小池都知事:猛暑で急浮上したサマータイム、五輪限定の導入に慎重
延広絵美、Isabel Reynolds-
費用と社会的不安に心配の声、五輪と別に検討する価値ある-小池氏
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導入は19、20年の2年間限定との公算、臨時国会に法案提出も
東京都の小池百合子知事は、2020年の東京五輪・パラリンピックの暑さ対策として政府・与党が検討しているサマータイム(夏時間)制度について、コスト面などで問題があるとして慎重な姿勢を示した。20日、ブルームバーグのインタビューで語った。
東京都の小池百合子知事
小池氏は、サマータイムを「五輪とは別に検討する価値はある」とする一方、大会に合わせた期間限定の導入は「コストと、社会的不安を呼ぶのではないかと心配する声は大きい」と否定的な見方を示した。導入に伴うコンピューターシステムの設定変更の影響などを踏まえ、「これだけデジタル化が浸透する中で、どれくらい早急に実行できるか」との懸念も明かした。
東京五輪の開催日程は20年7月24日から8月9日まで。都は当初、期間中の天候は温暖で、「アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる」としていたが、今年の記録的な猛暑で選手や観客の健康対策が課題となっている。総務省消防庁によると、4月30日から8月19日までの間、全国で8万2000人以上が熱中症により緊急搬送され、前年の同時期に記録した約4万5000人を大幅に上回った。
産経新聞によると、先月27日に大会組織委員会の森喜朗会長からサマータイム導入の要請を受けた安倍晋三首相が自民党に検討を指示。19年、20年度の2年間限定となる公算が大きく、最も暑い6-8月を軸に数カ月間だけ2時間繰り上げる方向で調整していると報じた。与党が秋の臨時国会への議員立法提出を目指すという。
小池氏は、「国全体の話なので、国の方針を決めることが必要」と政府内の検討状況を見守る考えを示す一方、暑さ対策ではすでにマラソンなど屋外競技の開始時間を早める方針を決めていると強調した。東京大会では、マラソンは当初計画から30分早めて午前7時としたほか、男子50キロ競歩やゴルフも前倒しする。