今年6月に設立会見を行ったオウム事件真相究明の会 |
オウム事件真相究明の会は、麻原の死刑執行の約1カ月前、今年6月に設立。記者会見で、麻原の裁判を世論に押された裁判所が不当に終結させたかのように語り、麻原に喋らせなければ事件の真相がわからず地下鉄サリン事件を指示したかどうかもわからないなどといった主張を繰り広げた。
しかし実際には、麻原の二審が開かれないまま終結したのは麻原弁護団が控訴趣意書を提出しなかったことが原因だ。また麻原の関与を示す事実関係は麻原裁判の地裁判決に記されている。また同会は裁判で麻原が何も喋らなかったかのように主張していたが、実際には麻原は法廷で散々喋っていたことが謎のYouTuberによる「麻原法廷物語」でも明らかにされている。
こうした点から、オウム事件真相究明の会はジャーナリストの江川紹子氏や青沼陽一郎氏などから批判を浴び、オウム事件をめぐる「歴史修正」とまで非難された。
また、同会は、実際には麻原の三女・アーチャリーこと松本麗華氏が関与する団体であるにもかかわらず、設立会見ではさも無関係であるかのようなウソを発表していた。
一方、賛同人として氏名を無断掲載されたとしている下村氏は元TBSの報道キャスターで、現在はフリーのジャーナリスト。サリン事件被害者の健康診断等を行なうNPO法人「リカバリー・サポート・センター」の理事も務める。下村氏の名は、今年8月17日に下村氏が同会に「無断掲載」を指摘するまで掲載されていた。
サリン事件被害者をサポートする団体の理事が、麻原の三女が関与しオウム事件についての「歴史修正」との非難も浴びている団体の賛同人になっていることについて、かねてより批判があった。しかし8月17日、この点を指摘された下村氏が、実際には賛同人としての掲載に同意していないことを明らかにした。
これについて同会事務局は、本紙の取材に対し、こう回答した。
「下村様より連名の取り下げのご依頼をいただいた際、この時点では目次は存在せず、お名前&賛同コメントの一覧という形式で表記をしており、その中から下村様のお名前を削除させていただきました。後日、お名前&賛同コメントの一覧という形式だけではなく、ページの冒頭にお名前のみの一覧を掲載した方が見やすいという意図のもと、お名前一覧を目次の形で作成しました。
上記作業の際、削除前の一覧をもとに目次を作成するという不手際が発生し、また掲載の際のチェック漏れで、意図せず下村様のお名前が記載されたまま公開してしまいました。
以上が、事象発生の経緯であり、本会としては、下村様が賛同人としてお名前を連ねているという認識はございません」
オウム事件真相究明の会ウェブサイト内の呼びかけ人・賛同人の「目次」
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同会は8月17日付でウェブサイト上に訂正と謝罪の旨を掲載した(「賛同人からのメッセージ」ページの目次についてお詫びと訂正)。すでに下村氏の名前は同会のサイトから削除されている。
同会事務局は本紙に対して下村氏のケース以外に「ご本人の意思に反して、あるいは、ご本人がご確認できない状態で掲載されているケースはございません」とし、「各方面への影響を自覚し、今後このようなことがないよう、慎重に対処してまいります」と語っている。
下村氏は、8月24日に予定されているオウム事件真相究明の会主催の「最後の抗議集会」(森達也氏・談)で登壇が予定されている。
本紙・藤倉善郎被告人兼総裁のコメント:
「当初、サリン事件被害者支援団体の理事である下村氏が、地下鉄サリン事件への麻原の関与がなかった可能性があるかのようなデマを垂れ流す会の賛同人になっているのを見て驚いた。一時サイトから名前が消えたようだったが、その後また名前が掲載されていたので、むしろ本腰を入れて無条件に同会に賛同したのだと思っていた。実際には賛同人ではないことや、会の集会で登壇するとは言え少なくとも無条件で賛同しているわけではないことがわかり、ほっとした」
それはそれとして、設立会見で今後の予定について森達也氏が「何も決まってない」「考えてなかった」などと言い放って報道陣から失笑を買った真相究明の会が、初めて開催するイベントが「最後の抗議集会」とは、いったいどういうことなのか。結局、何がしたかったのだろう。
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2 コメント:
鈴木氏寝てる
NPOほっとプラスの藤田孝典は、香山リカを信頼できるとか言ってたけど、どこが信用できるんだろ?
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