Appleは、インド国内の主要都市に大型のフランチャイズ店舗「フラッグシップ・プレミアムリセラー」を5〜6店舗、オープンさせる計画と報じられています。iPhoneのシェアがわずか1%と苦戦しているインド市場の攻略を目指します。
大都市の一等地に大型店舗
Appleがインド国内に開設を計画している大型店舗、「フラッグシップ・プレミアムリセラー」は、フランチャイズ店舗「プレミアムリセラー」の上位版です。
インド国内には、約150店舗のプレミアムリセラーがありますが、計画されている「フラッグシップ・プレミアムリセラー」は、敷地面積1,500平方フィート(約42坪)程度の従来型店舗と比べて約3倍にあたる、5,000平方フィート(約140坪)級の面積を持ちます。
これらの大型店舗は、ショッピングモールの中核店舗や、都市の目抜き通りといった一等地に出店される、という業界関係者の話をインドメディアThe Economic Timesが報じています。
「フラッグシップ・プレミアムリセラー」は、まずニューデリー、ムンバイ、ベンガルール、チェンナイ(旧マドラス)に出店し、その後にハイデラバードやプネーといった都市にも進出する計画と伝えられています。
iPhoneのシェア1%、苦戦するインド市場
急速な経済成長を続けるインドは、世界的にスマートフォンの普及が一巡し、販売の伸びが頭打ちになっているiPhoneの成長が見込める有望市場です。
しかし、iPhoneはインドの物価水準からみて非常に高価なこともあり、わずか1%のシェアしか獲得できておらず、苦戦しています。
また、現地資本の販売店がiPhoneの販売価格を予告なく変動させ、消費者の「様子見」を招いているのも販売不振の原因と指摘されています。
Appleは最近、インド国内での販売・マーケティング責任者者を入れ替え、販売の強化に本腰を入れています。「フラッグシップ・プレミアムリセラー」の開設計画もその一環とみられます。
Apple Storeの開設には厳しい条件
Appleは、インド国内で2017年にはiPhone SE、2018年にはiPhone6sの製造を開始しているものの、直営店Apple Storeを開設できていません。
これは、国内産業の育成を重視するインド政府が、外国企業が直営店を開設するためには、販売される商品の30%以上がインド国内で製造されていることを条件としているためです。
Appleとしてはライバルメーカーにスマートフォン市場を攻略される前に販売を強化するべく、直営店開設を待たずに「フラッグシップ・プレミアムリセラー」の設置を決めたと考えられます。
Source:The Economic Times, 9to5Mac
(hato)