「ONE PIECE」や「ポケットモンスター」シリーズなど多数の人気アニメに出演した福井県勝山市出身の声優、石塚運昇(いしづか・うんしょう、本名運昇=ゆきのり)さんが8月13日午後6時26分、食道がんのため東京都内の自宅で死去した。67歳。葬儀・告別式は親族のみで行われた。
青二プロダクション所属。20代の時に劇団で舞台俳優を経験し、33歳で声優デビューした。
「ポケットモンスター」のオーキド博士、「ONE PIECE」の黄猿、「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース」のジョセフ・ジョースター、「ちはやふる」の原田先生などの声で知られ、重鎮からコミカルな人物まで幅広い役を演じた。「機動戦士ガンダム」シリーズ、「NARUTO」、「銀河英雄伝説」にも出演したほか、洋画の吹き替えも多数務めた。
3年前に福井新聞が企画した対談では、「声優を目指す福井の子の橋渡しをしたい」と古里への思いを披露していた。
勝山市の市民劇団「ドラゴン・ファミリー」代表の川村信治さん(65)=同市=は約30年前、石塚さん所属の劇団の凱旋(がいせん)公演を鑑賞。「本格的な舞台で、カーテンコールで石塚さんが涙していたことが印象に残った」と振り返る。ともに勝山高校出身で交流を続け、川村さんが勝山南高校(2013年閉校)の教員を務めていた時に依頼した講演で、石塚さんが声優を目指す生徒にアドバイスを送る場面もあったという。「常に福井や勝山の演劇界を気に掛け、応援してくださった演劇人だった。大切な人を亡くした」と訃報に言葉を失った。
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