トップ > 中日スポーツ > 格闘技 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【格闘技】

IBFスーパーバンタム級王者・岩佐 2度目の防衛ならず

2018年8月17日 紙面から

ドヘニー(中央左)に敗れた岩佐亮佑(手前)は、渋い表情を見せる=後楽園ホールで(梅津忠之撮影)

写真

◇IBFスーパーバンタム級世界戦

 16日▽東京・後楽園ホール▽観衆1505人

 王者の岩佐亮佑(りょうすけ、28)=セレス=は、世界初挑戦の同級1位、TJ・ドヘニー(31)=アイルランド=に0-3の判定で敗れ、2度目の防衛に失敗した。岩佐は手数が少なく劣勢を強いられた。終盤に攻めに出たが反撃が遅かった。岩佐は28戦25勝(16KO)3敗、ドヘニーは20戦全勝(14KO)となった。

 ロープに両手をかけた岩佐が、背中で判定負けを聞いた。いずれも2~5ポイントの小差ながら0-3。初めてメインとして戦った世界戦の結末は、判定での王座陥落だった。

 岩佐は「距離を取ってくるのが予想外だった。そこに対応できなかったのが僕の弱さ。ポイントは負けたなと思っていた。仕方ないです」とポツリポツリと振り返った。

 難しい試合だった。挑戦者はインファイターとの下馬評を裏切り、下がりながらのカウンター狙い。それを岩佐がジャブで追う展開だった。持ち味の迎え撃つボクシングができない王者は完全にリズムを狂わされ、それが長く尾を引いた。

 それでも最終盤には見せ場をつくった。11回には得意の左ストレートでよろめかせ、ダウン寸前まで追い詰めた。だが、それも遅すぎた。

 V2は師弟の目標だった。ジムを率いるセレス小林会長は、現役時代にWBAスーパーフライ級2度目の防衛戦で敗れて王座陥落。岩佐にはそれを乗り越えてくれという夢を託していた。「練習ではもっと自分から攻めにいけていたがそれが出なかった」と会長。岩佐が中学2年で入門して約15年、ともに歩んできた師弟は同じ壁にぶち当たり、はね返された。

 防衛を前提に、米国の大手プロモート会社「トップランク」がWBO王者との統一戦を計画していたが、それも白紙に。「一番大事なところで力を発揮できなかった。自分にがっかりしている。今後のことについては考えます」と岩佐。進退の結論は少し休み、冷静になってから出すつもりだ。 (藤本敏和)

 

この記事を印刷する

中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ