Appleが、Yahoo! JAPANのゲーム配信ビジネスに圧力をかけている疑いがある、日本経済新聞が報じています。公正取引委員会も調査を進めている模様です。
アプリインストール不要、スクエニなども参画
Yahoo! JAPANは、2017年7月にアプリではなくブラウザで楽しめるゲームを集めた「ゲームプラス」を開設し、スクウェア・エニックスなど52社が参加を表明していました。
「ゲームプラス」は、動画もスムーズに表示できるHTML5を使い、課金にはYahoo! JAPANの決済システムを利用しており、アプリのインストール不要で各種ゲームが楽しめるのが特徴です。
App Storeを経由しない「ゲームプラス」にAppleが圧力?
iPhoneで動作するアプリの公開手段は、AppleのApp Storeに限られます。App Storeは、収益の30%がAppleの取り分となり、バージョンアップの審査にも時間がかかるため、開発者の自由度が制限されるとの指摘もあります。
ゲームアプリの売上が「ゲームプラス」に流出することに危機感を持ったAppleが、Yahoo! JAPANに対して取引中止をちらつかせて圧力をかけた可能性がある、と日本経済新聞は報じています。
App Storeでアプリを公開して収益を得ているゲーム開発各社としては、Appleとの取引中止を避けるため、「ゲームプラス」に力を入れにくくなり、「ゲームプラス」は広告も減り、スクウェア・エニックスの新作ゲーム公開打ち切りなど、失速状態につながったとみられています。
ソフトバンクが仲裁、事態があいまいに?
公正取引委員会は、Appleの動きが独占禁止法が禁止する「取引妨害」にあたる可能性があるとして調査しているものの、事態の全貌がつかめずに調査は難航している模様です。
日本経済新聞の報道では、Yahoo! JAPANの筆頭株主であり、キャリア決済でApp Storeの代金を回収するなどAppleとのつながりがあるソフトバンクグループが仲裁したことで、事態があいまいになっている可能性も指摘されています。
公取委、7月には端末購入補助の独禁法違反解消を発表
公正取引委員会は、Appleが大手携帯キャリアと交わした契約で端末購入補助を求めていることが、通信料金の高止まりを招き、料金プランの多様化を阻害している場合は独占禁止法違反にあたる、と約2年前から調査を進めていました。
しかし、Appleが端末購入補助のないプランを選択可能としたことで、独占禁止法違反の疑いは解消したとする調査結果が7月に発表されています。