Googleは2018年8月18日(米国時間)、企業向け管理ツールの最新バージョン「Chrome Enterprise 69」(2018年9月4日に正式リリース予定)の主な新機能を公式ブログで解説した。
Chrome EnterpriseはIT管理者などに向けた管理ソフトウェア。Google Chrome(以下Chrome)の他、「Chromebook」などの「Chrome OS」搭載端末を管理する機能を提供する。管理対象にさまざまなポリシーを適用することもできる。
Chrome Enterprise 69は最新のChrome β版(バージョン69)とChrome OS(同版)に対応し、改良された管理コンソールを提供する。主な新機能は以下の通り。
サードパーティーコードをデフォルトでブロックする。ブラウザプロセスにコードを注入するソフトウェアを現在利用中であり、このようなブラウザアクセスを今後も一時的に有効にする必要がある場合は、新しい「ThirdPartyBlockingEnabled」ポリシーで特定のソフトウェアを指定できる。
Adobe Systemsは2017年に、「Flash Player」の更新と配布を2020年末に終了すると発表している。これを踏まえた移行計画の一環として、Chromeバージョン69から、ユーザーはChromeの起動後、Flash使用サイトに初めてアクセスするたびに、Flashの実行を明示的に許可するよう求められるようになった。この変更はエンタープライズ設定には影響せず、「DefaultPluginsSetting」「PluginsAllowedForUrls」「PluginsBlockedForUrls」ポリシーを使って、Flashがこれまでのように機能するように構成できる。
今回の変更は、Flashのロードマップに沿って、「Chromium」からFlashサポート機能が削除されるまでの全体的なプロセスの一部だという。Flashアプリケーションを使っている企業は、代替となる選択肢を探さなければならない。
Chromeバージョン69から、IT部門はパスワードアラートポリシーを使って、企業アカウント(Googleアカウントと非Googleアカウント)にパスワードアラートを表示し、パスワードを保護できるようになった。ユーザーが自社のホワイトリストに含まれない危険なWebサイトでパスワードを入力すると、パスワードのリセットを促すフルページの警告が表示される。また、アラートによって、複数Webサイトでのパスワードの使い回しを防ぐことで、企業をアカウント侵害から保護できる。
Chrome OSバージョン69では、ディクテーション(音声の文字起こし)を独立した機能として追加した。ディクテーションを有効にすると、ステータス領域に小さなボタンが表示される。編集フィールドにフォーカスがあるときに、このボタンをクリックするか、キーボードコマンド[Search]+[D]を入力すると、音声でテキストを入力できる。
目の負担を軽減し、より良質な睡眠を取ることができるように、ChromebookではNight Light機能を用いて、1日を通じ、画面表示の色を管理できる。設定済みの日の出/日の入りのスケジュールと推奨される色を利用可能だ。スケジュールと色温度のカスタマイズもできる。
Chromebook向けLinux(β版)では、開発者はLinuxアプリのサポートを追加することで、お気に入りのエディタやコマンドラインツールを利用できる。Settings(設定)でLinuxを有効にすると、ランチャーにターミナルアプリが追加され、これを起動してアプリやパッケージをインストールできる。アプリは仮想マシン内で安全にサンドボックス化される。
デフォルト設定では、ドメインに登録された端末では仮想マシンが無効になる。そのため、Chromebook向けLinuxは現在、登録されていない特定の端末でのみサポートされている。登録された端末におけるChromebook向けLinuxの有効化をサポートするポリシーを、追って提供する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事に関連する製品/サービスを比較(キーマンズネット)
Security & Trust 記事ランキング