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解決ワークショップの時間です
なんとなんと今日で連載100話。
そんな折、なんとなんと昔好きだった男子P君(P君は私に好かれていた事を多分この記事で初めて知るのだが)から突如、約5年ぶりの連絡とともにPDFで丁寧すぎるお悩み相談が届いた。
しかもアラサー男子5万人くらいが抱えていそうな、至高のリアルお悩み「セックスレスの彼女と結婚すべきか?」。更にはなんとそれ、ここで公開して良いとのこと。
読者のみなさん。
今回本人に関する情報がいつもより大充実しており、せっかくなので以下P君情報を読んだあと、彼の本心を推理し、自分ならどうアドバイスするか考えてみてください。
以下P君から来たお悩みまとめからどうぞ。
【悩み】今同棲中の彼女と結婚すべきか。
【交際期間】2年8ヶ月くらい(同棲歴:8ヶ月)
【プロフィール】
私:32歳。現在、デジタル広告会社のプランナー。
現職(仕事内容)にはそこそこ満足しているものの、今、ビジネス書業界を席巻している「お金2.0」「多動力」等のNewsPicks系書籍を読み漁り、無駄に焦り始め、年齢的にも自身の人生/キャリアについて悩み、近々の転職も視野に入れている。彼女:30歳。東京の下町育ち。人材広告会社→事務職。
ハデな見た目とは裏腹に、性格はスレてなく、真面目な良いこ。合コンで知り合う。
彼女が育った家庭環境:両親ともに東京の東側(下町)生まれ下町育ち。お父さんの給料が低かったがお母さんが頑張って稼ぎ、娘と息子を私立の中学~大学まで行かせ、一軒家も建てた。結構、母親の力が強い。【なぜ結婚を悩んでいるか】
①セックスレス(彼女にED)
前の彼女もそれが原因で別れている前科持ち(彼女に対してそのように見れなくなる)。
基本付き合い始めて2年弱すると発症。同棲してからは2回しかしていない(うち1回は旅行)。
先月旅行中にtryするも失敗。現在レス半年目前。
※ある程度スキンシップは適度にある。
※この課題について彼女にはとてもじゃないけど打ち明けられない。②若干の価値観の相違
A.結婚後の理想の生活における価値観の相違
彼女:東京に一軒家が欲しい
私:経済的にきつそうだし、マイホーム欲がない、マンションでいい
彼女:東京の東側に住みたい
私:本音は西がいいが、彼女の出産を考えると相手方に合わせたい
彼女:子供二人を中学から私立に行かせたい
私:頑張るけど、話し振りから「私立」や「学歴」へのこだわりに対して温度差を感じる
B.彼女側のご家族との相違
普通に話す分にはご両親とも良い人だが、 お母さんは心配な娘に対して色々同棲や私について言っているらしい。
私が(数年前に父が亡くなり)片親であることに対して、ネガな反応を見せる等。また別にいいのだが、下町に相当なプライドを持っているような言動を感じる(推測)。③私の結婚へのモチベーション
結婚に対して、いずれはしたいと思っているが、そもそもそこまでの憧れがない。自身のキャリアに悩んでいるこの状況で、そこまでの決心がつかない。
彼女は年齢的にも結婚願望が強いが、それに頑張って応えられない自分がいる。同棲前の一人暮らしが恋しい時が多々ある。
彼女のことは好きだが、この人と結婚したい!!という想いはそれほど強くない。そもそも結婚って何?と日々迷走。
昨年のゼクシィの広告の「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」というコピーの“結婚しなくても幸せになれるこの時代”という時代性をクリティカルに捉えた言葉並びに激しい共感を覚える。
そんな曖昧な状況でなんとなく!勢いで!という結婚にはリスクしか感じない。
とは言え、結婚とはそういうものなのか?【備考】彼女との同棲生活は苦ではない。基本的に一緒にいて楽しい。
スイスイからの追加質問
Q.P君の年収いくら?
A.600万Q.P君の家庭環境は?
A.父は弁護士。父の年収3000万くらい。実家は目黒区のマンション。毎年家族で海外旅行していた。お寿司はいつもカウンター(ファミレスに行ったことがない)。中高大私立一貫。父に怒られた記憶は一度くらいしかない。父親は色々あって数年前に自決。父の他界をきっかけに母親と絆が強くなった。さらに追加で「P君の死ぬまでにやりたいこと100」
※抜粋。系統分類はスイスイ
【仕事系】
密着取材を受けて、自分も朝早いにもかかわらず、朝合流した撮影スタッフに対して「朝早くから大変ですね」と言う/年収1500万/フリーのライターとして最低月100万円稼ぐ/外資系企業で働く/写真の仕事をする/ライティングの仕事をする/放送作家の仕事をする/食に関する仕事をする/ファッション関連の仕事をする/自分の飲食店を開く/パラリンピックの仕事をする/ナイキのマーケ職/大学の教員/写真の個展開く/エッセイ本出版【趣味系】
マラソンに毎年出る/毎月100km走る/葉巻を吸う/犬を飼って駒沢公園にいく/スケボーをやる/小説を書く/トライアスロンやる/外人の友人をつくる/金髪にする/キックボクシング習う/ホテルバーに通う/新喜劇みにいく/腹筋を割る/体脂肪率一桁/アフリカに行く/椎名林檎のライブを見に行く/ゲスの極み乙女。のライブを見に行く/インスタフォロワー20K【ライフスタイル系】
たまにインフルエンサーが呼ばれるようなpartyに、よかったら行かない?と誘われる/留学する/仕事はやりたいことをやりつつ、高所得で自分の時間を多く持ちたい/海外に住む・働く/タワーマンションに住む/セコイア・レンジローバー(SUV車)に乗る【能力系】
プログラミングができるようになる/マーケティングができるようになる/日本酒検定を取る/フードアナリスト取得【精神論系】
自分に自信を持つ/何かに夢中になる【家族系】
母親に犬をプレゼント/母親に旅行をプレゼント/母親にディナーをプレゼント【恋愛系】
年上と付き合う/ショートカットが似合うこと付き合う/自分のやりたいことに夢中になってる子と付き合う/気が強い女性と付き合う/中目黒~祐天寺にいそうな女子と付き合う【結婚系】
結婚する/子供をふたり授かる
長くなりましたが以上、P君の情報まとめです。
おさらいですが相談内容は「今同棲中の彼女と結婚すべきか」。
さて、みなさんの回答、どうなりますか?
……私もたぶん、みなさんが浮かべた回答と同じ事を思ったのでP君にそう伝えた。
クリティカルな私の回答
今最新の私の回答は「この彼女と結婚してもしなくても、未来は一緒だわ」です。
たったいまのP君は、この彼女と結婚してもしなくても、たいして幸せにはなれない。一生夢を叶えられない自分に嫌悪感をほどほどに感じながら、ぐだぐだ死ぬんだろう。
なぜなら数日前この相談を受けた私は「彼女と別れた方がいい」という回答と共に、その理由(もうこれは読者にだいたい浮かんでると思うので割愛)に関してのメッセージをP君に送った。
そのあと彼女と話し合ったらしく、P君から報告メールがきたんだけど……そのメールを要約するとこうだった。
「彼女と話し合いました。価値観が違うこと、自分の気持ちがもう薄れていること、全部含めて、言いたいことすべて伝えました。すると、現時点で彼女は、結婚や子供や家に関して、もうこだわらないとのこと。そして、やはり別れたくないとのことでした。同棲して半年で実家に帰るのもきまずくて無理とのこと。彼女ほど、僕のことを好きになってくれる人はいない気がするから、もう一度、考えてみることにしました」
あの二文字が浮かんだ。
……クズ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
100ptのヒラギノ角ゴ太字でわたしの頭に印字された2文字。
少し風が吹いただけでひゅるひゅる飛ばされ、気づいたら不本意な場所に降りたって立ちすくみ「人生こんなはずじゃなかった……俺なにしてたんだろう……」って10年後も20年後もまた後悔してる、リアル紙クズ。それってP君のことだったんだね。クズクズクズ。一生クズしてろクズ。
彼女が自分のこと好きかどうかなんて、P君の悩みの本筋にもはや何の関係もない。
それなのに、そんな関係ない情報にさえ流されて、自分の人生の大切なことをおろそかにしてしまう。
なぜか。
P君が、地に足ついてないからだ。
地に足つく
ここでいう地に足つくとは、堅実な道を選ぶということとは違う。
“自分がどう立ちたいのか、わかって立ってる”ということ。
自分にとって何が大事で何が大事じゃないか、自分にとってなにが幸せでなにが不幸か、わかっているということ。
それがわかっていたら、なにが重要な情報かそうじゃないかわかるので簡単に流されないし、常識的に正しい意見かどうかなんて関係なく、自分で道を決めて、すべきことを決めて、進める。
P君、自分のやりたいこと、100個もわかってるはずなのに。
彼女と結婚したら理想の子育て像、家族像、父親像、彼女の母の圧とともに強めに押し付けられてローン組んで下町に一軒家たてることになって、ファミリーカー買って、子供の教育のために節約して、転職も反対されて海外になんかとても住めないこと、目に見えてるのに。それでも、流されてしまうP君。
今から重要なことを言う。P君は……
わかってるようで、わかってないのだ。
自分がこの100個を、「叶えることができる」ということを。それが大問題。
やりたいこと掲げるものの、叶えられないまま死んでも仕方ないって、どこかで思ってるのでは。
もしも真剣に叶えられると思ってるなら、フリーランスのライターで月最低100万円稼ぐのがどれだけ激務でP君の理想のライフスタイルに合ってないかなど、もっとリアルに考えられると思う。
全部、やりたいこと、テキストで思い浮かべてるだけで叶える気がない。実現のために動いてみたりはするけど、目標が完全達成しない時点でも、まあいいかと甘んじてしまう。
なんだかんだ“そこそこ”の人生でもいいかって思ってる。
だから大事なことと大事じゃないことが、曖昧なまま。全部に流される。
もうNewsPicks見るな。簡単にagreeするな。
今月できないことは、一生できない。
ではP君が人生を良い方向に転がすには、どうしたらいいのか。
まずは叶え癖をつけるしかない。
P君の”死ぬまでにやりたいこと100”には、半年で叶うことが40個あった。
例えば〈ゲスの極み乙女。のライブに行く〉なんてちょうど9月から全国ツアーはじまるしチケット発売中だから1分で実現確定できるし、〈椎名林檎のライブに行く〉だってちょうど10月からアリーナツアーはじまるし一般発売はこれからなので実現確定。〈金髪にする/小説を書く/葉巻を吸う/毎月100km走る/スケボーをやる/トライアスロンやる/外人の友人をつくる/キックボクシング習う/ホテルバーに通う/新喜劇みにいく〉だって、確実に今月中にできる。「自分のやりたいこと、ミーハーだなあ」って恥ずかしく思うかもしれないけど、自分が叶えたいなら胸張って叶えて。
これらをまず、1つでも多く本気で叶えに行くことから、P君の人生の足は、はじめて動き出す。
逆に言うと、上記「今月できること」を今月実現できない場合、きっと一生実現できない。
そこそこオセロ
P君とは6、7年前、色々習得する系のところで出会った。
P君には明らかに才能があった。だけど実際そこで習得したことを生かし大満足の仕事に就いたのは私で、P君ではなかった。
(いやもしかすると関連の仕事についてるのかもしれない。だけど大満足の仕事は叶えていないという意味で。私は、他人からしたらたいした事ない仕事だったかもしれないけど、自分の中では大満足の仕事に就いた)
その時のわたしとP君の間では、なにが違ったのか。今回のやりとりを通して、ハッキリわかった。
P君は、“そこそこ”の選択を良しとできる人だった。
わたしは“そこそこ”の選択を許せない人だった。
「そこそこ」の反対は「これこそ」だと思う。
「これこそ」とは妥協せず本当にやりたいこと。
そこそこの選択ばかり並べていく人は、そこそこ満足したまま、だけど常に完全には満足しないまま、うっすらとした不幸感とともに、そこそこの人生を生きる人。
だけど、少しずつでもいいから、「これこそ」という選択を獲得していく人は、オセロのように数年後、人生が一面「これこそ」にひっくり返ってる人。
わたしはちょうどP君と出会った頃……
死ぬまでにやりたいこと100を書いて、その1年以内に50個くらい叶えた。
そして1年後にあらたな100を書き直した。別に、ほらわたしが勝ち組でしょ!って言いたいわけじゃない。(いや言いたい)。
今のような紙クズのままだったら、彼女と結婚してもしなくても、結局ほとんどのやりたいことは叶えられない。だけど逆に言うと「これこそ」を叶える気力にあふれた、地に足ついたPP君(パワフルP君のこと)になれば、この彼女と結婚したとしても、自分のやりたいことを実現して、幸せに生きられる。
まあ実際は……せめてもう少しP君と家庭環境が似ている、下町に強すぎるこだわりがない、彼女自身の年収も高めの、かつEDなどの話題もふたりの問題として率直に相談しあえる関係の相手と結婚したほうが、それはそれはスムーズにP君の願望は叶う。
あと単純に彼女自身も、年収2000万くらいの下町生まれの次男と結婚したほうがスムーズに幸せ叶うとは思う。
まあそうなんだけど、ようはP君自身がPP君になるかどうか、がすべての鍵なのだ。
彼女と結婚すると決めた上で、さらに自分の人生を満足いくものにしたいなら、意志を持って粘り強く彼女と話し合えばいいだけ。その上で新たに「これこそ」をアップデートすればいい。そうすれば……今回は1つも書かれてないけど、P君のやりたいこと100のなかに現彼女とやりたいことも上書きされていくと思う。
“自分だって「これこそ」を叶えられるんだ”と身をもって体験することが大事。とにかく1つでも多くオセロひっくり返しはじめて。
エッセイ本出したいなら少なくとも今月中にnoteにエッセイ書いて公開して絶対。
P君に搭載されてる機能
ところで、P君の「これこそ」にはロールモデルがいる。
P君のお父さんがどういう流れで数年前に自分の命を絶ったのかはわからないけど、そしてそれがP君にとって突然だったのかそうじゃなかったのかもわからないのだけど、P君は、心の奥底で、お父さんみたいになりたいんだろうなあ……と思った。
というのも。読者の皆さんには後出し続きで申し訳ないが、実はP君のやりたいこと100の、最後の最後のほうに、こんな一文があった。
「父親が作っていたような焼き飯を作る」
年収3000万あって、きっと仕事に誇りを持ちながら、さらに家族との時間も大切にして、かつ、奥さんを尊重し、きっと子供の教育には口出ししないと決め、子供に対し不要に怒ったりしない、そして、休みの日には美味しい焼き飯を作ってくれるような、世界で10本の指に入りそうな愛のある完璧なお父さんが、きっとP君に染み込んでいる。
(安易にチャーハンと呼ばないところからも、鉄板焼きなどで最後に出てくる的なこだわりの焼き飯なのだろうと勝手に推測する。お父さんの人生は、こだわりと「これこそ」のつまった、その焼き飯のようなものだったのでは? もしかしたら完璧じゃない所もあったかもしれないけど、少なくともP君個人にとっての完璧な男性像はお父さんなのでは)
で、このお父さんみたいな人になるには、相当な努力が必要になる。
だからもしかするとP君は、今のやりたいこと100を叶えて書き換えることを繰り返しても、ず——っと、自分はまだまだだなあと思うかもしれない。
だけどそれは逆に言えば、このお父さんという驚異的存在が、次から次にP君の願望を自動アップデートしつづけてくれるということ。
このお父さんに育ててもらったことで、P君の志は高いままなのだ。だからこそ言いたい。絶対今年中に「これこそ」を叶えまくって欲しい。彼女との事はそれから考えてもまあいいわ。P君は一度足の動かし方がわかれば、コツをつかめる人だと思う。
ところで、なぜ私がP君を好きだったかというと、誰よりも尋常じゃないほど、人生をなんとか変えたいという気持ちが強く、そのわりにプライドが低く、激しい足掻きが丸見えだったからだ。
常にグダグダして、良い意味で生々しい人だなあと思っていた。
私はちょっとクズくらいの人が好きなんだけど、だけどわたしに好かれてても仕方ないので、足掻くだけじゃなくもう、ちゃんと理想を実現してほしい。
PPPPPPPPPPPPPP君になるのは今。これまでの生き方なんて関係ない。今変えていけば、50歳になった時、その焼き飯が作れるかもしれないと本気で思う。それでそれを、美味しく食べる家族や時間に、囲まれていられる気がする。
さっさとお母さんに、犬も旅行もディナーもプレゼントしてね。元気でね!
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スイスイ・ハッピー・ホーム
1週間PCを開かないレベルのお盆休みを頂きました。そんななかでも愛知最高名所、野外民族博物館にて「ハッピーホームに載せる写真撮って!」と友人に頼んでハッピーに仕上がった写真載せときます。