最近、思うように身体が動かない・・・
何となく身体がだるい・・・
仕事をやる気が出てこない・・・
集中力が続かない・・・
このような疲労を感じたことはありませんか。
実は、疲れは脳に蓄積される!ということが分かっています。
では、脳に蓄積された疲れをとるにはどうすればいいのでしょうか?
脳疲労を回復させる王道は、睡眠の改善です。
つまり質の高い睡眠をとれば、脳疲労はかなりの部分で改善されるのです。
そこで今回は、具体的にどのように睡眠を改善すればいいのかについて分かりやすく紹介します。
また、睡眠以外にも脳疲労を回復させる効果的な方法を紹介します。
脳疲労を回復させる方法は、睡眠改善だけではないのです。
漠然とした不調の原因
脳疲労とは、自律神経に負荷がかかることで起こる現象です。
例えば長時間のデスクワークや過剰なストレス、高い集中状態の継続などが自律神経に負荷をかけていると考えられています。
自律神経の疲労は本人では自覚しにくいため、気がつかないうちに蓄積されやすいのです。
その結果、漠然とした身体の不調(疲労感や意欲の低下など)が出てくるのです。
漠然とした不調は、脳が自分自身に危険を知らせるアラームなのです。
そのメカニズムを簡単に説明すると、次のようになります。
脳疲労で自律神経に負荷がかかると、脳内に活性酸素が発生し神経細胞が酸化されます。
その結果、自律神経そのものの機能が低下し、次第に脳の老化を引き起こすのです。
だから脳疲労を放置すると、最終的には脳の老化につながるのです。
そうならないためには、早め早めに脳に蓄積された疲労を取り除くことです。
脳疲労を回復する王道
脳疲労を取り除く方法はいろいろありますが、基本は睡眠の改善です。
つまり、質の高い睡眠をとることです。
質の高い睡眠とは、目覚めた時に前日の疲れが残っていない睡眠のことです。
質の高い睡眠をとるポイントは、入眠後の3時間がカギになります。
この時間帯は、「睡眠のゴールデンタイム」と言われ、質の高い睡眠をとるためには特に重要なのです。
この時間帯に深い睡眠をとることができれば、疲労の6~7割は回復されるといわれています。
しっかり寝ているのに疲れが取れないと感じるのは、このゴールデンタイムの睡眠の質に問題がある可能性が高いのです。
ポイントは量より質、つまり睡眠時間よりも睡眠の質を上げることです。
睡眠の質を高める5つの方法
ここでは、睡眠の質を高めるための具体的な5つの方法を紹介します。
睡眠の質を高める方法①:体温調節
質の高い睡眠を獲得するためには、就寝前の体温調節がカギになります。
特に身体の内臓の温度を下げると効果的です。
具体的には、ぬるめのお湯(38~40℃)に5~10分程度浸かるのがベストです。
入浴の時間ですが、理想は就寝の1時間前になります。
因みに熱めのお風呂に入って汗をかいてしまうと、自律神経に負荷をかけるので逆効果です。
睡眠の質を高める方法②:照明
就寝前に明るい光を浴びると、眠りの質が下がります。
これは、眠りホルモンの「メラトニン」の分泌が抑制されるからです。
ですから就寝の1時間くらい前からは、部屋の照明を少し落とし、パソコンやスマホを見るのも控えましょう。
睡眠の質を高める方法③:いびきをチェックする
いびきは、睡眠の質を下げることが分かっています。
これは、いびきをすると気道が狭くなって酸素の供給が不十分になっているからです。
酸素の供給が不十分だと、寝ている間も自律神経に負荷がかかるので疲労が回復しないのです。
しかし、いびきは自分自身ではなかなか分かりません。
自分がいびきをしていないかどうかは、家族に頼むか、もしくは録音機をセットするなどして一度チェックしてみてください。
睡眠の質を高める方法④:アプリの活用
睡眠は、個人差があります。
つまり人によって、必要な睡眠時間や睡眠サイクル(レム睡眠とノンレム睡眠)が違うのです。
だから、質の高い睡眠をとるためには、まず自分の睡眠時間や睡眠サイクルを把握することです。
その方法の一つとして、スマホのアプリを活用するのは効果的です。
グーグルプレイなどで検索すれば、無料の「睡眠アプリ」がたくさん出てきます。
これを利用することで、自分が熟睡している時間帯とか自分の睡眠サイクルなど、睡眠の詳細が分かるのです。
睡眠の質を高める方法⑤:病院に行く
いろいろとやってみても、どうしても睡眠の質が改善されないのであれば、病院に行くのも一つの手段です。
睡眠障害は放置すると悪化してしまうケースもありますので、気になる方は早めに受診しましょう。
お近くに「睡眠外来」を設けている医療機関があればベストですが、見つからない場合は「睡眠センター」「睡眠障害センター」「睡眠クリニック」などの看板を掲げているクリニックでも大丈夫です。
診断を受ける時は、下記のポイントをおさえて医師に自分の症状を詳しく説明してください。
【説明する時のポイント】
・いつ頃から眠れなくなったのか。
・どんな症状(寝つきが悪い、途中で目が覚める、眠りが浅い、熟睡した感じがしない・・・)があるか。
・眠れないことで、日常生活にどんな支障があるか。
・不眠になったきっかけで、思い当たることがあるか。
・不眠以外に何か症状があるか。
脳疲労を回復させる5つの方法
脳疲労を回復させる方法は、睡眠改善だけではありません。
ここでは、脳疲労を回復させる最も効果的な5つの方法を紹介します。
脳疲労回復法①:積極的休養
積極的休養(アクティブレスト)とは、軽い運動を取り入れることで筋肉疲労をとっていく方法で、もともとスポーツ選手の疲労を抜くために用いられた方法です。
例えばトレーニングの後に行うクーリングダウンもアクティブレストの一つです。
ジョージア大学で行われた研究では、簡単な20分程度の運動によって、 仕事の処理能力や記憶力が大幅に改善すると発表しています。
適度に身体を動かすことで、筋肉のポンプ作用で血液が身体の隅々までいきわたります。
その結果、老廃物の排出がスムーズに行われ、疲労回復が早まるのです。
また積極的休養には、脳と身体の疲れを調整する効果の他に、脳そのものを強化し疲れにくくする働きもあります。
ストレッチや体操や散歩などの軽い運動をする事で、脳疲労を回復させる効果があるのです。
脳疲労回復法②:擬似回復法
擬似回復法とは、疲労をマヒさせて感じなくさせる方法です。
この方法を使うと、一時的にやる気が回復し作業効率が上がります。
具体的には、コーヒーなどのカフェイン、疲労回復(エナジー)ドリンク、タバコ、チョコレートなどです。
これは誰でも経験したことがある方法ではないでしょうか。
手っ取り早く即効性はありますが、脳疲労の根本原因がなくなるわけではありません。
風邪を引いたときに風邪薬を飲むのと同じことなのです。
脳疲労回復法③:温かい飲み物やガムやサプリ
温かい飲み物は、脳疲労の回復に即効性が高いとされています。
血液循環を良くしたり、副交感神経に働きかけて落ち着かせたり、不安やストレスを軽減する効果があるのです。
またガムは、噛むという行為が脳への血流を改善させ、集中力を増す効果があります。
ガムを噛みながら作業する方が、噛まないで作業するよりも集中力が増すことが分かっています。
また、脳疲労を回復させるサプリメントもあります。
例えばイチョウ葉は血流を改善し脳疲労を回復してくれる効果があり、 またチロシンは集中力を強化するサプリメントとして知られています。
脳疲労回復法④:仕事の進め方を変える
仕事の進め方は脳疲労に大きな影響を及ぼすことが分かっています。
例えば、自分が「嫌だ」「苦手」と感じる仕事は、心理的ストレスが高いため、 「ワーキングメモリ」と呼ばれる情報を一時的に記憶する領域を削減します。
その結果、脳がより早く疲労してしまうのです。
しかし心理的ストレスが高い仕事であっても、 仕事の進め方を変えることで 脳の疲れを低減することができます。
例えば下記の方法です。
・面倒な作業は分割してやる
・複雑な作業は、単純作業に切り替える
・マルチタスクをやめて、一つの作業に専念する
・小さな目標を決めて、こまめに達成する
このような方法で、脳疲労への影響を最小限にすることができるのです。
脳疲労回復法⑤:仮眠・保温・アロマ
脳がつかれている時に20~30分程度の昼寝(仮眠)をすると、脳は驚くほどリフレッシュすることが分かっています。
その結果、作業効率が著しく上がるのです。
ただし、長い昼寝や夕方以降の仮眠は夜の睡眠を妨げるため、注意が必要です。
保温も脳疲労を回復する効果があります。
例えば目元や首、肩を温めると脳への血流がよくなります。
特に目元を温める方法は即効性が高く、ドライアイや眼精疲労にも効果があります。
アロマ(香り)も脳疲労や体の疲れを癒やす効果があります。
脳疲労に効果のある代表的な香りはローズマリー、ペパーミント、ラベンダーです。
脳疲労を蓄積させない4つの方法(予防編)
生活習慣を見直すことで、脳疲労を蓄積しにくくすることは可能です。
これは日ごろの生活を気をつけることで、脳疲労を予防する方法です。
予防編①:こまめに休憩をとる
脳を酷使すると活性酸素が発生し、脳は酸化ストレスにさらされて効率が下がります。
そうなる前に積極的に休憩をとるのです。
パソコンや書類作成などのデスクワーク作業に集中できないと感じたら、こまめに休憩をとりましょう。
理想的なのは、1時間に1回、5分程度の休憩を積極的にとることです。
脳が疲れてしまう前に休憩をとることで、結果的に脳疲労が蓄積されにくくなるのです。
予防編②:自然のゆらぎを感じる
自然のゆらぎを感じないオフィスのような環境は、脳疲労を蓄積しやすい環境といえます。
オフィスにこもっていると、温度や湿度の変化がなく、自然のゆらぎを感じることができません。
そんな時は、昼休みやちょとした休憩時間を利用してそよ風や太陽を浴びましょう。
外に出て緑を眺めたり、鳥の声を聞くだけで脳はリラックスできるのです。
予防編③:意識して会話する
脳を疲れさせないためには、注意を分散させることです。
デスクワークのどの1点集中作業で疲れた脳は、会話をする事で注意が分散されます。
周囲に気を配りながら会話をする時、脳全体の機能が鍛えられて疲れにくい脳を作るのです。
予防編その④:鶏肉と酸っぱいもの
鶏の胸肉と酸っぱい食べ物は、疲れをとるのに効果的です。
例えば鶏の胸肉には、疲労回復効果が証明されている「イミダペプチド」が多く含まれています。
また酸っぱいものに含まれるクエン酸は、糖や脂肪を代謝してエネルギーを生み出すクエン酸回路の構成成分であり、疲労物質といわれる乳酸をピルビン酸に戻す作用もあります。
脳疲労のチェック方法
人が脳疲労を起こしている時は、独特の症状があります。
具体的な症状を紹介しますので、ご自身に当てはまるかチェックしてみてください。
・作業効率が低下し、集中できない、ミスが増えた
・歯垢力の低下を感じたり、考えるのが面倒になる
・記憶力が下がった気がする
・理解力や判断力の低下を感じる
・表現力やコミュニケーション力の低下を感じる
もし上記症状を強く感じるのであれば、脳疲労を起こしている可能性があります。
今回紹介した方法で、早めに疲労を取り除くようにしてください。
以上、脳疲労を回復させる方法と予防についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。