好評です!
ほぼ日のアプリあります。

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2018-08-15

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「ほぼ日」では、毎年、新しいTシャツのシリーズを
 考えて発売していた期間があります。
 かなり長く続けていたので、それぞれのシリーズを
 なつかしく思い出してくれる人もいるでしょう。
 これ、いま以上に少人数のチームで繰り返していたので、
 やがて行き詰まりを感じるようになりました。
 おりしも、ファッションの業界でも、
 Tシャツに力を入れなくなっていた時期でもありました。
 「いったんやめたらどうだろうと思う」と
 チームの代表がぼくのところに相談にきました。
 毎年、目先の変化に四苦八苦するというのは、
 あんまり精神的な健康にもよろしくないだろう、と。
 ぼくも、そのとおりだなぁとも思いました。
 「そこをなんとかするんだよ」とも言いたかったけれど、
 もっと意欲を持って取り組みたいことをやったほうが、
 「ほぼ日」全体のためにいいかもしれないと思いました。
 つまり、シリーズとしての「ほぼ日のTシャツ」は、
 いったんお休みしましょう、ということを判断しました。
 ここまでは、わりと「ほぼ日」らしい話ですが、
 ミーティングの終わりに、ぼくは、
 片づけごとをするように、こんなことを言いました。

 「それはそうとなんだけどさ、おれも、Hさんも、
 じぶんなりに今年もTシャツ買って着るじゃない?
 それって、なんなんだろうねぇ」

 ぼくは、この気持がとても好きです。
 もし、ぼくやあなたが絵描きだったとして、
 絵を描けなくなったりすることはあると思うんです。
 いちど絵筆をおいて別のことをしよう、
 というようなことも、もちろん選択肢のなかにあります。
 でも、いいなぁと思う絵が、どこかで描かれています。
 つくり手としてのじぶんが「出がらし」になっていても、
 受け手としてのじぶんは、死んでないんですよね。
 嫉妬まじりでか、羨望に震えてなのかわかりませんが、
 別の人の作品のことを「これ、いいなぁ」と、
 そう思えるこころは、とてもすばらしいものです。

 「ほぼ日」というチームの丈夫さって、
 「受け手として元気です」ということかもしれません。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
8月15日らしいことじゃなかったけど、書いてみました。


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