下の記事が面白かったので、感想と補足を入れながら
沖縄のいろんな事を主観で語ろう。
■貧困の構造① 無敵の沖縄企業
例えば、イオンはサンエーに、メガバンクは地元の銀行に、本土紙は地元2紙に長年苦戦を続けている。そしてこの傾向は、沖縄の大半の産業に当てはまる。沖縄の地場産業は、規模では10倍、100倍のグローバル企業に対して、信じがたいほどの競争力を有してきた。これほど地場産業が強い地域は他ではあまり考えられない。
■貧困の構造② 活躍を望ま(め)ない従業員
経営者が従業員に支払わない、という以上に、従業員が報酬を受け取らないという、驚くべき傾向がある。このことはすでに述べた。
その理由は恐らく、自身の待遇が良くなるメリットよりも、他者との人間関係に傷を作るデメリットを感じているからだ。立場の変化は人間関係を変えてしまう。昨日まで同僚だった友人関係に、上下関係が生まれてしまうと、人間関係にひびが入ってしまう。沖縄社会で一旦人間関係がこじれると、それは周囲の人間関係を巻き込んで、一生の問題になり得る。そんなリスクを取るくらいなら、現状維持を続ける方がいい。つまり、昇進や報酬を断ることには、一定の合理性が存在するのだ。
■貧困の構造③ 消費者が同じものを買い続ける
現状維持の習慣は消費行動にも表れる。沖縄では、一見平凡な商品やサービスが、驚くほど長い間売れ続けていることがよくある。典型例としてインスタントカレー(ボンカレー)やラーメン(金ちゃんヌードル)、お酢(まるこめ酢)、ステーキソース(A1 ソース)などがあるが、いずれも県産品ではない。そこで考えざるを得ないのは、沖縄の人間関係が保守的な消費性向を生み出しているという可能性だ。
■貧困の構造④ 賃金を積極的に支払う理由がない良し悪しにこだわらず、昔からの定番商品を買い続ける消費者は、沖縄の経営者にとって最高の存在だ。商品開発や顧客開拓や新規投資を行わなくても、十分に利益が確保できるだけでなく、本土からの新規参入に対して、強力な抵抗力を発揮し、沖縄企業を強力に支えてくれる。保守的な顧客が同じものを買い続けてくれるために、事業的な変化は少ないほど好ましい。現状維持が経済合理的であるならば、現状を変えないことに全力を尽くすことは、経営者の責務である。多くの社会問題を目の当たりにして、「なぜ沖縄は変われないのか?」といらだつ人の気持ちはよくわかるが、実はその問い自体が間違っている。企業にとって、そもそも変化する意味がないのだ。
変化が不要であれば、有能な社員を高給で迎えるよりも、毎日同じ業務を低所得で淡々とこなしてくれる従業員の方が都合がいい。沖縄の求人で圧倒的に非正規雇用が多いのは構造的必然なのだ。この社会構造下では、経営者が労働者の給料を高める動機はほとんど生じない。
極東の小さな島国日本のこと言ってるのかなと思ったが、
沖縄はその島国のさらに小さな島国だったという感想だ。
無敵の沖縄企業
田舎で地方銀行が強いとか、地元新聞が強いというのはありがちではないだろうか?
逆にいうと大手が基盤を作ろうにも、1970年代までアメリカだった沖縄には手を出す事ができず、そこで地元メディアや、地元の銀行が力をつけていった所はあるだろう。
沖縄が返還されても、物や人を運ぶコストが割に合わず、方言や風習や地域の特性を掴まねば仕事ができない事も多く、人口や土地の広さを考えともメリットは少ないはず。今でこそ流通の発達や、ネットがあるからなんとかなるところもあるが、家賃は安くて物価が東京よりも流通コスト分高いのが沖縄だ。
サンエーという不動産会社
サンエーなどは沖縄企業としてはわりとガチで意識高いとも聞くので、なんらかの使命感を持ってやってるのかもしれない。サンエーの元々の主力は衣料品やスーパーだが、イオンと同じく、地域に合わせたスモールショッピングモールに映画館やミスドや東急ハンズなど有力企業を誘致するという、不動産テナント業として進化している。
生鮮食品を売るスーパーは人を日常的に集め、モールとしての場所の提供は自ら在庫リスクを抱えずに済み、相乗効果や利益率は高くなる。元々那覇の大型デパートとしてスタートした「りうぼう」もサンエーの後を追いかける形で、食品型スーパーの展開を広げ、良い土地は小型モール開発へと後を追いかけてる。
これが上手くいくのは電車がなく「日常的に車でスーパーへ行く」という田舎ならではの話でもあるだろう。人口140万人ながら対抗する超大型モールやイベントもそう見当たらず、そういう平らな土地や、隣接する県がないから、ちょっと田舎から大阪や東京へ足を伸ばすなんてこともできないという、隔絶した島国的環境も原因のひとつだ。
積極的な昇進やボーナスを望まない?
マネージャーになってめんどくさい仕事や管理をしたくないという上昇志向にかけるものはあるかもしれない。でも、報酬を受け取らないというのはよくわかない。ただ筆者の過去の記事では「私達をお金でコントロールするんですか」という例があったようで、ホテル業で働くプライドか何かあったんだろうか。事例としたは特別なきがする。
それでもベースアップして喜ばないわけはなく、どちらかというと20年目にそういうことがあってビックリして、対外的な喜び方をどう表現していいかわからないのはありそう。今までそういうことがなかったからこそ、どう振る舞うのが正解かわからないとか。
沖縄は昔、コンサートで盛り上がりにくい土地柄だった
似たような話だと「沖縄のライブは盛り上がらない」というアーティストの声が結構多かった。ライブで観客が非常におとなしいのだ。
これ何かというと、おとなしいわけじゃなく「どこまで騒いでいいか、どう騒いでいいかわからない」んだよね。普段は祭りでカチャーシーとか踊ってうるさいぐらい指笛ならすくせに、さすがにコンサートでそれやっちゃいけないのは分かる。盛り上がれないわけではなく、内地の流儀でどう振る舞っていいのかわからない。
島として隔絶してるから、こういう風に盛り上がるんだよと、先だって盛り上げてくれる観客がいないんだよね。本来そういう人が何割か一定数必要で、それは内地だとどこからでもファンが駆けつけてくれるのだけど、沖縄コンベンションセンターの5000人が最大のホールとして、1000人もわざわざ沖縄へ追っかけに来るわけではない。盛り上がるのが50人では広がらないので全員戸惑ってしまう。沖縄は特別にアーティストが「こう合図したら、こう動こう。はい、今は練習。」「そして、もっと声出せアリーナ!!」と、楽しみ方、騒ぎ方を教えながら誘導する必要がある。
ま、昔の話で今はロックでかなりはしゃいだり結構なれてきたかと。
なぜ同じ商品ばかり買うのか。しかも「沖縄でしか売れない県外産」を。
同じものを買うというので、記事に挙げられてる物を解説する。
boncurry.jp
公式に解説がある。
沖縄のご飯との相性です。沖縄県民はご飯を比較的固めに炊く傾向があります。これは、沖縄県には水の硬度が高い地域があることや、かつては外米を炊いていた歴史も関係があるのでしょう。
それで、食べてみるとわかるのですが、この沖縄のご飯にはドロッとしたとろみの強いカレーが合います。その点、「ボンカレーゴールド」は、オリジナルよりもとろみを抑えていますので、オリジナルが支持されているのかもしれません。
確かに沖縄は石灰岩地域でずっと硬水だった。
ポットで水を沸かすと東京より早く白い石灰がつく。
2000年代以降は浄水施設も発達して一部の地域覗いて軟水化。
ポットに石灰がこびりつくことも軽減されている。
これは、僕からさらに注釈を入れよう。
沖縄県民は「脂っこい食べ物が好き」なのである。
農作業や、外での活動で、日差しの熱い夏を乗り切るために、夏バテをしないために、脂分の多いエネルギーが好まれ、それがそのまま沖縄料理の文化になった。
例えば沖縄のおにぎりにはこういった「油味噌」という具が昔から定番であったりして、ファミリーマートが初めて沖縄に来たときなんで油味噌おにぎりがないのか怒ったぐらいだ。(誰が?)
魚、イカ、もずく、野菜、イモなど、全て日常的になんでも「天ぷら」 にして脂を取り、「サーターアンダギー」という、揚げたてはとても美味いが、冷めると微妙な揚げドーナッツも作ってたりする。
この話は、ケンタッキーの消費量が日本一という理由にも通じる。
ameblo.jp
やたらお祝いごとでケンタッキーをごちそうとして扱うのが沖縄だそうで、がっちりマンデーで言ってたがケンタッキー日本社長もその理由はよく分かってないそうだ。
沖縄の豚肉文化というのも、いかに脂を確保するかという豚肉の脂が目的である。鶏肉は脂が少ない。しかしケンタッキーは鶏肉を「揚げ物」にして、秘伝のスパイシーにしてるから揚げ物大好き沖縄県民として最上級の揚げ物になりえるんだよね。
沖縄のスタンダードなカップ麺は、日清のカップヌードルではなくこっち。
味は日清より少し濃く独特。
日本の「うどん」と、中国の「ラーメン」を足して2で割った「沖縄そば」があるように、やはり少し濃い目の味付けがいいのだろう。
また、日清はゴールデンタイムにTVCMを打つが、沖縄は昔民放2局しかなかったので、ゴールデンタイムのCM枠は少ない。
金ちゃんヌードルの徳島製粉は、沖縄のTVCMを夕方の時間帯に投下している。(カップ麺を夕飯にしろというのか!!) これはCM枠の安い所を狙ったのだろうが、その時間帯は夕方子供アニメの時間帯でもあった。するとなぜか子供に請求することになり、子供が味を覚えて、大人になってもこれをスタンダートと勘違いする。ただ安い時間帯選んだのか、長期投資を狙ったかわからないが、マクドナルドが子供にファーストフードの標準を覚えさせるためにハッピーセット売る戦略と同じような結果に。*1
こちらは純粋な酢ではなく、化学調味料混みで作られた合成酢である。
戦後バターが足りないから、マーガリン作ったみたいな話。酢なんていくらでも作れる今は必要ないはずなのに、なぜかほぼ沖縄だけで売れる。
というのも、この合成酢は普通の酢よりも酸っぱい。
酢豚にパイナップル入れるように、肉を柔らかく、脂を酸味で消化するにはより酸っぱいほうが感覚的に良いわけだ。沖縄の脂料理とこの酸っぱさが相性良い。合成酢がどれだけ効果あるかわからんが、まるこめ酢の酸味を再現する純粋な酢を県内企業で開発、普及していくというのもひとつの手だろう。
イギリス製。たぶんアメリカ占領時代に普及したのかな。
もちろんこれも「酸っぱいソース」。
脂料理に合わせるためのソース。
これも県内開発の余地あり?
保守的というより、それらを買う理由があり、他の大手メーカーが沖縄に絞って商品開発して、それらを覆すだけの宣伝費をかけるのも割に合わないという感じだと思う。
例にはないがアメリカに占領されていたということで、アメリカからいろいろはいってきて、戦後バター買えないから ゴールデンソフトマーガリン。という脂。
ホリデーマーガリン。
豚肉の代替えとなった合成豚肉。
こっちはメールスパムの語源となったSPAM。
(SPAMばっか食わせんな!)
ハーシーズチョコレート。
キスチョコ
(さすがにいまどきのチョコと比べると雑で甘い。ギブミーチョコレート。)
ダブルミントガム
さすがにロッテにほぼ駆逐されたが。
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日本銀座一号店のマクドナルドよりも早く、A&Wというファーストフード店とルートビアもダンキンドーナツも入ってきた。
キリがないからこのへんで。
沖縄は何でも混ぜるチャンプルー(混ぜ料理)文化と言われ、日本文化を混ぜ、中国文化を混ぜ、鹿児島を混ぜ、占領時代にはアメリカを混ぜた。。が、ゴーヤチャンプルーの豚肉がスパムになり、脂にマーガリンを使い、アメリカのより甘いお菓子やドーナッツやファーストフードをごちそうとする文化に混ぜて良かったのか疑問はある。
もともと外歩いて日差し暑いからこその脂っこい料理と揚げ物文化であったわけで、そこに安いアメリカジャンクフードと、電車のない外歩かない車社会が来たらどうなるか。。。
そう、戦時中を生き抜いた人達が作った「長寿日本一」から転げ落ちて、今や「肥満率一位」が沖縄県である。電車がないのだから営業だってみんな車。沖縄は東西の主要道路の間に山を挟むような形で坂が多く自転車も適さない。農業からオフィスワークへ時代が移ってるのに、いまだ「揚げ物」中心で、「アメリカジャンクフード」が混ざった沖縄料理食ってりゃ誰だってそうなる。
民放がその危機感から、歩けキャンペーンを展開するに至っているが、俺としては外で働かないやつが揚げ物食うな。ゴーヤチャンプルーにスパム混ぜるな、もう薄味にして炭水化物減らせといいたい。
本土から離れすぎて輸送コストの高い沖縄
沖縄は140万人の島国なので、大手が入ってくるには単純に物や人の物流だけで経済効率が悪い。船や飛行機で商品運ばねばならないので単価が上がる。かといって、沖縄の土地で北海道のような大規模プランテーションができるわけでもない。家賃は安くても東京より物価が高かったりする。DEODEOやヤマダ電気が来る前は、家電大手も「ベスト電器」しかなく、ベスト電器は安売りではなく、手厚いサポートを売りにする量販店で、競合もなかったから電化製品買うのすら高かった。だからといってネット通販でも「沖縄、北海道は+別料金な」と言われる始末。*2
電気代の高い沖縄
電気代が高いのは原発がなかったせいでもある。なにせ日本の大半のアメリカ軍が駐留してるのだからそんな攻撃目標になるものを沖縄に置けないという説がある。ただ家賃はさすがに東京より安い。
それでいて田舎らしく若い人の半数以上は内地に飛び出すわけだ。日本という基準で動くとき、島国の中の島国というのはそれだけで物流的ハンデになる。独立国として台湾みたいに独自の経済圏を築くというわけではないので、商売するなら同じ日本の東京や大阪のほうが人もチャンスも多く、陸続きに客を呼べるため利にかなってると言えるだろう。
沖縄と北海道は国からより多くの補助が入る。
しかし日本としては、国の先端である沖縄や北海道は発展してほしい。
それは防衛的な意味で。
人がいなくなったり何も開発されていなければ、(過去の)ソ連、北朝鮮、中国に大きなスキを与えることになる。国境線に近いところは強い方が良い。だから補助金を入れる。沖縄の場合は過去に唯一の地上戦地として犠牲にしてしまった負い目や、今でも米軍基地の大半を負担してるという事もある。逆に、先端よりひとつ手前、青森や鹿児島にはあまりお金落とさないという説も風のうわさに聞いたことある。
沖縄特区制度
http://www.pref.okinawa.jp/site/shoko/seisaku/kikaku/documents/zei.pdf
例えば特定事業の法人税実効税率が30%から20%になる。最長10年。
IT関連だとデータセンター、ネットプロパイダーなどが適用される。
ソフトウェアやコンテンツ開発でも投資控除などがあるようだ。
もし条件が合ってフル活用できるなら沖縄で起業を考えてもいいかもしれない。
家賃は安いが、物価高く輸送費高く、他県の人口を頼れなかったり、
みんな車使うから渋滞関連でも厳しい環境ではあるが。。ネット使えるITやコンテンツ開発系なら、そう条件が悪いわけでもないはず。しかし他社と頻繁に対面して協力したり、仕事受注したり、チャンスを拾うという意味ではそれでも微妙か?
沖縄といえばオリオンビール
控除や沖縄優遇と言った意味ではオリオンビールがある。
キリン、アサヒ、サントリー、サッポロにつぐ大手5社といわれる酒造メーカーだが、シェアは0.9%。
沖縄の戦後事情をかえりみた、特別酒税優遇処置を受けていて、これがなければ大手に対抗することもできず、まず潰れるだろうとも噂されていた。ウィキ見ると廃止延長をえて、2012年に優遇処置は廃止されたようだ。
じゃあ潰れたかというと、アサヒと提携してむしろ販路を内地へ拡大している。
2002年頃から優遇処置廃止後の生き残る道を探しての提携だ。
補助があるうちはそれに甘えてしまい、ないならないでなんとか自立しようと成功できた沖縄企業の一例といえる。
元記事の連載のどこかにあったと思うが、国の補助が沖縄の自立性を奪う面はあるだろう。それでなんとかなってしまっているのだから。じゃあ補助がなければみんな自立するのかというと、それはそれで激しい淘汰があってみんなが救われるわけでもなく難しい所だ。
ウチナーンチュの体内時計は48分遅れるという時差特性
沖縄は夜が遅い。日が昇るが遅く、沈むのも遅い。
というのも東京から経度が12度西へ離れているため、日本としては同じ時間を共有してるはずなのに、48分太陽が遅いのだ。そのため「夕方」はまだかなり明るく、「朝」は遅い。夕方に東京とTV会議などすると、同じ時刻で東京の窓はもう暗く、沖縄が明るいなんて事がある。夕方5時というのはまだ明るく、ウチナーンチュとしては夕方って6時ぐらいからでしょ? という変なズレがあったりする。
東京と、沖縄。同じ時間帯でビジネスしても問題無いはずだが、東京と沖縄が朝9時に同時に仕事し始めていたとしても、ウチナーンチュの体内時計はまだ8時12分である。太陽が登ってくる時間が遅いのだから。
4月生まれのスポーツ選手が多いのは学年3月生まれより1年近い成長のリードがあって、子供の時からチャンスをもらいやすく、そのチャンスがより複利を産んで成長していくという話がある。
これと同じく体内時計が1日約1時間も遅れてしまう沖縄という土地柄は、東京と比べてなんらかのマイナスの複利が働くんじゃないか? と個人的に考えたりする。まあ、小さな島国という物理的な不利に比べたらなんてことないマイナスだろうが。
沖縄はなぜ「夜型」なのか
また夜が遅いというのは、沖縄のたいていのお店が22:00に閉まることにも現れている。昔からそうだ。東京とか昔は19:00に店のほとんどは閉まってたはず。これは戦後の平和通りなんかが個人商店の集まりであり、住居も兼ねていたことでそんな夜遅くまで家の人が対応できたという流れかと思っている。当時としては日差しの暑い昼間は外に出て仕事というのは避けたく、「昼間に働くのはフラー(アホ)のやること」と、必然的に活動が朝と夜に分断される傾向もあっただろう。
また、小さな島国で親戚づきあいのネットワークが広いという意味で「犯罪」は難しい。どこにも逃げられないし、顔が割れてたら「どこの誰」と人的ネットワークで見つかってしまう。
この辺の理由から、涼しい夜に人が多く、夜に働いてもわりと安全だし、夜でもそんな寒くならないし、商売になるというおおらかさはあっただろう。では夜型が生産性いいかというと、そういうわけではないというのが残念なところ。
沖縄の経済からは見えない相互扶助システム
沖縄にはモアイ制度というものがある。
例えば12人でモアイをやる場合、毎月2万円を払って1人の親が22万円もらう。
それを12回やれば終了。また次のループが始まる。これでお金がそのとき一番必要な人がボーナスもらう感じになるという、金銭互助システムだ。
もっとも今は飲み会の口実になってたり、モアイ関連の付き合いやトラブルが面倒でやらない人も多い。逆に人的ネットワークの広がりや、月1集まって合うというつながりを保持するメリットのためより少額のモアイでやってみたいという若い人もいる。
沖縄の親戚付きあいでは釣った魚を親戚みんなで分けたり、取れた野菜をみんなで分けたりといった、物々交換?的な互助システムも機能している。
また旧盆関連や、沖縄の風習、冠婚葬祭に関連する出費も親戚づきあいの数だけ多い。ここでもかなり互いの仏壇などへお金が循環している。
ついでに言えば「お年玉」も「1万円を親から子」にという流れではなく、「自分の子ではなく、親戚の子供に500円や1000円」が大量に撒かれるので、子供は一時的に数万円を得るという大金持ちになった錯覚に至る。もちろんそれでは親の財布が持たないので、結局「お母さん銀行」にあずけて循環してるだけなのだが。
こういった島国の親戚、友人ネットワークならではの、見えない地下経済が動いている。飲み会や、沖縄の行事、冠婚葬祭はまだお供え物などの商品が動くものの、親戚や友達に渡して巡るお金は互助システムであり、生産性をともなった交渉ではない。そういった時にいくら包むかという差額で、ノブレス・オブリージュ、富裕層側の義務みたいなバランスも少し取られているだろう。
その助け合い(ゆいまーる)でなんとかなってる、沖縄の人的ネットワークシステムがあるからこそ、経済の上昇率がゆるやかな原因になってるのではないかと俺は考える。いいところでもあるから、やめろというわけではない。
米軍基地においしい土地取られてる問題
米駐留軍の70%は沖縄にある。
ということを考えると、沖縄の経済再開発にあたって道路も鉄道も、開かれた平地もおいしい海岸も、米軍基地に取られてて難しい面が多い。米軍内で働いてる人もいたり、持ちつ持たれつな人もいる。
逆に返還された那覇の元天久(あめく)基地は再開発された後、今は国際通りと並ぶ1等商業地となっている。
沖縄の経済まとめ
・沖縄が「遠く離れた離島」という一点のみで、本土と同じ商売するにはコストがかかりすぎる。東京で商売するほうがずっと効率良い。
・総人口140万人が限界で、人を集める交通手段が車のみ。客を隣県から呼び寄せることも不可能。
・鉄道がなく坂の多い沖縄では誰も車が必須で渋滞を招いてる。
那覇市内のモノレールができた分、密度の高い人口密集を可能としたが、那覇の人口が増えるわけで渋滞が減ったわけではない。
・沖縄の人的ネットワークによる、みえない地下経済が動いてる。
そういった助け合い精神でなんとかなってるからこそ、経済改善の動きも鈍る。
・沖縄の米軍基地が少ないおいしい土地を抑えてしまっている。
・いろんな事をかえりみて沖縄を援助する国からの補助は、沖縄の自立性を阻害しつつ、沖縄の助けともなってて難しい所。
と言ったところが、元記事への感想と補完である。
とはいえこれらは勝手な主観で、俺の認識が間違ってたり、現状とは違ってるかもしれずツッコミはOKだ。
じゃあ沖縄のイノベーションや経済発展としてどうしたらいいかというと、元記事でも沖縄の格差問題に触れていることもあり、別に沖縄特有の問題とは考えず、資本主義では後戻りが不可能な格差問題の社会的是正に目を向けるべきかと個人的には思う。
民間がやれる格差問題対策についてはZOZOの話や、「お金のない国」の話をしているので、そちらに話を収めておく。