いまから5次方程式の解の公式を書き下してみます.途中で2次・3次・4次方程式を解く過程がありますが,それらの解の公式は既知のものとして扱います.5次方程式の解は一般に根号と四則演算によって書くことができないことが証明されているため,特殊関数を用いる必要があります.今回はその中でも楕円積分とヤコビのツェータ関数を使った表示を調べました.5次方程式の解の公式だけを見たい場合は一番最後の「まとめ」を御覧ください.
I. ニュートンの恒等式
方程式を解くための準備として,ニュートンの恒等式というものを見てみる.
■ニュートンの恒等式
x1,…,xn を
n 個の変数とするとき,
xm1+⋯+xmn=(−1)m−1mSm+m−1∑i=1(−1)m+i−1Sm−i(xi1+⋯+xin)
が成り立つ.ここで,
Sm は
m 番目の基本対称式を表すものとする.すなわち
S1=x1+⋯+xnS2=x1x2+x1x3+⋯+xn−1xnS3=x1x2x3+x1x2x4+⋯+xn−2xn−1xn⋮Sn=x1x2x3⋯xn
である.
以降
xi1+⋯+xin
のような
n 個の変数に対する和は
Σ(xik) のように略記する(和を取るときの束縛変数は
k とする).
以上のニュートンの恒等式を方程式の解に対して適用してみよう.いま
n 次方程式
xn+an−1xn−1+⋯+a1x+a0=0
が与えられているとする.この方程式は複素数の範囲に重複度を込めて
n 個の解を持ち,
それを
x1,…,xn とする.方程式の係数は
n 個の解の基本対象式と関連があり,
S1=−an−1S2=an−2⋮Sm=(−1)man−m⋮Sn−1=(−1)n−1a1Sn=(−1)na0
のようになっている.したがってニュートンの恒等式により
Σ(xmk)=(−1)m−1mSm+m−1∑i=1(−1)m+i−1Sm−iΣ(xik)=−man−m−m−1∑i=1an−iΣ(xik)
が得られる.これは解の
m 乗和と方程式の係数との間の関係を表す式になっている.5次方程式を簡単化していく過程で
Σ(xk)Σ(y3k)
などのようなものを大量に計算する必要があるため,ニュートンの恒等式を明示しておく必要があった.
II. 5次方程式の簡単化
5次方程式は四則演算と根号を用いた解の公式を持たないため,特殊関数による表示を与えるほかない.そのためにはまず5次方程式を
簡単な形にしていかなければならない.
まず5次方程式
ax5+bx4+cx3+dx2+ex+f=0
は両辺を
a≠0 で割ることにより,最高次係数は
1 の場合だけを考えればいいことになる.また方程式
x5+ax4+bx3+cx2+dx+e=0
に対して,
x=y−a/5 という変数変換をすることにより,
y5+(b−2a25)y3+(c−3ab5+4a325)y2+(d−2ac5+3a2b25−3a4125)y+(e−ad5+a2c25−a3b125+4a53125)=0
のように4次の項を消すことができる.すなわち
y5+py3+qy2+ry+s=0
という形の5次方程式を考えればよいことになる.実際にこの方程式を簡単な形に変形することを試みてみよう.
まずは上の形から
z5+Az2+Bz+C=0
という方程式へ変形する.その方法としては,
y5+py3+qy2+ry+s=0 の5つの解を
yk(k=1,…,5) ,
z5+Az2+Bz+C=0 の解を
zk(k=1,…,5) として,この2つの方程式の解の間に
zk=y2k+αyk+β
という関係があることを仮定することである.もし何かしらの方法によって
α,β,A,B を決定することができれば,実際にそのような関係が存在することが分かるのである.そこで上のような関係が2つの方程式の解の間に存在したと仮定する.まず
z5+Az2+Bz+C=0 の解に対して
Σ(zk)=0Σ(z2k)=0Σ(z3k)=−3AΣ(z4k)=−4BΣ(z5k)=−5C
となることを計算により確かめることができる.
いま
zk=y2k+αyk+β であるから
Σ(y2k+αyk+β)=0Σ((y2k+αyk+β)2)=0Σ((y2k+αyk+β)3)=−3AΣ((y2k+αyk+β)4)=−4BΣ((y2k+αyk+β)5)=−5C(1)(2)(3)(4)(5)
という式を得ることができる.式(
1),(
2)から
5β−2p=0−4r−6αq+2p2−4βp−2α2p+5β2=0
という
α,β に関する2次方程式が得られる.これにより
α=−3q2p±√(3q2p)2+3p5−2rpβ=2p5
という解を得ることができる.すなわち
y5+py3+qy2+ry+s=0 と
z5+Az2+Bz+C=0 の
2つの方程式の解の間には
zk=y2k+⎛⎝−3q2p±√(3q2p)2+3p5−2rp⎞⎠yk+2p5
という関係が存在することが分かった.また式(
3)(
4)(
5)により,
−3A=15αs+6pr−12βr−12α2r+3q2+15αpq−18αβq−3α3q−2p3+6βp2+6α2p2−6β2p−6α2βp+5β3−4B=8qs+28αps−60αβs−20α3s+4r2+28αqr−8p2r+24βpr+36α2pr−24β2r−48α2βr−4α4r−8pq2+12βq2+18α2q2−28αp2q+60αβpq+20α3pq−36αβ2q−12α3βq+2p4−8βp3−12α2p3+12β2p2+24α2βp2+2α4p2−8β3p−12α2β2p+5β4−5C=5s2+45αrs−20pqs+40βqs+80α2qs−45αp2s+140αβps+70α3ps−150αβ2s−100α3βs−5α5s−10pr2+20βr2+40α2r2−10q2r−90αpqr+140αβqr+70α3qr+10p3r−40βp2r−80α2p2r+60β2pr+180α2βpr+30α4pr−40β3r−120α2β2r−20α4βr−15αq3+15p2q2−40βpq2−80α2pq2+30β2q2+90α2βq2+15α4q2+45αp3q−140αβp2q−70α3p2q+150αβ2pq+100α3βpq+5α5pq−60αβ3q−30α3β2q−2p5+10βp4+20α2p4−20β2p3−60α2βp3−10α4p3+20β3p2+60α2β2p2+10α4βp2−10β4p−20α2β3p+5β5
なので,これによって
A,B,C を決定することができる.したがってより簡単化された方程式
z5+Az2+Bz+C=0 を解くことができれば,上記の解の関係
zk=y2k+αyk+β
を経由して
y を求めることができるようになる.したがって5次方程式は
z5+Az2+Bz+C=0
という形にまで簡単化された.
ここからさらに,
w5+Pw+Q=0 という形にまで簡単化しようとするわけであるが,その方法の起点はいまとさほど変わらない.ただし,途中で出てくる方程式に少し技巧が必要となる.いま
z5+Az2+Bz+C=0 の方程式の解を
zk とし,
w5+Pw+Q=0 の解を
wk とおいたときに,それらの解の間に
wk=z4k+ηz3k+θz2k+κz+μ
という関係が存在すると仮定する.このとき
Σ(wk)=0Σ(w2k)=0Σ(w3k)=0Σ(w4k)=−4PΣ(w5k)=−5Q
という式を用いて
Σ(z4k+ηz3k+θz2k+κz+μ)=0Σ((z4k+ηz3k+θz2k+κz+μ)2)=0Σ((z4k+ηz3k+θz2k+κz+μ)3)=0Σ((z4k+ηz3k+θz2k+κz+μ)4)=−4PΣ((z4k+ηz3k+θz2k+κz+μ)5)=−5Q(6)(7)(8)(9)(10)
という5つの方程式を得ることができる.式(
6)より
5μ−3Aη−4B=0⇒μ=3Aη+4B5
となる.式(
7)より
(−15Aθ−20Bη−25C)κ−10Bθ2−25Cηθ+15A2θ+3A2η2+23ABη+20AC+2B2=0(11)
このとき,求めるべき変数が
η,θ,κ,μ の4つに対して,それらを求めるための方程式が(
6)(
7)(
8)の3つだけであることを考慮すると,解には1次元分の自由度が生まれることになる.そこでいま
θ を上記の
κ の項が
0 になるように定めることとする.すなわち
−15Aθ−20Bη−25C=0
となるように
θ を定めると
θ=−4Bη+5C3A
となる.したがって(
11)は
300ABCη2−160B3η2+27A4η2+375AC2η−400B2Cη+27A3Bη−250BC2−45A3C+18A2B2=0
と変形され,この
η の2次方程式を解くことによって
η を求めることもできる.そして式(
8)より
−675A3κ3−3375A2Cηκ2+3600AB2ηκ2+4500ABCκ2+2025A4κ2−6000B2Cη2κ−675A3Bη2κ−15000BC2ηκ+4050A3Cηκ−7200A2B2ηκ−9375C3κ−9675A2BCκ−2025A5κ+225A2BCη3+320AB3η3+54A5η3+1125A2C2η2+3900AB2Cη2+960B4η2+756A4Bη2+9375ABC2η+2400B3Cη−1485A4Cη+3843A3B2η+6250AC3+1500B2C2+4770A3BC+108A2B3+675A6=0
という
κ の3次方程式が得られる.
θ を上のように選んだのは,この
κ の方程式が高次にならないようにするためであった.したがって
η,θ,κ,μ の4つが方程式の係数により記述できたので,
z5+Az2+Bz+C=0 と
w5+Pw+Q=0 の解の間には,4次式の関係があることが分かった.また式(
9)(
10)により
P と
Q も得ることができる.最終的な式は最後のまとめに記す.これにより,当初の5次方程式は
w5+Pw+Q=0
という形にまで簡単化できることが判明した.この形はBring-Jerrard型と呼ばれる形である.ここで
w=4√−Pu
とすることにより,方程式は
4√−P5u5+P⋅4√−Pu+Q=04√−P5u5−4√−P5u+Q=0u5−u+Q4√−P5=0
という形にすることができる.
R=Q/4√−P5 とすれば,最終的に5次方程式は
u5−u+R=0
という形にまで持っていくことができる.
III. モジュラー関数による解の公式
さて,
u5−u+R=0 という形の5次方程式の解の公式を得ることができれば,最初の
x5+ax4+bx3+cx2+dx+e=0 という方程式の解まで導出できることは分かった.問題は
u5−u+R=0 をどうやって解けばよいのかである.それには様々な方法が存在するが,ここではエルミートによるモジュラー関数を使った方法を紹介する.
まずは,解を記述するために使うモジュラー関数を定義する.モジュラー関数は,一つの関数を指す用語ではなく,ある保型的性質を満たすような関数の総称である.今回は楕円関数から話を始める.まずパラメーター
τ を
τ=iK(√1−k2)K(k)
とする.これは楕円関数論においてhalf-period ratioと呼ばれるものである.また
k はモジュラスと呼ばれるパラメータである.さらに
K(k)=∫π201√1−k2sin2φdφ
はモジュラス
k に対する完全楕円積分である.これを用いて
楕円モジュラー関数
φ(τ)=4√kψ(τ)=8√1−k2
が定義される.ちなみにこの2つの関数
φ,ψ は,ヤコビのテータ関数
ϑ を使って
φ(τ)=√ϑ10(0;τ)ϑ00(0;τ)ψ(τ)=√ϑ01(0;τ)ϑ00(0;τ)
と表す事もできる.このとき関数のペア
φ(τ),φ(5τ)
は有理数体上代数的に従属であることが知られている.すなわち
Φ5(φ(τ),φ(5τ))≡0
を満たすような有理数係数多項式
Φ5 が存在する.具体的にそれは
Φ5(x,y):=x6−y6+5x2y2(x2−y2)+4xy(1−x4y4)
という形の6次多項式である.このとき
Φ5(φ(τ),y) の6つの解は
yj(τ)=φ(τ+16j5)(j=0,1,2,3,4)y5(τ)=φ(5τ)
である.この6つの解を使って定義される
J(τ)=(y5(τ)−y0(τ))(y4(τ)−y1(τ))(y3(τ)−y2(τ))={φ(5τ)+φ(τ5)}{φ(τ+165)−φ(τ+645)}{φ(τ+325)−φ(τ+485)}
という
τ の関数は,
J(τ)5−2000φ(τ)4ψ(τ)16J(τ)+1600√5φ(τ)3ψ(τ)16(1+φ(τ)8)=0
を任意の
τ に対して満たすことが示されている.詳しくは参考文献「Briot-Bonquet,
Théorie des fonctions elliptiques」のp.654-を参照していただきたい.
文献では
J(τ) の各点の位数の勘定や,
J(τ) の
yj(τ) に対する対称性などから
u8β0J5+5∑p=1u8βpJ5−p(ap+bpu8+cpu16+⋯)=0(u=φ(τ))
という
u -級数の方程式を立て,そこから各係数
βp,ap,bp,cp,… を決定していくことにより最終的な5次方程式を得ている.
この5次方程式
T5−2000φ(τ)4ψ(τ)16T+1600√5φ(τ)3ψ(τ)16(1+φ(τ)8)=0
のその他の4つの解は
J(τ+16),J(τ+32),J(τ+48),J(τ+64)
である.いま
τ を固定したときの一つの解を
J とし,
J=24√53φ(τ)ψ(τ)4X
というように変換を行うと,初等的な計算によって
X5−X+2(1+φ(τ)8)4√55φ(τ)2ψ(τ)4=0
となる.少し複雑になってきたが,つまり
J(τ+16ℓ)(ℓ=0,1,2,3,4) という形の
τ の関数は
(J(τ+16ℓ)24√53φ(τ)ψ(τ)4)5−(J(τ+16k)24√53φ(τ)ψ(τ)4)+2(1+φ(τ)8)4√55φ(τ)2ψ(τ)4=0
を任意の
τ に対して満たしているということである.
したがってまとめると,最初に与えられた方程式
u5−u+R=0
に対して,
R=2(1+φ(τ)8)4√55φ(τ)2ψ(τ)4
となるような
τ の値を求めることができれば,
u5−u+R=0 の解は
u=J(τ+16ℓ)24√53φ(τ)ψ(τ)4(ℓ=0,1,2,3,4)
というように求めることができることが分かった.したがって今度は
R=2(1+φ(τ)8)4√55φ(τ)2ψ(τ)4
を満たすような
τ を求めることになる.これを変形すると,
2(1+φ(τ)8)=R4√55φ(τ)2ψ(τ)44(1+φ(τ)8)2=R2√55φ(τ)4ψ(τ)8
これをモジュラス
k を使って表すと
4(1+k2)2=R2√55k(1−k2)4k4+R2√55k3+8k2−R2√55k+4=0k4+(R4√552)2k3+2k2−(R4√552)2k+1=0
となる.この方程式の解は三角関数の恒等式
tan4θ+4sin4θtan3θ+2tan2θ−4sin4θtanθ+1=0
を用いることにより,
sin4θ=4(2R4√55)2
を満たす
θ に対して
k=tanθ
というように求めることができる.すなわち
k=tan(14arcsin(16R2√55))
である.このモジュラス
k を使って
τ=iK(√1−k2)K(k)
となる.
したがって最終的に
u5−u+R=0 の解は
u=J(τ+16ℓ)24√53φ(τ)ψ(τ)4(ℓ=0,1,2,3,4)τ=iK(√1−k2)K(k),k=tan(14arcsin(16R2√55))
と求めることができる.
IV. まとめ
以上をまとめると,最初の
x5+ax4+bx3+cx2+dx+e=0
の解の公式は以下のように与えられる.
x=y−a5
y=−α2+√(α2)2−β+z
α=−3q2p±√(3q2p)2+3p5−2rp
β=2p5
p=b−2a25
q=c−3ab5+4a325
r=d−2ac5+3a2b25−3a4125
s=e−ad5+a2c25−a3b125+4a53125
−3A=3α(5pq−5s)+6pr+(3β+3α2)(2p2−4r)+3q2−3(6αβ+α3)q−2p3−2(3β2+3α2β)p+5β3
−4B=4α(7ps+7qr−7p2q)+8qs+(12αβ+4α3)(5pq−5s)+4r2+(4β+6α2)(6pr+3q2−2p3)−8p2r+(6β2+12α2β+α4)(2p2−4r)−8pq2−3(12αβ2+4α3β)q+2p4−2(4β3+6α2β2)p+5β4
−5C=5s2+5α(9rs−9p2s−18pqr−3q3+9p3q)+(5β+10α2)(8qs+4r2−8p2r−8pq2+2p4)+(20αβ+10α3)(7ps+7qr−7p2q)−20pqs+(30αβ2+20α3β+α5)(5pq−5s)−10pr2+(10β2+30α2β+5α4)(6pr+3q2−2p3)−10q2r+10p3r+(10β3+30α2β2+5α4β)(2p2−4r)+15p2q2−3(20αβ3+10α3β2)q−2p5−2(5β4+10α2β3)p+5β5
4√−P5u=z4+ηz3+θz2+κz+μ
μ=3Aη+4B5
θ=−4Bη+5C3A
0=d3κ3+d2κ2+d1κ+d0
d0=(225A2BC+320AB3+54A5)η3+(1125A2C2+3900AB2C+960B4+756A4B)η2+(9375ABC2+2400B3C−1485A4C+3843A3B2)η+6250AC3+1500B2C2+4770A3BC+108A2B3+675A6
d1=(−6000B2C−675A3B)η2+(−15000BC2+4050A3C−7200A2B2)η−9375C3−9675A2BC−2025A5
d2=(−3375A2C+3600AB2)η+4500ABC+2025A4
d3=−675A3
η=−e12e2+√(e12e2)2−e0e2
e0=−250BC2−45A3C+18A2B2
e1=375AC2−400B2C+27A3B
e2=300ABC−160B3+27A4
−4P=(8AC+4B2)(θ4+12μθ2+12ηκθ2+12η2μθ+12κ2θ+6μ2+24ηκμ+6η2κ2)+3A2(4μθ3+6κ2θ2+12μ2θ+24ηκμθ+6η2μ2+12κ2μ+4ηκ3)+7AB(4κθ3+12ημθ2+24κμθ+12ηκ2θ+12ημ2+12η2κμ+4κ3)+(9BC−3A3)(4ηθ3+12κθ2+24ημθ+12η2κθ+12κμ+4η3μ+12ηκ2)+(5C2−10A2B)(4θ3+6η2θ2+12μθ+24ηκθ+12η2μ+6κ2+4η3κ)−4B(6μ2θ2+12κ2μθ+4μ3+12ηκμ2+κ4)−5C(12κμθ2+12ημ2θ+4κ3θ+12κμ2+12ηκ2μ)+(−11A2C−11AB2)(12ηθ2+12κθ+4η3θ+12ημ+12η2κ)+(−24ABC−4B3+3A4)(6θ2+12η2θ+4μ+12ηκ+η4)−3A(12κμ2θ+4ημ3+4κ3μ)+(−13AC2−13B2C+13A3B)(12ηθ+4κ+4η3)+(−14BC2+14A3C+21A2B2)(4θ+6η2)+5μ4+4(−5C3+45A2BC+15AB3−3A5)η+24A2C2+48AB2C+4B4−16A4B
−5Q=(5C2−10A2B)(θ5+20μθ3+20ηκθ3+30η2μθ2+30κ2θ2+30μ2θ+120ηκμθ+30η2κ2θ+30η2μ2+30κ2μ+20η3κμ+20ηκ3)+(8AC+4B2)(5μθ4+10κ2θ3+30μ2θ2+60ηκμθ2+30η2μ2θ+60κ2μθ+20ηκ3θ+10μ3+60ηκμ2+30η2κ2μ+5κ4)+(9BC−3A3)(5κθ4+20ημθ3+60κμθ2+30ηκ2θ2+60ημ2θ+60η2κμθ+20κ3θ+30κμ2+10η3μ2+60ηκ2μ+10η2κ3)+(−11A2C−11AB2)(5ηθ4+20κθ3+60ημθ2+30η2κθ2+60κμθ+20η3μθ+60ηκ2θ+30ημ2+60η2κμ+10κ3+10η3κ2)+(−24ABC−4B3+3A4)(5θ4+10η2θ3+30μθ2+60ηκθ2+60η2μθ+30κ2θ+20η3κθ+10μ2+60ηκμ+5η4μ+30η2κ2)+3A2(10μ2θ3+30κ2μθ2+20μ3θ+60ηκμ2θ+5κ4θ+10η2μ3+30κ2μ2+20ηκ3μ)+7AB(20κμθ3+30ημ2θ2+10κ3θ2+60κμ2θ+60ηκ2μθ+20ημ3+30η2κμ2+20κ3μ+5ηκ4)+(−13AC2−13B2C+13A3B)(20ηθ3+30κθ2+10η3θ2+60ημθ+60η2κθ+20κμ+20η3μ+30ηκ2+5η4κ)+(−14BC2+14A3C+21A2B2)(10θ3+30η2θ2+20μθ+60ηκθ+5η4θ+30η2μ+10κ2+20η3κ)−4B(10μ3θ2+30κ2μ2θ+5μ4+20ηκμ3+5κ4μ)−5C(30κμ2θ2+20ημ3θ+20κ3μθ+20κμ3+30ηκ2μ2+κ5)+(−5C3+45A2BC+15AB3−3A5)(30ηθ2+20κθ+20η3θ+20ημ+30η2κ+η5)+(24A2C2+48AB2C+4B4−16A4B)(10θ2+30η2θ+5μ+20ηκ+5η4)−3A(20κμ3θ+5ημ4+10κ3μ2)+(51ABC2+17B3C−17A4C−34A3B2)(20ηθ+5κ+10η3)+(18AC3+27B2C2−72A3BC−36A2B3+3A6)(5θ+10η2)+5μ5+5(19BC3−38A3C2−114A2B2C−19AB4+19A5B)η+5C4−120A2BC2−80AB3C+20A5C−4B5+50A4B2
u=J(τ+16ℓ)24√53k(1−k2)2(ℓ=0,1,2,3,4)
τ=iK(√1−k2)K(k)
k=tan(14arcsin(16R2√55))
R=Q4√−P5
J(τ)=(y5(τ)−y0(τ))(y4(τ)−y1(τ))(y3(τ)−y2(τ))
yj(τ)=φ(τ+16j5)(j=0,1,2,3,4)
y5(τ)=φ(5τ)
φ(ω)=√ϑ10(0;ω)ϑ00(0;ω)
ψ(ω)=√ϑ01(0;ω)ϑ00(0;ω)
ϑab(z;ω)=∞∑n=−∞eπi(n+a)2ω+2πi(n+a)(z+b)(a,b∈R)
K(k)=∫π201√1−k2sin2φdφ
ここで
ϑ はヤコビのツェータ関数,
K は第一種完全楕円積分という特殊関数である.5次方程式の解の公式はいざというときに必要になる可能性が僅かに存在するかもしれないので,記憶しておきましょう.
V. 参考文献
(1) V.S.Adamchik, David.J.Jeffrey,
Polynomial Transformations of Tschirnhaus, Bring and Jerrard, ACM SIGSAM Bullentin, Vol37, No.3 (2003)
5次方程式をBring-Jerrard型にまで簡単化する方法が説明されています.
(2) Semjon Adlaj,
Multiplication and division on elliptic curves, torsion points and roots of modular equations
レベル5の楕円モジュラー多項式について参考にしました.
(3) Briot, Bouquet,
Théorie des fonctions elliptiques, p654-660
楕円モジュラー方程式から5次の標準形に持っていく部分の証明が載っています.
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