特集

インタビュー

谷原章介

萩尾家の空気感は和子さんが作っている

萩尾弥一を演じるうえで、どんなことを大切にしていますか?

萩尾家は、かわいらしくて“天然”な和子さん(原田知世)を中心に回っている家庭です。その中で、弥一は妻を優しく支えながら、彼女と同じく “浮世離れ”したところのある人だと感じています。

というのも、弥一の言うことはもっともらしいようで、どこかピントがずれているところがあるんです。育ちのよさから来ている部分もあると思いますが、天然な和子さんに寄り添おうとする気持ちが、無意識に表れているのかもしれませんね。しゃべり方も、和子さんにとって聞きやすく、理解しやすい形を目指しました。

やはり、萩尾家の空気感って、和子さんによって作られている部分が大きいんです。この台本を原田知世さんが“立体化”したときの情報量は、ものすごいですからね。その魅力を僕なりに受け止めて、僕なりに返せたらいいな、と思っています。

「かわいらしいお母さんを支えていこう」というのが、父と息子のテーマ

和子さんは「天才を生んだと思った」といって律(佐藤健)に大きな期待をかけてきましたが、弥一はどんな距離感で律を見ているのでしょうか?

和子さんは、思い込みが激しいというか、常に一生懸命なんですよね。ほんわかしているけれど、どんな相手にも裏表のないまっすぐな思いを伝えている。そんな情熱的なところも、すてきだなぁと思います。
律に対しての弥一は、和子さんよりも少し引いた距離感で、穏やかに見守る感じでしょうか。律の大学受験を振り返っても、周囲の期待によって彼の心が折れてしまわないか、その一点を心配していたのが印象的でした。

まぁ、親二人が律を見守る以上に、男二人が和子さんを見守っているのが萩尾家ですけどね(笑)。「かわいらしいお母さんを支えていこう」というのが、父と息子の共通テーマになっている気がします。
だから弥一は、律と、律を愛する和子さんとを優しく包み込んでいる。東京に出たばかりの律が帰省して和子さんの薬を見つけたときには、「心配すんな。お父さんがついとる。律は自分のことを頑張りゃいい。お母さんは、お前の人生を愛しとる」という印象的なことばもありました。僕自身も子どもを持つ父親ですが、ここまではできないので、頭の下がる思いです。

これまでと変わらず、和子さんを隣で見守りたい

最愛の和子さんは、治る見込みの薄い大病を患ってしまいましたね……。

和子さんが病気になって以降、新しい台本を読んでいくのはつらかったです。朝ドラを通じて、子どもが巣立って孫を持つ疑似体験ができ、感慨深く思っていたのですが、その先に、こんな重い体験が待っていようとは……。和子さんを失う可能性を思うと、空虚な気持ちいっぱいです。

ただ、弥一としての立ち居振る舞いは変わらないと思います。つらい気持ちがポロっとこぼれてしまうシーンは出てきますが、これまでと変わらず、和子さんが穏やかに暮らせるように隣で見守っていく。それが何よりの愛情表現になるでしょうね。

僕は小学生のころから原田さんの大ファンなので、その意味でも、夫婦役が途中で終わるかもしれないのは悲しいです。もし再びご一緒できるなら、原田さんの夫役で……。来世でも一緒になりたいと思っています(笑)。

シェアするhelp

  • twitter
  • facebook

シェアする?

特集一覧

公式SNS

  • 公式Instagram 出演者のオフショット満載で日々更新!
  • 公式Twitter 最新のお知らせ・情報などを随時ツイートします♪
  • 公式LINE 各週のあらすじや、みどころなどをお知らせ

公式SNS

  • Insragram
  • LINE