全米の新聞、トランプ氏に一斉反論 300紙超が社説で

トランプ政権
北米
経済・政治
2018/8/17 4:00
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 【ニューヨーク=清水石珠実】全米の300以上の新聞社が16日、メディアを「国民の敵」と攻撃するトランプ米大統領を批判する社説を一斉に掲載した。トランプ氏は政権に批判的な報道を頻繁に「フェイク(偽)ニュース」と呼び、ジャーナリズムに対する国民の信頼を損なう言動を繰り返している。新聞社側が団結して、こうした中傷に反論した格好だ。

米ニューヨーク・タイムズ紙は地元紙を購読することで報道の自由を支援するよう読者に呼びかけた=AP

 16日付社説での一斉キャンペーンは、米東部ボストンに本拠を置く有力紙「ボストン・グローブ」の社説担当者の呼びかけで実施された。新聞社の政治思想や規模に関係なく、トランプ政権下で強まる「言論の自由」に対する危機感について、各紙が自由に意見を述べるように求めた。

 トランプ氏は同日朝、ツイッターで「フェイクニュース・メディアは野党だ。我々の偉大な国にとってとても悪い。だが、我々は勝利する!」とつぶやいた。1時間後には、再び「(米国で)報道機関は好きなことを自由に書いている。だが、その大半はフェイクニュースだ」と投稿した。一斉社説に反発した書き込みとみられる。

 米ニューヨーク・タイムズ紙は「自由な報道は、あなたを必要としている」との見出しで社説を掲載し、地元紙を購読することで報道の自由を支援するよう読者に呼びかけた。社説のなかでは、「不都合な真実を『偽ニュース』と断罪し続けるような姿勢は民主主義を危険にさらす。ジャーナリストを『国民の敵』と呼ぶことも危険だ」と訴えた。キャンペーンに参加した他紙の主張も一部を掲載し、電子版では州ごとに地元紙の社説を検索できる機能も付けた。

 一方で、「独立性」を重視する姿勢から有力紙の「ワシントン・ポスト」、「ウォール・ストリート・ジャーナル」、「ロサンゼルス・タイムズ」などは参加しなかった。

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