私はかねてより「ネトウヨは不幸な人である」と主張しているが、そこには「不幸だからネトウヨになる」という意味と「ネトウヨになると不幸になる」という意味の両方を含んでいる。
前者の方は既にお伝えしている通り、ネトウヨは自己肯定感が低く、アイデンティティが揺らいでいる人がなりやすいからだ。
後者については、これまであまり詳しく触れていないのと、ネトウヨさんから「ネトウヨだけど不幸ではない」というご意見をよく頂戴するので、今回はネトウヨになるとなぜ不幸になるのかということを書きたいと思う。
結論から申し上げると、以下の2つになる。
①国家の幸せと個人の幸せは相反する時があるから
②個人よりも国家に対する批判が圧倒的に多いから
1つ1つ説明していこう。
【国家の幸せと個人の幸せは相反する時があるから】
国会の幸せと国民の幸せが比例することが当然好ましいわけだが、実際はそうともいかず相反する時がある。
分かりやすく財政で考えると、国家としては国民にたくさん税金を納めてもらって(歳入)、年金などの社会保障費(歳出)を減らすことが理想だ。
もちろん国家は国民のために存在しているハズなので、お金という形ではなくても国民のために国家の予算は割り当てられるのだが、もはや日本は年金だけで老後生活していける国ではないことを鑑みれば、やはりお金という形でリターンを受けたいと考えるのが多数派の考えだろう。
また、「国家は国民のために存在しているハズ」と書いたが、残念ながら必ずしも国民にとってプラスではなかった政策も過去にはいくつかある。
それは経団連などの既得権者も政策に大きく関わってくるためで、政治家はその見返りとして政治献金を含めた様々な恩恵を受けている。
政策を支持(無関心層も含む)した国民の大半は不利益が自分に降りかかってから気付き、あの時なぜ支持してしまったのだろうと後悔する。
そこで我々国民は国家によって不利益を被らないよう、しっかり政策を理解し、誤っていると感じたら意見することが大切になってくるのだが、アイデンティティ=日本人となると変なバイアスがかかる。
思考停止状態になり、「国が良くなるためなら今は我慢しよう」(私はこのことを「欲しがりません勝つまでは精神」と呼んでいる)、「安倍さんの政策なら良いものに違いない」となっていく。
極端ではあるが、第二次世界大戦中のドイツが1番分かりやすい事例で、今振り返れば明らかに国民の利益に反しているのに、国民はナチスを支持してしまった。
国家の幸せと自分の幸せを同一化しすぎてしまうと、実は自分は不幸に向かってしまっているのに、不幸に向かわせている相手を支持しているという状態になってしまいかねない。
そして逆のパターン、つまり国家が不幸になった場合(国難)においては、必要以上に個人が自信喪失し、不幸を感じるようになる。
国が繁栄することで国民が幸せを感じるのは、ごく自然なことだが、同化しすぎるのは不幸を招く。
【個人よりも国家に対する批判の方が圧倒的に多いから】
学校や職場など、社会との関わりがあれば批判されて傷つくということは誰もが経験していると思うが、アイデンティティ=日本人になるとこの何倍も傷つくことになる。
なぜなら個人よりも国家に対する批判の方が圧倒的に多いからだ(政治家や芸能人など一部の個人は除く)。
各国それぞれ歴史や価値観があり、日本に好意的な国もあれば、好意的でない国もある。
更にはその国の中でも個人によって考えは違う。
我々の国でも親韓派と嫌韓派がいるように。
自国が褒められたときは幸せな気分を味わうことができるが、ネットには肯定的な発言ばかりが書かれるわけではない。
それもネットでは匿名なので過激な発言も多い。
特に今は翻訳機能の精度が上がってきており、世界中の人が何を言っているか理解できてしまう。
以前もお伝えした通り、人間にはアイデンティティを守るための防衛機制があるため、自国を批判されると自分が攻撃されたと錯覚し、相手を敵と見なし攻撃するようになる。
こうして彼らは必要以上に怒り、傷つき、自ら不幸な道を選んでしまっているのだ。
ネットは広大なのですが、Googleなどの検索システムを利用する事が多い現在のネット環境だと、サイバーカスケードという自分に都合のいい、または自分の意見に近い人のサイトばかりが表示されます。
そしてそこではほとんどの人が仲間ですからそういう考えの人しかいないという感じになります。
例の弁護士事件ではありませんがああいう事件でもないかぎりそういう感じが続きます。
自分の生活はきついのに贔屓のスポーツが勝ち進み喜んでいるのと同じかもしれません。
もし現政権が終わることがあっても、敵を攻撃することで偽りの高揚感を得て気晴らしになるかもしれません。
こういう状態は旗から見たら不幸なのですが本人は幸せだと思っているのです。
ココらへんが難しいところだと思いますが。