2008年8月28日(木)「しんぶん赤旗」

全国戦没者追悼式に党代表が出席しない理由は?


 〈問い〉 戦争遺児である私は、8月15日、武道館における全国戦没者追悼式に参加しました。ここに日本共産党代表が出席しないのはなぜですか? また、広島の原爆碑前での平和式典には日本共産党は献花されますが、千鳥ケ淵墓苑ではどのようなときに党代表がお参りされるのですか?(兵庫・一読者)

 〈答え〉 日本共産党は、8月15日におこなわれる政府主催の「全国戦没者追悼式」の内容が国民主権にそぐわないものであるため、欠席しています。この「追悼式」では、来賓をふくむ参列者全員が起立して天皇と皇后を迎えます。1999年からは起立のまま「君が代」が斉唱されるようになりました。黙とう後に、全員が起立するなかで、天皇が「おことば」を述べます。このような式のあり方は天皇中心の追悼式であって、国民主権、民主主義の基本に反します。

 全国戦没者追悼式は1952年が最初ですが、63年からは毎年8月15日におこなわれるようになりました。当初は正面の白木に「全国戦没者之標」と書かれていました。75年8月15日、三木武夫首相(当時)によって、「私人」としてではありますが、初めて首相の靖国神社参拝がおこなわれました。この年から、「全国戦没者之霊」と、特定の宗教用語の「霊」と書かれることになりました。これは政教分離の原則に反します。

 日本共産党は、毎年8月15日に談話を発表しています。今年は市田忠義書記局長が「日本軍国主義による侵略戦争と植民地支配の犠牲となった内外の人びとにたいする深い哀悼の意を表します」、「日本共産党は、わが国を憲法の平和・民主の原則にそって世界に貢献する国にするために、全力をあげて奮闘する決意です」と表明しています。

 千鳥ケ淵戦没者墓苑は、海外で収集された身元不明戦没者の遺骨を納めた施設で、国が管理しています。この墓苑も、昭和天皇が「下賜」した納骨壷を中心にしていますが、侵略戦争を賛美している靖国神社とは区別されるので、例えば毎年9月18日(関東軍による中国東北部侵略開始の日)に浄土真宗本願寺派教団が千鳥ケ淵戦没者墓苑でおこなう追悼法要には、日本共産党への案内があり、党代表が参列しています。(平)

〔2008・8・28(木)〕


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp