「......か、体が動かん」
「い、痛いよう...うぅぅぅ」
「な、なんでこんな事に」
「モモンガさん...あなたは」
かつてモモンガであった
周囲にはなにも無く、腐敗した大地や、砂漠、荒野が広がっており。
もはやなんの抵抗も出来なくなった四人の前で
「ちょ、モモンガさん待って」
「いやぁぁ、やめてよう」
「なんでこんな事すんだモモンガさん」
「あなたに一体なにがあったんですか?訳を言って下さい」
ペロロンチーノ
ぶくぶく茶釜
ウルベルト・アレイン・オードル
たっち・みー
ユグドラシル時代ではこの四人を相手にモモンガ一人ではどう転んでも今のように圧倒する事は出来ない。
お遊び重視と言われているアインズ・ウール・ゴウンでも数少ないガチビルド勢である四人を相手に死霊系に特化しロールプレイを重視した浪漫ビルドの
しかし
まず目の前の四人はユグドラシルを引退する時に、己の最強装備と予備装備、個人で持っている様々なアイテムの全てをモモンガに、あるいは宝物殿に譲っており。
逆に
ワールドアイテムの効果をワールドチャンピオンであるたっち・みーがスキルをタイミングよく使用することで防ぐことが可能といえど複数のワールドアイテムを相手に無装備で凌ぐのは不可能であった。
様々な状態異状に加え瀕死の四人が攻撃や逃げる等の行動を起こせるにはまだかなりの時間が必要と判断した
ユグドラシルのサービス終了の瞬間、ナザリックごとこの異世界に転移した事。
NPCが意思を持って自ら動き出した事。
アバター(
ただ一人残った自分が去っていったメンバー全員を背負う意味を込めて「アインズ・ウール・ゴウン」と名乗っていた事。
アインズ・ウール・ゴウンの名を広めギルドメンバーを探す為にこの世界を支配下に置いた事。
仲間を探す内に人間としての感情が無くなってきた事。
捜索を行っていた現地人が捜索自体に疑問を持っていると聞いた時に本人及び家族、住んでいた都市毎消し去った事。
その後も全て破壊、殺害、蹂躙し続け、ナザリックを維持する資金も無くなり崩壊した事。
そして、世界に生あるものは居なくなり朽ちた都市跡等にアンデットが徘徊するだけとなったと。
四人は絶句し、唯々
しばらくしてペロロンチーノが問いかける。
「モモンガさん、それじゃあなんで俺達を殺そうとするんですか?」
「そうだよ、モモンガさんは私達を待ってたんじゃないの?」
二人の悲鳴にも似た問いかけに残りの二人も同じ想いだと強い眼差しで
「理由か」
「それは」
「お前達が生きているからだ」
そう答えた
そして、四人は光に包まれ世界から消滅した。
新しく現れた命あるものが消え、世界は静寂に包まれた。
この何も無い、アンデットのみが存在する世界で。
意思を持つものも無い、何も生み出すことの無い世界で。
誰に認識される事もなく。
不老である
永遠に。