(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年8月18/19日付)
米ミネソタ州ミネアポリスに住んでいる人は誰しも今、イタリア北部ジェノバの人たちの怒りと悲嘆を理解できるだろう。
11年前、ミネアポリス中心街で、ミシシッピ川にかかる8車線の州間幹線道路の高架橋が崩落し、13人が死亡した。
ミネソタの悲劇と8月13日に起きたジェノバの悲劇の共通点は痛烈だ。
2件の崩落事故は、老朽化したインフラは純粋にイタリアの問題ではなく、世界で最も進んだ経済国の多くで見られる弊害だということを浮き彫りにしている。
崩落で少なくとも13人の死者を出したジェノバのモランディ橋と同じように、ミネアポリスの橋も1967年に開通した。
米運輸安全委員会(NTSB)が設計上の欠陥が2007年の橋崩落に寄与したと結論づけたように、イタリア検察当局は今、ジェノバの惨事にも似たような原因があったかどうか捜査している。
いずれの事故でも、崩壊前の数年間、橋を渡る交通量が1960年代の建設中に予想されていた水準を大きく上回っていた。
米国とイタリアの経験の類似点は、ここで終わらない。かいつまんで言えば、両国とも橋や道路、トンネルその他のインフラに対し、本来かけるべき公的資金を投じていないのだ。