岩田広治医師 』
で、今回の改訂の『心』
「改訂ガイドラインは、
いくつか選択肢がある中で、
患者さんと相談をして、
介入を決定する際に
参考にしてほしいツールである」
実際の臨床現場、
患者からすれば、『自分の』癌の治療、
で重要なのは、
『医師の経験』や『患者の価値観』が
加味されること、
『ガイドライン』は、
あくまでベースとなるツール。
ということを前面に押し出した改訂が、
さらに、
「今までよりも、医師・患者の
shared decision making の重要性
を考慮し、
日本の乳癌診療が成熟し、
次のステップに入ったことによる
ガイドラインであるともいえる」
「生存期間などの『益』と、副作用などの
『害』のバランスを考慮した手法を
取り込んだ」
「CQの投票の結果の賛成率や独自の
メタ解析結果も記載されている。」
が、すっごく、喜ばしく嬉しく感じる、
とご紹介した、
乳癌診療ガイドライン、自分の目線で
気になるところを確認しました。
※人(患者)それぞれ、必要な情報が違うで
しょうから、
ガイドラインをお読みくださいね。
あくまで、私は自分のために確認した
メモです。
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【外科療法編】
・標準化: 乳房温存手術、乳房全切除術
+皮膚温存乳房全切除術、
乳頭温存乳房全切除術、乳房再建術
の付加
・「乳房手術における治療の選択は
医学的適応のみならず、患者の希望、
価値観、人生観などに左右されるため、
それぞれの益と害を十分に説明したうえで、
患者の意思決定権を尊重することが重要」
と、詳細に明記されている点、
本当に喜ばしい!
まさに、この姿勢を臨床現場で
貫いていただきたい!
(ラジオ波消灼療法、凍結療法、集束超音波
療法等)
・適応を限れば局所制御できる可能性あり、
現時点では臨床試験、実臨床では時期尚早。
・元々画像上のリンパ節転移があれば
センチネルリンパ節生検を行うことを
弱く推奨。(合意率83%)
・画像上のリンパ節転移が術前化学療法で
cCRした場合、センチネルリンパ節生検を
行わないことを弱く推奨。(合意率92%)
・インプラント再建は
「あまり勧められない」、
自家組織再建は「可能である」
・インプラントは合併症が多い。
自家組織再建であっても、非照射患者に
比べれば合併症の頻度は増加。
・予後の改善を期待しての原発巣切除は
行わないことを弱く推奨。
※ 初診時から遠隔転移があるステージ4では
原発巣の外科的切除により長期生存の
可能性を示す報告もある。
・症状緩和のための原発巣切除は
「考慮される べきだが、薬物療法のみ
でも症状改善は可能」。
・限局した胸壁再発に対して、生検や
局所制御のために「細心の注意のもと」
切除を考慮してもよい。
・生存の延長に寄与するエビデンスはない。
限られたケースを除き勧められない。
・転移か原発か判断に迷う単発性肺腫瘍の
場合、診断と治療を兼ねた切除は
考慮され得る。
・単一臓器の少数転移の切除が生存率の延長
に寄与するかは今後のデータに期待。