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【スポーツ】

[高校野球]竜ドラフト1位候補・根尾、逆方向へ驚弾 大阪桐蔭4強

2018年8月19日 紙面から

大阪桐蔭-浦和学院 2回表大阪桐蔭1死、渡辺から左翼席へ先制ソロを放つ根尾。捕手畑(黒田淳一撮影)

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◇大阪桐蔭11-2浦和学院

 史上初2度目の春夏連覇へ、また一歩前進した。大阪桐蔭(北大阪)は中日がドラフト1位候補に挙げる根尾昂遊撃手(3年)が「5番・投手」で出場。2回に今大会2本目となる先制ソロを左越えに放った。浦和学院(南埼玉)のドラフト1位候補右腕、渡辺勇太朗投手(3年)から逆方向への一発。超満員に埋まった甲子園の度肝を抜いた。投げては5イニングを2失点。11-2の大勝で4強に導いた。

 超満員に埋まった甲子園の視線を一身に浴びた。投打二刀流の根尾が、またバットでみせた。両校無得点の2回。1死走者なしから、今秋ドラフト1位候補の190センチ右腕・渡辺の140キロ直球を強振。逆方向へグングンと伸びた打球は、左翼フェンスを越えた。

 「甘い球に、いいスイングができた。風にも乗ってくれました」

 ここまで今大会無失点だった浦和学院に見舞った高校通算29号の先制ソロ本塁打。ライナーでバックスクリーンに飛び込んだ2回戦の沖学園(南福岡)戦に続く一発が11得点の呼び水となった。安打は本塁打1本だけだったものの、これで甲子園では2年春の決勝・履正社戦から13試合連続安打。全17試合のうち16試合で安打を放っている。第100回大会の主役はやはり、この男だ。

 投げては、2度目の先発で5イニング4安打2失点と粘投した。前回先発した沖学園戦では自身初の1試合2被弾。この日は低めへの制球を修正し、直球、スライダーともコースに決まった。疲れが出た5回に2安打で2点を失ったが、5イニングで6奪三振。「走者が出てから、強く腕を振れていた。2回戦より良かった」と自らに及第点を付けた。

 この日は自身の一発を含めチームで4本塁打。同校の甲子園通算本塁打数を71本に伸ばし、学校別でトップだったPL学園の70本を抜いた。

 「野球の世代が違うので…」と戸惑いながらも、「PL学園の記録は遠いものだと思っていた。すごい記録に並べたんだなと思う。素晴らしいチームなので、見習うところは多い」と喜んだ。

 炎天下でも、登板する際は長袖のアンダーシャツを着る。肩、肘を冷やさないようにするのはもちろん、流れ出る汗が投球に影響しないようにする狙いもある。「練習は長袖。変えるのもよろしくないので」。細かな部分にもこだわっている。

 史上初2度目の春夏連覇まであと2勝だ。「(3回戦敗退の)去年はベスト8の話もできなかった。準決勝で勝って、初めて少し見えてくる」。このまま頂点まで駆け上がる。 (麻生和男)

<根尾昂(ねお・あきら)> 2000(平成12)年4月19日生まれ、岐阜県飛騨市出身の18歳。177センチ、78キロ、右投げ左打ち。小学2年の時に古川西クラブで野球を始め、古川中では飛騨高山ボーイズに所属。2年時には全国中学校スキー大会の回転で優勝した。大阪桐蔭では1年夏からベンチ入り。甲子園は2年春から4季連続出場。

 

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