルエンサーが集まって2つチームを組み、最終的に対戦して勝敗を決めるという、全5回を予定する番組である。
驚くべきはその出演陣で、eyesさんやrevolさんといったLJLファンに馴染みの面々から、SHAKAさんやかずのこさんのようなプロゲーマー、恭一郎さんやスタンミさんら配信者、そしてインパルス板倉や次長課長井上などプロの芸人まで参加する。
恐らく、LJL決勝戦の会場が約6000人収容可能な幕張メッセから、50人前後のRed Bull Gaming Sphere Tokyoにまで縮小したのは、この予算のためとすら考えられる起死回生の一手である。(ふざけんな)
そしてその予算に見合うかはともかく、(まだ第一回のみだが)番組自体は素晴らしい内容だった。
特に、司会の声優、花江夏樹さんは『LoL』のファンとしてゲームの知識を説明しつつ、芸人のトークにまで合わせるなど大立ち回りをしており、彼なくしてこの番組は成立しないとさえ思える。
番組の内容も主に初心者へフォローを入れる内容ながら、ちゃんと上級者にも笑いどころを作っており、誰もが楽しめる内容になっている。
が、一つ大きな問題がある。
というのもこの番組、Twitch限定配信なのだ。
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
いやいや、何でTwitchだけ?こんな豪華なメンツなら、他のサイトと同時配信すべきでは?
新規を増やすなら、競技タイトルへの意欲は高いが国内ゲームに関心が集まるOPENREC.tv(或いはAbema TV)や、低年齢層を中心に凄まじい成長を続けるYoutube Liveも視野にいれるべきだろう。*1
これらの配信サイトではPCゲームの存在は珍しくないし、先程述べたターゲットに関しても問題はない。
またこれらで視聴者の層を増やせば、公式チャンネルへの誘導も期待できる。アーカイブにしても、動画化すればtwitchよりyoutubeに大きな利がある。
第一、新規開拓の色が強いプロモーション番組を、Twitchで見せてどうするのか。
元々『LoL』の配信はTwitchに最も集中しているが、逆にそれだけ『LoL』が認知された場所ということ。
実際、GGTVのチャット欄を見る限り、大半はゲームの専門用語を理解したコメントばかりである。
これでは自分を含めた既プレイ勢が楽しめても、逆に新規が一体何%いるのかという話になってしまう。
無論、母数を考えればTwitchの配信は必須だし、PUBG勢やFortnite勢も勧誘できる。がTwitch独占はさすがにもったいない。
(或いは、Twitchに独占配信しなければならない/他サイトでは配信できない契約上の、いや大人の事情があるのかもしれないが・・・。)
今回はライアットゲームズ公式新番組「GGTV」についてお知らせ致します。 GGTVは今年1月、みなさまへのご挨拶で発表させて頂いたように、サモナーの皆さまには勿論、これから新たにサモナーとなるプレイヤーの方々に、よりLoLを身近に感じて頂くための施策の1つとして位置付けています。
ライアットさんそう言いますけど、新しいサモナーはどこにいるんですかー!宝の持ち腐れですよこんなん!
理想2:ターゲット層を絞ったImagine DragonsのPV
気を取り直して、まずコイツを見て欲しい。
今見ても、めちゃくちゃ痺れるPVだ。
これは2014年の世界大会「Worlds」で使用されたPVで、曲は世界的ロックバンドImagine Dragonsの描き下ろし曲をバックに、若者たちがゲームの世界で覇を競い合う様子を、幻想的なアニメーションと共に描いた映像だ。
そしてこれは、米国本社Riot Gamesの広報(esports部門だが)でもある。
PVの具体的な内容はこんな感じ。
デスクトップPCの電源ボタンのアップ。そこは屋根裏の埃被った部屋だった。あるPCゲームをプレイする若者は、キーボードの「R」に全霊を込める。
すると画面は暗転し、荒野の戦場へ。若者は、流星の如く流れる光の矢となり、同じ矢が5本束ねられ、それらは石像を貫通する。同時に曲もサビへ。
再び現実に戻った時、若者は5人の仲間と勝利を分かち合っていた。だが画面向こうには、若者と同じナード風の男が、悔しさの余り自らを突き飛ばす。
画面に映る「DEFEAT(敗北)」の6文字。それを見て溢れ出す涙は、やがてダイアモンドとなって、いずれ望む大舞台へのブラックホールへ吸い込まれる。
その中で、落胆する者、激怒する者、共に喜びを分かち合う者が、無限のPC用ファンと共に流れゆき、Imagine Dragonsヴォーカルのダンが声を枯らすように叫ぶ「We are the Warriors(俺たちは戦士だ)」。そして苛烈なギターソロへ。
世界から飛び立った10本の矢、2つのチームは再び流星となって宇宙へ飛び立ち、再びまた地球の、かの闇夜の決戦場に舞い戻る。
……そこには、あの時勝利を勝ち得た男と、敗北を噛み締めた男の2人が、相対していた。
おいおいおいおいおいおいおい、天才か?
『LoL』を通じて得られる、友情、憤怒、対立、後悔、歓喜、苦痛、達成感、闘争心、その全てがこの3分に満たない動画に完全に収まっている。
確かに、これは一見すると凄くマニアックな広報かもしれない。
アツすぎて、カジュアル層には熱意が空振りするかもしれない。
だが、必ず見た人間の何人かに、希望を、共感を、感動を抱かせるスゴイ動画だ。
「たかがゲームじゃあ~んw」
とニヤついて誤魔化してた人間に、
「ク”ヤ”シ”イ”デス”」
とまで言わせる動画だ。
『Fortnite』でも、『OVERWATCH』でも、他のMOBAタイトルでも、味わえない体験。
私自身、これを最初に観た時鳥肌が止まらなかった。
冗談だと思ってたesportsという単語が真実味を帯びてきた。それだけの訴求力があった。
先程述べたように、『LoL』は非常にハードルの高いゲームだ。いくら新規を確保しても、殆どの人間は容赦のなさに辞めていく。
これはどうしようもない事で、故にライアット本社も積極的な広報を諦めていた。
だがその一方で、一度ハマったプレイヤーを、何年も遊ばせるだけの力が『LoL』にあり、そういうプレイヤーこそがこの小さなゲームを世界最大の規模にまで育てた。
そういった逸材となる顧客を確保し、同時に覚醒させる広報。
これは正に、そういう動画なのだ。
「君たちが経験してきた感動の更に上を行ってみないか?」とか言ってる場合じゃない。
そういうのは、こう、公式が口に出したら急に貧乏臭くなるんだよ!!
理想3:「最適解」LeagueU
紆余曲折を経て、私がずばり現状最適解だと考える広報、それは「LeagueU」だ。
「LeagueU」とは、『LoL』の学生向けプログラム。サークル活動やイベント運営のサポート他、学校同士の繋がりを作ったり、大学対抗のリーグの経営も担当している。
このプロモーションは私の指摘した欠点の殆どを克服している。それどころか、国内esports業界においても各社が手本とすべき例だと思う。
まずターゲットの問題。これは「学生」を対象とする点で成功している。
人間「あなただけ特別ですよ」と言われると、大体どんなものにも興味が沸くように、絞ったターゲットに適切なサービスを提供するのは、広報の基本だ。
色々なサービスで「学割」が用意されているのは、経済的な配慮のみならず、未来のお客を確保する意味もあるのだ。
そしてメッセージの問題。
これもシンプルで「機材等の貸与」「グッズの付与」「新規加入者へのRPやスキンの贈呈」、そして去年は大会の賞金として合計2000万円拠出するなど、明確かつ具体的なリターンが用意されている。*2
当然ながら新規顧客はあえて「始める」だけの動機を探している。「今始めると特典がある!」というのは非常に強力なアプローチだ。
日本人であれば「期間限定」の魔力に抗えないのと同じである。
そしていざ参加した初心者が直面する、高い難易度とコミュニケーションの問題に関しては、大学内で実際に交流できるコミュニティという最高の答案を用意している。
学生ならば時間的な余裕もあり、一堂に会するための場所もある。つまりコミュニティの発足と成長に実に適している。
そして、皆と一緒に始められれば、赤の他人と殺伐としたコミュニケーションをせず、MOBA醍醐味のチームプレイを最初から知ることができるし、初心者に対しては先輩という最高の教員が教えてくれる、というわけだ。
事実として、LeagueUは間違いなく「成功」と言えるだけの規模に成長している。
登録サークルは日本国内で100を越え、LFS池袋で開催した学生大会は盛況のまま終了。更に、優勝チームを中国の大会まで導いたのだ。すごすぎる。
実際、かのNegitakuのYossyさん(@YossyFPS)がLeagueU協力の学生パブリックビューイングをレポートした時、「これすごく良いなあ。自分が学生の頃にこんなサークルあったら入りたかったですよ。LoLがきっかけで仲間がどんどん増えるなんてすごい」と絶賛する程。
最も、この成功には多数の組織による協力が必要不可欠であった。今はなきGameBank、Yahoo! JAPANとライアットジャパンの3社による、地道な取組の成果でもある。*3
実はLeagueUからライアットが最も見習うべきは、正にこの点に尽きる。
要するに各プレイヤー、各コミュニティに地道に足を運び、積み上げた信頼こそがLeagueUなのである。
一朝一夕で成功する広報は限界がある。。自分の足で直接顧客と交渉し、各方面と協力してようやく果実は実るのだ。
今後の広報展開に期待すること
長々と述べたが、恐らくライアットジャパンの広報活動は始まったばかりだろうし、今はまだお通し程度だと恐らく多分きっとそう思うので、決して悲観してはいない。
とは言え、もう少し工夫した方が良さげではある。コンサルや代理店とどう話を付けたのかはわからないが、これが成功すると考えにくい。
そこで、今回挙げた好例を、全て活用するのは不可能にせよ、部分的に何が成功に繋がったのか考え、活用することは可能ではなかろうか。
先程述べたように、重要な点は「既存の足跡」を活用することだ。
例外はあるにせよ、正直ライアットジャパンは新規開拓に限らず、どうも何でも自前で用意しようとする傾向にあるように思えてしまう。
無論ライアットにも、人員や資金の限界など、色々と事情はあるだろうが、メディア、サイト、ストリーミング、何であれ、ともかく既存のコミュニティに浸透するためには、彼らの協力が必要だし、彼らを利用すべきだ。
ターゲットに関しても、例えばのりじろさんが運営する、アマチュアレベルで活動する社会人専用リーグ「LNS」のような、既存のコミュニティと協力を図り、初心者を上手く巻き込んだり、(それを望まない場合もあるので相談が必要不可欠だが)
もっと既存の商業ゲームメディアを利用して記事を出して、他のesportsタイトルのプレイヤーにも認知してもらう機会を増やすなども考えられる。
またメッセージにしても、「面白いからやってみてね」ではなくて、新規加入特典を期間限定で定期的に設ける(これはオンラインゲームの定番中の定番だが)等、いかようにも対策はある。
本社と相談して、可能なら日本サーバーだけ新規プレイヤーに、かっこいいと評判のチャンピオン「ヤスオ」と彼のレジェンダリースキンをプレゼント!!というのはどうだろう。……あれ?なんでそんな怒ってるの?
そして何より大切なのは、確保した新規を逃さないアフターケアだ。さながらバブル崩壊前の就活よろしく、一度囲った新規は全力でチヤホヤして帰さないぐらいで丁度よい。
初心者向けにeyes氏とrevol氏があれこれ解説するシリーズ動画を作るとか(前アサシンアップデートの時にrainbrainさんと作ってた)、用語解説のための公式Wikiのようなサイトを作る等は欠かせない。
コミュニティのためにも、今みたいなボードだけでなく、もっと初心者同士が仲良くなれる施策や、経験者が初心者に色々教えてくれる場所が必要だ。
システム上難しいだろうが、個人的に『MGO2』の教官システムとか実現できたらかなり面白いと思う。
私も内部の人間でないので、何かしらの事情があるのだろうが、『リーグ・オブ・レジェンド』は私がプレイした数あるゲームの中で、最も楽しめた作品の一つだし、発展して欲しいとも願う。
ので、ライアターの方々のリクルート活動の成功を祈ろう。
まぁ、少なくとも
これよかよっぽど良くなったので、自信を付けて欲しい。
アスキー
売り上げランキング: 20,567
*1:プンレクに至ってはLJLすら同時配信してるぞ
*2:LeagueUスペシャルキャンペーン実施決定!! | League of Legends
*3:学生コミュニティ支援プログラム | League of Legends