現代文は設問数・問の形式とも例年通りの出題。古文は「国語」、「国語I・II」を通して、本試験で説話集から初めて出題された。漢文は例年通り随筆的な内容の文章であった。
大問数 |
減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 |
減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 |
減少(-1) | 変化なし | 増加 |
難易度 |
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
大問数4題、各大問の配点50点。解答マーク数は漢文で1つ減って36になった。
大問数4題、各大問の配点50点。解答マーク数は漢文で1つ減って36になった。
現代文の第1問の評論は、二年連続で現代的なテーマであった。文章量は昨年度より減少。問1の漢字は例年よりやや難。問2~問4までは、傍線部の説明問題で標準的。問5の、生徒が「誠実さ」を話題にして議論をしている中から正解を選ぶ問題は、96年度などにも出題された形式だが、近年にはなかったものでとまどったかもしれない。問6は文章の構成・展開を問う問題に戻ったが、「適当でないもの」を選ぶ点は注意を要した。第2問の小説は二年ぶりに全文での出題であった。分量・出題形式は昨年同様。出典は1950年代の文章ではあるが、読みにくさはない。問1の語彙の問題は易しい。問2や問5で本文の広い部分から解釈する必要があるなど、やや解答に手間取るものもあるが、総じて例年通りの傾向であった。問6は第1問同様、「適当でないもの」を選ぶ問題が出題された。第3問の古文では説話が出題された。説話集からの出題は本試験としては「国語」、「国語I・II」を通してセンター試験で初めての出題であった(国語Iでは97年で出題あり)。問1の解釈問題がやや意訳である点と問2の格助詞「の」の文法的意味を問う問題が特徴的である。全体的に文章の内容を読解できれば正解に至る問題。例年出題されていた和歌に絡む問題が出題されなかった。第4問の漢文はここ数年と同様「随筆」的な文章の出題であった。設問形式も語の意味、返り点と書き下し文の組み合わせ、解釈、内容説明等、例年の傾向と大差がなかった。
国語全体としては、易化。
年度 |
大問 |
出題分野 |
設問数 |
マーク数 |
配点 |
2016
|
第1問 |
評論: 土井隆義『キャラ化する/される子どもたち』 |
6 |
11 |
50 |
第2問 |
小説:佐多稲子 「三等車」 |
6 |
9 |
50 |
|
第3問 |
古文:『今昔物語集』 |
6 |
8 |
50 |
|
第4問 |
漢文:盧文弨『抱経堂文集』 |
7 |
8 |
50 |
|
2015
|
第1問 |
評論:佐々木敦『未知との遭遇』 |
6 |
11 |
50 |
第2問 |
小説:小池昌代「石を愛でる人」 |
6 |
9 |
50 |
|
第3問 |
古文:『夢の通ひ路物語』 |
6 |
8 |
50 |
|
第4問 |
漢文:程敏政『篁墩文集』 |
7 |
9 |
50 |
|
2014 |
第1問 |
評論:斎藤希史『漢文脈と近代日本』 |
6 |
11 |
50 |
第2問 |
小説:岡本かの子「快走」 |
6 |
9 |
50 |
|
第3問 |
古文:『源氏物語』(夕霧の巻) |
6 |
8 |
50 |
|
第4問 |
漢文:陸樹声『陸文定公集』 |
7 |
8 |
50 |
|
2013
|
第1問 |
評論:小林秀雄「鐔」 |
6 |
11 |
50 |
第2問 |
小説:牧野信一「地球儀」 |
6 |
9 |
50 |
|
第3問 |
古文:『松陰中納言物語』 |
6 |
8 |
50 |
|
第4問 |
漢文:張耒『張耒集』 |
8 |
9 |
50 |
過去の平均点の推移
2015 | 2014 | 2013 | 2012 | 2011 |
---|---|---|---|---|
119.22点 | 98.67点 | 101.04点 | 117.95点 | 111.29点 |