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子供の蓄膿症割合は意外と多い
「蓄膿症って、あのあおっぱなが垂れてるのでしょ?昔はクラスに1人いたかもねぇ。」
このように、「蓄膿症(ちくのうしょう)」に対する認識が薄いママは多いと思います。そして、自分の子供が蓄膿症とは関係ないと思っているかもしれません。
ところが、文部科学省が行った「平成27年度学校保健統計調査」によると、割と多くの子供たちが蓄膿症(蓄膿症予備軍)の診断を受けています。小・中学生だとクラスに3-4人いることになります。
・幼稚園児|3.57%(30人に1人)
・小学生|11.91%(9人に1人)
・中学生|10.61%(10人に1人)
・高校生|7.34%(15人に1人)
ところで、子供の蓄膿症は、子供ではなく親の影響が大きいでしょう。「遺伝!?」……というわけではなく、親が子供に対する注意を怠ってしまったり、正しい教育をしないことで蓄膿症を発症する可能性が高まります。
蓄膿症は一度発症すると治りにくく、子供のときにかかって大人になっても続く……という厄介な病気です。そのため、親が原因で子供が蓄膿症になることは避けなければいけません。
では、蓄膿症とはどのような症状がある病気なんでしょうか。また、蓄膿症の予防や治療はどうすれば良いのでしょうか。
今回は、蓄膿症の原因や症状、また、予防や治療法についてお話したいと思います。
蓄膿症(慢性副鼻腔炎)とは
子供の蓄膿症は、正式には「小児慢性副鼻腔炎(しょうにまんせいふくびくうえん)」と呼ばれ、副鼻腔から広がる4箇所(左右8箇所)の空間に炎症が起き、膿が溜まってしまう病気のことです。
上から前頭洞(ぜんとうどう)、篩骨洞(しこつどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)、上顎洞(じょうがくどう)に分かれて、顔全体に広がっています。
溜まった膿は緑や黄色っぽい色をしており、粘り気がある鼻水として鼻からあふれたり、のどで痰として絡まったり、鼻づまりの原因になります。
この緑や黄色っぽい色の膿が、いわゆるあおっぱなです。
蓄膿症(慢性副鼻腔炎)の原因
蓄膿症は、鼻水を排出せずに常にすすっていたり、急性副鼻腔炎を治療しきらないことが原因で、慢性的に副鼻腔の炎症が起きてしまいます。
では、蓄膿症に至る前の急性副鼻腔炎には、どのような原因があるのでしょうか。
急性副鼻腔炎の原因1.風邪のウイルスや細菌
急性副鼻腔炎は、風邪のウイルスや細菌が副鼻腔内や鼻粘膜に感染することで起こります。
わたしたちは主に鼻呼吸をするため、細菌やウイルスは鼻から入り、鼻水によって排出されますが、鼻水が溜まったままだと細菌やウイルスが体内に取り込まれて感染し、炎症を起こしやすくなります。
急性副鼻腔炎の原因2.花粉やハウスダスト等のアレルギー
花粉やハウスダスト等のアレルゲンが鼻に入ってアレルギー反応が起こると、鼻水が排出され続け、鼻づまりの状態が続くことで急性副鼻腔炎になってしまいます。
急性副鼻腔炎の原因3.鼻中隔の形状が歪
副鼻腔を仕切って通っている「鼻中隔(びちゅうかく)」が曲がっていると鼻の通りが悪くなるため、副鼻腔に炎症が起きて膿が溜まりやすくなります。
この鼻中隔の曲がりを「鼻中隔弯曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)」と言います。鼻中隔は成長の過程で曲がってしまい、急性副鼻腔炎の原因になる場合があります。鼻中隔弯曲症の原因や症状、治療法などは以下を参考にしてください。
急性副鼻腔炎の原因4.虫歯や歯周炎の菌や膿
虫歯や歯周病などで口内の菌が繁殖して鼻の中に入り、急性副鼻腔炎になる場合があります。とくに、赤ちゃんや子供は鼻と口の距離が近いため、虫歯や歯周病が感染しやすい状態です。
蓄膿症・副鼻腔炎の主な症状
赤ちゃんや子供はもともと鼻水・鼻づまりが多いため、急性副鼻腔炎に気がつかない場合があります。急性副鼻腔炎は風邪の症状と似ているため、「風邪がなかなか治らないなぁ。」と思っていたら、いつの間にか蓄膿症ということもあります。
症状1.鼻水・鼻づまり
蓄膿症の鼻水は、ネバネバとした粘り気がある黄色や緑っぽい鼻水のため、鼻づまりの原因になったり、痰が絡まります。この鼻水の正体は副鼻腔に溜まった「膿性鼻漏(のうせいびろう)」です。
鼻水の種類や鼻水がよく出る原因は以下を参考にしてください。
赤ちゃんや子供の鼻水・鼻づまりの原因は?肌荒れ・病気の注意点症状2.嗅覚障害・味覚障害
蓄膿症にかかると、強い鼻づまりが原因で嗅覚障害、味覚障害につながる可能性があります。
症状3.悪寒・発熱
蓄膿症は、副鼻腔に細菌が感染して炎症が起きている状態です。そのため、感染した細菌によって悪寒を感じたり、発熱する場合があります。
症状4.咳・痰・嘔吐
副鼻腔の炎症で膿が発生しますが、その膿がのどに進入することで、咽喉の炎症や気管支炎の原因になります。また、咳が出たり、痰がのどに絡みやすくなります。子供の場合は痰が喉に絡んで、夜中に嘔吐する場合もあります。
赤ちゃん・子供の様々な嘔吐原因とは?嘔吐後の対処や片付け方蓄膿症の症状5.頭痛
副鼻腔に膿性鼻漏が詰まった際、外気圧との圧力差によって神経を刺激し、頭痛を起こすことがあります。
症状6.関節痛・歯痛
風邪やインフルエンザなどのウイルスは、蓄膿症とともに全身の関節に炎症を起こし、関節痛の原因になることがあります。虫歯があると、むき出しになった神経を刺激することで、歯痛が起こることもあります。
症状7.膿性鼻漏の悪臭
膿性鼻漏は、膿に含まれるタンパク質が細菌によって分解されることで悪臭を発生します(生ゴミやザリガニが腐った匂いと形容される……)。悪臭は人に悪い印象を与えるため、場合によってはこれが1番大変かもしれません。
蓄膿症・副鼻腔炎の鼻づまりによる影響
急性副鼻腔炎自体が重大な病気を引き起こすことはないため、ママは過度な心配をする必要はないのですが、慢性化して蓄膿症になると普段の生活に影響が出ます。
たとえば、慢性的な鼻づまりによって副鼻腔に常に膿性鼻漏(鼻水)が溜まった状態になると、
・鼻声になる
・鼻や口から悪臭
・集中力の低下
・記憶力の低下
・いびき
・鼻のむくみ
・鼻のポリープ
・嗅覚障害
・味覚障害
などがあり、鼻づまりによる口呼吸が増えると、顎の発達にも悪影響を与えます。
たとえば、口呼吸をしている子は口が開けっ放しのため、口の筋力が低下し、顎の成長や歯並び、噛み合わせが悪くなります。歯並びや噛み合わせが悪くなると口呼吸が増え、症状が悪化していきます。
子供の悪い歯並びは親の遺伝が原因?歯並びを治す方法は?もちろん、前述した風邪のような症状も治りにくくなり、微熱や咳、頭痛、関節痛などが長く続く場合もあります。
子供の蓄膿症の見分け方
大人であれば、さまざまな症状から蓄膿症を見分けることできるはずです。ただ、子供の場合は蓄膿症の自覚症状を訴えることが難しいため、親が子供の状態を観察するしかありません。
とくに注意したいのは、風邪などの病気の後で鼻水や鼻づまりが続く場合です。風邪は治ったはずなのに「鼻づまりが続くなぁ。」「鼻水の色が変わらないなぁ。」と思ったら、念のために小児科を受診した方が良いでしょう。
また、子供と話をして顔や歯などの痛み、悪臭の訴えを確認できた場合、集中力の低下、味覚の変化(食欲不振など)などをママが感じた場合も、躊躇せず受診してください。
もちろん、蓄膿症になる前の急性副鼻腔炎を完治してあげれば、子供が苦しむこともありませんし、ママも余計な心配をしなくて済みます。
蓄膿症・副鼻腔炎の治療方法
急性副鼻腔炎が蓄膿症にまで発展すると、自然治癒が難しくなり、病院で一定期間の治療を受ける必要があります。
もし、病院で蓄膿症だと診断された場合、まず鼻水吸引機で鼻に詰まっている鼻水と膿を吸引したり、鼻腔内を洗浄します。
次に蓄膿症の原因になっている風邪や鼻炎(または虫歯や歯周炎など)を治療し、副鼻腔の炎症を抑えるようにします。副鼻腔の炎症には抗生物質が処方され、アレルギー性鼻炎の場合は抗アレルギー剤などが処方されます。
過剰な鼻水が抑えられ、鼻水が溜まらなくなれば副鼻腔の炎症が徐々に治まり、膿が鼻から流れきることで蓄膿症が完治します。そのため、鼻水は常に溜まらないように、自宅でも吸引などしなければいけません。
また、蓄膿症が原因で鼻腔内にポリープができてしまった場合は切除術が必要になりますが、これはかなり稀なことです。
蓄膿症・副鼻腔炎の予防法
蓄膿症は、深刻な病気ではありませんが、治療に時間がかかる厄介な病気です。もし、風邪やインフルエンザから急性副鼻腔炎を患った場合は、蓄膿症に至らないように病院に通って、治しきらなければいけません。
急性副鼻腔炎は自然治癒することも多いのですが、慢性化して蓄膿症に至ると、根気強い治療が必要になります。
蓄膿症や急性副鼻腔炎を予防する一番の方法は、普段から鼻水を溜めておかないことです。そのためには、赤ちゃんのころは鼻水吸引器などで鼻水を吸引して、3歳ごろには自分で鼻をかめるように指導しなければいけません。
鼻づまり解消法は寝かしつけと同じで、子供に合う合わないがあるため、まずは以下の方法を試してみてください。
赤ちゃんフガフガ苦しそう…鼻水・鼻づまり対処法・解消法21選また、鼻をかまずに鼻水をすすっている子がいますが、これはウイルスや菌を体内に取り込んでいることと同じです。鼻をすすって、副鼻腔にウイルスや菌が入ると炎症を起こす可能性があります。
そのため、鼻水は体外に出す必要がありますが、大王製紙の調査によると、正しい鼻のかみ方ができている15歳以下の子供は42.2%しかいません。以下を参考にして、正しい鼻のかみ方を子供に習慣づけてください。
鼻をかむ理由は?嫌がる子供に教える正しい鼻のかみ方と練習方法蓄膿症を予防するためには、「鼻づまりを解消する」「正しい鼻のかみ方を身につける」ことが大切です。ママは赤ちゃん・子供の鼻水や鼻づまりに十分注意して、面倒な病気から守ってあげましょう。