どうもKAKA’(@teamkaka10)です。
先日は景気のサイクルを調べた事で、景気にも種類があり周期の間隔(年数)が違うことがわかりました。
- キチン循環:約40ヶ月を周期の小売の在庫変動に起因する景気サイクル。
- ジュグラー循環:約10年の周期の設備投資に起因する景気サイクル。
- クズネッツ循環:約20年の周期の建設投資に起因する景気サイクル。
- コンドラチェフ循環:約50年の周期の産業革命などの技術革新に起因する景気サイクル
景気の変動によって株価が変わる事を踏まえて、今日はセクターや国際分散について学びたいと思います。
景気のサイクルと金利からみる各セクターの特徴
下図の様に景気や金利の状況によりどのセクターの株が強いかがわかります。
図は 株式ポートフォリオを作る時、知っておくべき5つの事 ビギナーのためのノウハウ - Market Hackより
- 好況:工業株、素材株、消費循環株
- 後退:エネルギー株
- 不況:生活必需品株、ヘルスケア株、公益株、通信株
- 回復:ハイテク株、金融株
上記の様に景気サイクルを考慮するために、業種を分散させる事が重要である事がわかります。
世界市場への分散
ポートフォリオの分散はリスクを低減できることにあります。
全世界に分散する効果は、米国内で異なる業種(セクター)に投資する事で得られる分散効果と基本的に同じであるとジェレミー・シーゲル教授は言っています。
米国株と外国株の利回りの相関は高まっている反面、国際的な業種(セクター)間の利回りは高まっていないようです。
(出典:ジェレミー・シーゲル著 株式投資第4版)
上の図を見ると、セクター間の相関は1995年から比べると低い水準で推移しています。
原因の1つとして景気循環の変動幅が縮小した事、国全体の経済状況の変化よりもセクター毎の需要の変化が、企業の利益率を左右する様になった可能性があります。
企業の海外生産比率が高まり、海外からの収益が増加するとしても、各国の政府の規制や法制度があります。
2000年前半のデータしか無いため現在の状況が気になりますが、生活必需品・ヘルスケアセクターの相関が無い事がわかります。
※相関とは
- Xが大きい時は、Yも大きいという傾向を相関が強い正の相関といます。
- 相関が強いほど1に近づきます。
- −0.2から0.2を相関がほとんど無い状態です。
- Xが大きい時は、Yが小さいという傾向を相関が強い負の相関といます。
全世界分散投資におけるセクターの配分
下記の表は、米国、EAFE【欧州(Europe)、豪州(Australia)、極東(Far East)】、欧州、日本、新興国ごとの10セクターのシェアを時価総額ベースで表しています。
(出典:ジェレミー・シーゲル著 株式投資第4版)
【金融セクター】
世界のどの地域でも、金融が最大のセクターとなっており、経済成長にとって金融がいかに重要かがわかります。
一方で金融関係で問題が起こると大きな影響がある事がわかります。
【一般消費財・サービスセクター】
日本は一般消費財・サービスのセクターで20%を締めているのはトヨタ自動車を擁しており、ソニーやホンダも支えています。
【生活必需品セクター】
米国ではプロクター・アンド・ギャンブルやアルトリア、ウォルマート・ストアーズ、欧州ではネスレ、ユニリーバなどがあります。
新興国ではこのセクターに属する企業が少なく、日本にも目立つ企業がありません。
【エネルギーセクター】
エネルギー資源を持たない日本以外の4地域でシェアをわけあっている状態です。
【ヘルスケアセクター】
米国のシェアがもっとも大きく新興国のシェアは小さくなっています。米国では、ファイザーやジョンソンアンドジョンソンやメルク、欧州ではグラクソ・スミスクライン、アストラゼネカ、ロシュ、日本では武田薬品工業が主要な企業です。
【情報技術セクター】
新興国のシェアが大きくなっていますが、韓国のサムスン電子と台湾の台湾セミコンダクターの影響が大きくでています。
また、インフォシスとウィプロをはじめとするインド企業も大きくシェアを多くとっています。
2050年の世界
20世紀を通して、先進国が世界の生産の大半を締めていました。
しかし、中国やインドが市場経済の恩恵を受け入れた事が現在発展している様に、先進国による生産の支配は大きく変わろうとしています。
こうした経済発展が世界各地で進むと世界の風景は変わってきます。
下記の図は2050年の世界の人口とGDPの予想です。
(出典:ジェレミー・シーゲル著 株式投資第4版)
世界のGDPにおける先進国のシェアは、2分の1から4分の1へ縮小していく事がわかり、インドと中国が世界中の生産の3分の1をになるようになる事が予想されています。
但しこれは、平均的な中国の労働者の生活が、平均的な欧米人や日本人を上回る事ではなく、中国の人口が多いため1人当りの国民所得は米国の2分の1程度まえしか増えないと予想されています。
こちらは2050年の世界株式資本です。
(出典:ジェレミー・シーゲル著 株式投資第4版)
中国とインドの著しい発展により生産の分布が人口分布と同様に修正される事が予想されています。
生産分布の急速な変化は、資本の再配分をもたらします。
時価総額ベースのシェアでは、世界の株式市場の9割を先進国が占めていますが、それが3分の1程度まで縮小しそうです。
米国株の世界シェアは、今世紀の半ばまでに18%以下に低下し、中国株とインド株を合わせたシェアは、3分の1になりそうです。
但し、経済成長は高い利回りを保証するものではなく、急成長を遂げている国の株式に投資家は高値を払いすぎる事があります。
ゆっくり成長している国々は急成長している国々よりも高い利回りをもたらす傾向があるそうです。米国にとってはアドバンテージがあるのかもしれません。
まとめ
現在は米国が主権を握っている経済ですが、将来的には世界各地から有望な企業がでてくる可能性もあります。
グローバル化が進んだ事で、どこに拠点を置くかよりも経営やマーケティングの優劣が、企業の成功を左右する要素として重要度が増しそうです。
昨日調べた景気の循環の種類に対応する為には、変化に対応できるように身を置く事が大切だと思っています。
また、パラダイム・シフト(その時代や文化では当然の事と考えられていた認識や思想、価値観が技術革新によって変わる事:コンドラチェフ循環)にも対応しなければいけません。
あらゆるリスクを排除する事は不可能なので、リスクを最小化する事を考え続けたいと思います。
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