【遣唐使から21世紀まで、旅する漢籍(中)】日本で保存されてきた漢籍集める「使者」
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【8月18日 東方新報】北京の「中国書店」は、多くの古書に巡り合える場所だ。
近年、その蔵書の数はさらに増えた。海外に散逸する中国古書を買い戻す取り組みを続けると共に、そうした古書を整理・出版し、内容を多くの読者と共有している。
古書買い戻しを行っているのは、今年2月、中国書店の総経理に正式に就任した於華剛(Yu Huagang)氏だ。多くの古書が、於氏によって国外から買い戻され、その大半が中国文化とつながりの深い日本に残されていた。
於氏は小学生のころから、中国書店の常連だった。1952年開業の中国書店は、当初は中国の貴重な文献資料の保存に携わっていた。そして、この十数年は海外で多くの古書を購入している。
「以前から、古書の流出には思うところがありました。これらの本は一度売られると、同じ値段で買い戻すことが難しいのです」
於氏は、中国書店にある古書をデータベース化すると同時に、国外に流出した古書を取り戻すべく、日本に旅立った。
なぜ日本を選んだのか。日本は唐代、遣唐使を派遣し、留学生たちが中国で大量の書籍を入手して日本に持ち帰った。日本は気候が穏やかで、貴族や寺院が古書を熱心に保存してきた。中国ではすでに見つけられない本も、日本では良好な状態で保存されているのではないかと考えたのだ。
藤原佐世(すけよ)が寛平年間(889-898年)に編さんした「日本国見在書目録」には、唐以前の漢籍も多数収録されている。その後、宋、元、明、清代の多くの古書も日本に渡り、保存されてきた。(c)東方新報/AFPBB News
※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。