怒りの8割は自己満足だと知っていましたか?
僕も2歳になった娘を持つ親であり、子育ての面白さと難しさを感じています。ある調査によりますと、子育て世代の男女275人のうち、「子どもを叩いたことがある」と答えた人は67%いました。
イライラや怒りが「たたく」という行為となって表に出たのだと思います。
しかし、「幼少期に怒られてばかりいた子どもは、親の顔色ばかりうかがい、萎縮して自分を上手く表現出来ない傾向にある」と語るのは、教育コンサルタントの嶋津良智氏です。
毎日のように子どもに怒鳴ってしまったり、ときには叩いてしまったりなど、この悩みを解決する「感情のコントロール」について具体的方法を書いていこうと思います。
それでは、さっそく内容に入っていきましょう!
【元ネタ本】
目次
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つい子どもを怒ってしまう
人は誰でも心のなかに自分の枠がある?
「価値観」「思い込み」「固定概念」「想定」「期待」「思惑」このような枠が心の中に誰でもあると著者は語ります。
これらそれぞれに「枠」があり、大きさは人により異なります。毎日の生活の中で、他人の言動やふるまいなどが、あなたの心に飛び込んできます。それらが、枠の中に収まっていれば、心は穏やかなままという理屈です。
しかし、人間とは感情の生き物ですよね。
遭遇した出来事が同じでも、そのときの気分によって受け取り方は大きく変わります。さらりと受け流すこともあれば、イライラしたり、ときにはプツリと切れて怒ってしまいます。
著者は過去にこのような体験をしたそうです。
【本書抜粋】
電車に乗っていて、非常に邪魔なところに人が立っていたことがありました。そこで、「ちょっとすいません」とやんわり声を掛けたのですが、まるで声が聞こえていないかのように無視されました。
再び、「すいません」と声を掛けましたが、やはり無視・・・。「なんて失礼な人なんだ」と思って、肩をちょっとたたきながら「すいません」と言ったところ、慌てたように「ごめんなさい」と言わんばかりに頭を下げて横にどいてくれました。
すると、その人は、耳に手を当てながら「私は耳が聞こえなくて気がつきませんでした。ごめんなさい」と伝えてきたのです。私は、さっきまでのイライラしていたのですが、一瞬のうちに申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいました。(P28)
縁起でもないですが、子どもが不慮の事故にあって目の前からいなくなってしまったら、子どもに対して怒ることもイライラすることさえもできなくなります。
そこで知っておいてほしいことが2つだけあります!
子どもは、あなたを怒らせるために行動しているのではないこと。いまそこに存在してくれているからイライラできるということです。
出来事に対する意味づけは、自分自身の受け取り方で変わります!
【関連記事】
ーー怒ってもいい。でも上手に表にだそう!
最近、僕達家族はファミレスでランチをしていました。そこで、店内に響く甲高い女性の怒鳴りが聞こえてきました。
「そんなことするなら食べるんじゃない!あんたは人として最低なことをしたのよ!(怒)」
怒鳴り声のボリュームは100デシベル近いです。100デシベルとは、地下鉄の構内と同等の騒音ですから相当大きな声です。その声の方に目をやると、3人のママ友と子どもが5人くらい座っていました。
その中央に座る女性が、子どもに向かって怒鳴りつけています。もちろん、店内中がシラーっと一瞬でなり、2人のママ友から漂う困惑な空気。しかし、それに気付くことなく怒鳴り声は10分以上続きました・・・。
【怒鳴っている人】
著者は怒ってもいいと言っています。
しかし、「上手に怒りを表に出そう」と助言しています。「どうしてあんなことを言ってしまったのだろうか」や「あんな言い方しなければよかった」など後悔したり自己嫌悪に陥ったときは、正しく怒りを表現できなかった証拠だと語ります。
怒りの感情をコントロールして、相手に「伝える」ことが重要です。
ポイントは「事実」「影響」「感情」「尊重」です。
1.相手のどの行動に問題があったのか、具体的な「事実」を伝える。
2.その行動がどんな「影響」をもつのかを具体的に伝える。
3.どんな「感情」が芽生えたかを率直に伝える。
4.相手に「尊重」を示す。
ちなみに、僕はいつも口うるさくて、人のミスばかりをチクチク言ってくる上司にこの方法論を試してみました。
まず心理学の見地から「僕はあなたの敵ではありません」とはっきり伝えたあとに、上記内容を述べました。その結果、今では仲良く話ができています。(※実話です!)
もし上記方法論に対してハードルが高いと感じたときは、嫌味を言ってくる相手に「私はあなたの敵ではありません」と伝えるだけでも効果抜群です。
この方法論は心理学的かつ実践でも実証済みですので、おすすめです!
【過去記事】
コーピングマントラで怒りを克服
コーピングマントラをご存知ですか?
コーピングマントラとは、怒ってしまったときや、落ち込んでしまったときのために、「魔法の呪文」を持とうというスキルです。
この方法論は、魔法の呪文を唱えることで自分を勇気づけたり、納得させたりすることができます。
イライラや怒りの種類に応じて、あらかじめ魔法の呪文を用意しておくと、いざというときに便利だと著者は語ります。たとえば、「きっといい方法があるはずだ」「神様が私を試しているにちがいない」「これはちょうどいい!」などです。
この言葉をイライラしてしまいそうなときにつぶやくことで、感情的になるのを防ぐ効果があります。イライラするような出来事に遭遇したら「これはちょうどいい!」と頭の中や呟いてみてくださいね!
【過去記事】
ーー褒めかた次第では「毒」となる?
「子どもを褒めて伸ばしましょう!」とよく耳にしますよね。
「すごいね!」「上手ね!」「さすが!」は幼少期までのテクニックです。幼少期には自我を形成する大切な成長過程なので、親からの承認は非常に重要なポイントです。
しかし、子どもが成長するにつれて、単純な褒めかたですと「もっと褒めてもらいたい」という期待に繋がり、その期待がいつの間にかプレッシャーになっていると著者は語ります。
「上手にやらなければお母さんに嫌われちゃう」このように子どもは思ってしまい、最悪の場合は、自ら命をたってしまうことも実際にあるのです。そこで重要なのは、褒めることが悪いのではなく、「褒める表現が悪い」のです。
子どもが勉強していたら、「勉強しているんだね」が正解です。つまり行動をそのまま口にするだけです。片付けをしていたら「片付けしているのね!」だけです。
個人的な価値観は加えないことが、本当の意味での「褒めて伸ばす方法論」となります。
【関連記事】
「親だから」と思わない
母親なんだからこれぐらいやって当然だと思っていませんか?
まず、母である前にあなたは一人の女性であり人間ですよね。
完璧を求めて自分が苦しくなってしまったら身もふたもありません。尊重したいのは自分らしく生きることです。過去記事にも書きましたが、他人の目や評価を気にする必要なんてありません。なぜなら、人やコミュニティが変われば評価も変わるからです。
つまり「普通」で良いんです!
これをアドラー心理学では「普通でいる勇気」と語っています。
ありのままの母親で素直に表現することが、本当の自然体ですよね。生き方まで母親である必要はないと著者は語ります。
ーー夫婦でしかり方のルールを決めておく
叱ってはいけないわけではありません。
その叱り方に問題があると前章でお話しましたよね。特に注意してほしいことが一点だけあります。
それは、夫婦一緒になって叱ったり、片方が叱っているのを止めたりしないことです。
叱るのはお母さんがやって、そのアフターケアはお父さんがやるなど事前に打ち合わせをしておく必要があると著者は語ります。
子どもの気持ちになって考えてあげると理解できます。
もし仮にあなたが、職場で注意されたときその場にいる全員から責められたらどう思いますか。子どもにとって「家族」という小さなコミュニティでしか、安心できる居場所はありませんよね。
叱ったあとは、ちゃんとアフターケアは必要となります!
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まとめ
・感情のコントロールをして怒鳴ることはやめる。
・コーピングマントラで冷静さを保つ。
・親である前に一人の人間である。
いかがだったでしょうか?
子育ては苦労が多いです。しかし、自己流の教育方針よりも、しっかりと育児の方法論を知って自分の気持ちを安定させることが重要です。より詳しい内容は、著作に書かれていますのでよかったらお手に取ってみてくださいね!