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【東京】

手のひらに憲法を 文京のデザイナー夫妻が冊子作成

憲法全文を見られる手のひらサイズの冊子を作った保田卓也さん(左)と三上悠里さん=文京区で

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 日本国憲法の勉強会を開いてきた、それぞれデザイナーの夫妻、保田卓也さん(34)、三上悠里さん(33)=文京区=が、憲法全文を載せた手のひらサイズの冊子を作成した。読みやすさ、持ち運びやすさを追求したデザインで、昨年度のグッドデザイン賞(日本デザイン振興会主催)を受賞。一時は在庫がなくなったが増刷、「憲法を身近に感じて」と、現在も希望者に販売を続けている。 (中村真暁)

 二十二ページの冊子は縦約十七センチ、横約八センチで、専用の紙の小袋とセット。若い世代に親しみやすい横書きで、章や条の数字は大小の洋数字にして目立たせ、探しやすい。閉じられていない蛇腹式なので、広げれば全文を一覧できる。主観が入らないよう、言葉遣いは原文通りにした。

 政治や憲法を難しいと感じつつ、以前から関心があった二人。憲法関連などのイベントに顔を出すうち、集まりの主張が明確で、無関心な人にはハードルが高いように感じた。「理性的に語れるよう、憲法をちゃんと学びたい」と、特定の考え方を前提としない勉強会「憲法のきほん」を昨年三月末に千代田区内で始めた。

 勉強会は半年で七回開催。憲法学者らを講師に招き、各国の憲法比較や自由と公共の関係などを学んだ。会員制交流サイト(SNS)などで広まり、延べ百二十二人が参加。冊子は勉強会で役立ててもらおうと、参加者に配布した。

 デザイナーの表現力は勉強会でも生かされた。主権者についての回では、講師の石埼学・龍谷大教授の提案で、説明に使う図を事前に何度もやりとりして作成。法のヒエラルキー(序列)の図は、最高法規の憲法の下に法律、政令などが続く。国会議員を選ぶ有権者などの「選ぶ側」を並べて表記すると、有権者、国会、内閣の順になる。

 石埼教授は「内閣が国政の中心だとイメージされがちだが、国会が政治の意思決定をし、国会議員を選出するのは有権者だと分かる。二人のデザインの力で整理してもらい、好評だった」と振り返る。

 二人は「民主主義には知識が必要だと活動を始めたが、勉強会では相手の意見に耳を傾け、自分が変わる余地を持つ姿勢が大切だとも学んだ。憲法をさらに深掘りしたい」とし、今後も憲法に関するイベントなどを企画していく。

 冊子は一冊八百円(税込み)。購入は、「憲法のきほん」のホームページから。

 

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