アルシェの物語〜In the Beginning was the Word〜 作:Menschsein
<< 前の話 次の話 >>
<モモンガ&アルシェ>
モモンガの横払いは、
「
モモンガのすぐ脇を、稲妻が駆け抜けていった。そして、
モモンガは、その一瞬の隙を逃さなかった。モモンガは横に流されていった自らの剣を自らの筋力で上段の構えへと移動させ、そして一気に振り下ろした。
金属音と共に、
「来たか。アルシェ!」とモモンガは言いつつ、どうしようかと思案する。
モモンガが仕掛けた攻撃は
大盾に意識をしていると、フランベルジュによって、フランベルジュに意識を集中すると、大盾によって殴りつけられる。
フランベルジュと大盾という二択の選択肢だけではない。見せつけられた
モモンガとしては、まだ、前衛としての役割を果たしきるには経験が圧倒的に不足しているように感じる。だが、アルシェが来てしまったのだから、仕方が無い。幸運なのは、アルシェが
モモンガは、頭を切り換えた。今回は、前衛として護衛を守るというのは、今後の課題にさせてもらおう……。まずは、協力して魔物を倒すという成功体験を積ませてもらうとしよう。
「モモン! お待たせ!」とアルシェは叫ぶ。
「よし、今から反撃の時間だ。
「オオオァァァアアアアアアーーー!!」と
「アルシェ! 俺が奴を斬る! 最後のトドメを頼むぞ!」とモモンガは言って、再び
「トドメ? ごめん。私の魔法、あんまり効いている様子がない!」とアルシェは言うが、それに対するモモンガの返答は無かった。代わりに聞こえたのは、「”
アルシェは、モモンの二つの剣の斬撃によって、
アルシェは、渾身の力を振り絞って、「
<フォーサイト>
フォーサイトの面々は、
「あのお嬢さん、まじで第三位階を使えるみたいだな……」とヘッケランが呟く。
「そうですね。そして、あのアンデッドに放った魔法。あれは、
「ということは、あの娘、ロバ—と同じ位階をあの年で使っているということ?」とイミーナが、ロバーデイクを見ながら言う。
「そうとしか考えられませんね。間違い無く、“天才”の部類にはいるでしょうな」とロバーデイクは、嫉妬するわけでもなく嬉しそうに答えた。
そして、墓地を囲む帝国騎士、冒険者、ワーカーにも聞こえるような大きな声が響いた。
「よし、今から反撃の時間だ。
それは、“釣りはいらない”モモンの声であった。
「おいおい、ようやく本領発揮ってわけかよ。って……、一匹倒しちまったな」と、ヘッケランは、一体の
「凄いの一言ですね。あのフールーダ氏の魔法でも倒れる気配がなかった
「このまま、全部、倒しちまえ! 期待のルーキーチーム“モモンと愉快な仲間達”! “釣りはいらない”モモン。そして、“美少女”アルシェ!!」
ヘッケランのその言葉と共に、絶望し、青い顔をしていた墓地を囲む面々の活気が甦る。そして、“モモンと愉快な仲間達”を応援する大喝采へと変わっていったのであった。