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フロントエンド

続:「お前らのフリーランスになるメリットは間違っている」というお話

前回までのおさらい

前回、「フリーランスは事業だ」って話をした。
「お前らのフリーランスになるメリットは間違っている」というお話

しかし、フリーランスやってて色々なエンジニア(フリーや1人親方の経営者も含めて)と会うが、
「事業」と意識した判断・動きをしていない人がとても多い。

フリーランスといいながら、脳みそが会社員。
経営者やってるといいながら、脳みそが会社員。

そんな人がITフリーランスにはとても多い。
(だからこそ、僕ほど稼げないわけだが。)
フリーランス1、2年の人やフリーランンスになってから現場を1、2現場しか経験してない人は99%これ。

最近TVの「さんま向上委員会」で芸人のカラテカ入江さんが、他の芸人(芸人は大抵フリーランス)に対して、「みんなコスパが悪い」って言ってたが、IT業界のフリーランスも同じだ。

会社員も立派な「事業」

まぁ、「会社員」も立派な「事業」だ。
「自分の1度しかない人生の時間」を「1日基本8時間の月160時間」という「人生の時間」を「会社に販売(提供)」することで、
対価として「給料」「福利厚生」「社会的な信用」をもらっている
れっきとした

「事業」

ってわけだ。

もう1度聞くけどあなたはなぜフリーランスになったの?

ちなみに

「俺は(私は)自由に働きたいだけなんだ!」
「単価がいいんだ」
「好きな時に起きて、好きな時に仕事がしたいんだ」

という人は今一度その考え方を振り返ってもらいたい。

「ホントに自由になってる? フリーになっても客とのしがらみがあるよ?」
「ホントに単価いいと思う?(ここらへんは前回話したやつ)」
「会社員でもリモートは増えているし、これからもっと増えるよ?その時のフリーランスをあえて選択する価値ってなに?」

まぁ、ここらへんはフリーランスになって1、2年の人はまだ感じてないと思う。

とりあえず目先の単価の良さに喜ぶだろう。
とりあえず会社のしがらみから逃れられたと錯覚していることに喜ぶだろう。
あなたが50歳になった時のことなんて全く想像できていずに実は目先の今の若さで成り立っているなどとうに知らずに喜んでいることだろう。

全部、私も体験したことだ。

当時フリーランスエンジニアの先輩が色々言っていたり行なっていた行動が当時は「こいつ何やってんだ?やばい奴だな」と思っていたが、今になってよくわかる。
彼は「事業」として動いていたんだ。ってことが。
自分らが「やばい奴」だったってことがね。

リク○○トの現場半端ないって!

僕はリク○○トの現場に何度か携わったが、正直言って超ヤバイ。半端ない。
いや、もうパネェ。
優秀なフリーランスのフロントエンドが入ってこないのだ。
優秀な人も稀にいるが、大抵はフリーランス1、2年目程度の人たちしかいない。(フリーランスとしてはひよっこで脳みそは会社員のままだ)
PMなどマネジメントがそもそもフリーランスが現場に入る判断基準が分かっていない。分かっていないから、現場内はフリーランスとして入るメリットが全くといっていいほどなく、要求スキルセットが多い割に実質単価は低く、やっている事やビジネスの判断基準がゴリゴリのフロントエンジニアからすると「つまらない」ものになっている。
だから、優秀なフロントエンジニアが寄り付かない。
(まぁ、そもそも偽装請負などなど横行している会社として有名だが。)

ほぼ外注(フリーランス)で成り立っている会社なので、フリーランス1、2年目でまだそういった仕組みを知らない人や会社員の脳みそなままのフリーランスを雇ってうまく扱うのに長けているのだ。

リク◯◯ト半端ないって!
めっちゃ平気で偽装請負するもん!
めっちゃ無知なフリーランスを実質低単価で働かせてるもん!
そんなんできひんやん普通!
そんなんできる?
言っといてや、出来るんやったら!

そんな現場での実例も踏まえて、フリーランスを「事業」として考えた場合、何が「間違っているか」を紹介しよう。

間違いその1:もらっているんじゃない。売っているんだ。

会社員だともらうお金を「給料」というが、
フリーランスでは「単価」なんて言い方をする。

しかし、フリーランスになっても「もらっている」感覚が抜けていない人が多い。

この感覚の違いでその後の色々な間違いが生まれてきてしまう。

間違いその2:あなたは何を販売しているの?

単価は人によって違うだろうが、80万だったとしよう。客出し単価が80万だ。
エージェントを1社通したとすれば大手エージェントだと2割抜かれるので、フリーランスエンジニアに入ってくるのは「64万程度」だ。(消費税はここでは考えない)

月の単価は64万

事業として考えた場合、月64万をいただくかわりに「それ相応」の商品を提供しなければいけない。
じゃないとぼったくりになってしまう。
エンジニアなら提供する商品といえば「技術」だろう。歯医者なんかと同じだ。

しかし、

じゃあ、技術って具体的に何を提供しているの?

ってことだ。

技術と一括りしてはいないか?

フロントエンドであれば、基本HTML・CSS・JavaScriptだろう。
ここで、大抵のフリーランスはどツボにハマる。

なぜなら、「フロントエンド技術」といっても様々だからだ。

jQueryできる程度のスキルなのか?
CSSの設計はできるのか?
reactやvueといったFWも扱えるのか?
コンポーネント設計まで出来るのか?
サーバーサイドも出来てサーバーサイドも考えた実装や設計が出来るのか?

もっと細かく言えば、
要件詰めまでエンジニアが入ってやらなければならないのか?
進行管理まで気にする必要があるのか?
というのも「提供価値」だ。
もっと言えば、残業出来るかどうかも提供価値だ。

もう1度聞く。何を提供してる?

だから、「フロントエンド技術を提供して64万もらう」にしても

jQueryできる程度のスキルを提供して64万なのか。
サーバーサイドも分かりFWも扱えるスキルを提供して64万なのか。

これは、全く異なってきてしまう。

フリーランスで64万のフロントエンドの案件は死ぬほどある。
なぜなら、相場からするとかなり安い単価だからだ。
求められるスキルも「jQueryできる程度のスキル」がほとんど。(もちろん、小さな会社などで求められるスキルレベルが高い割に単価が安い案件は覗く)

ちなみに実例の現場では、サーバー側がJavaを使っていてJSPの修正もフロントエンドが行い、vue.jsも多用し、CSS設計もがっつり行い、進行管理も気にし、要件詰めでも気にしてコミュニケーションコストもかけながら。契約は請負契約なのに現場に常駐させられる。
それで64万。

提供価値を相場ほどで割引くと実質単価は3〜40万程度で募集されている案件と同等ってところだ。

さらにやってる内容もフロントエンジニアが好きな「クリエイティブさ」が全くないとなれば、
そりゃあ、フリーランス何年もやってる優秀なフロントエンジニアが来ないわけだ。

提供価値(商品価値)に対して「販売価格」が存在する

同じ単価やそれ以下の単価なのに開発スピードが求めれたり、スキルセットやスキルレベルが要求されていたりする。

「その単価でもらっているんだから仕方ない?」

バカを言うな。だからお前は稼げないんだ。

『Yシャツをクリーニングする時だって、チラシをスピード納品してもらう時だって、郵便を速達で出すのだって通常より高いのが当たり前だ』

『スタバでホワイトモカシロップ追加するのだって、車にオプション装備つけるのだって、通常より高いのが当たり前だ』
(ちなみにスタバのクールライムにホワイトモカシロップ追加するとめちゃウマなのでオススメ)

それは、どの会社も

事業としてやっているからだ。価値が上がっている分、相応の金額を客に請求するわけだ。

それなのに開発スピードを早く、色々な技術スキルも求められ、雑務もさせられる。
そう、

「させられる」

という感覚でいるからおかしくなる。
もう、会社員の脳みそだ。

あなたは、それを提供している。
あなたは、それを販売している。
あなたは、金をもらっているんじゃない。
あなたは、金を請求している。

それなのに同じ価格や相場より安い価格で販売しているのだからそりゃあ稼げなくて当然だ。

同じ単価(表面単価)でも、提供している商品価値で実質的な単価(実質単価)は全く異なる。

実質単価を各企業は下げる事を考えている

物価が下がってると言われてるけど実質は上がってるのと同じ。
なぜなら、同じ金額でも内容量が少しずつ減ってるから。
実質的な物価上昇。

同じように実質単価を下げる工夫が各企業ではなされているわけだ。
昨今話題の「スクラム開発」とかもいい例。
(スクラム開発自体は好きだが、「事業」として考えると割に合わなすぎる)

ちなみにここらへんは大きな会社の上層部や手練れた経営者なら当たり前に分かっている話だ。(こういった経営者なら当然に判断するための知識は、うちのウェブカツ!!というサービスで嫌という程生徒には叩き込ませている)

客側は知らぬ存ぜぬの素知らぬ顔で「さも当たり前でしょ?」という雰囲気で要求をし、私たちフリーランスの実質単価を下げている。
(PM程度だと知らない人も多いけど)

ちなみに私は現場では実質単価相応の働きしかしないが、そういった考え方を知らないひよっこフリーランスやPMから見ると「もっとちゃんとやって欲しい」と思われてるハズだ。
そう言われたとして、会社員の脳みそであれば「そうだよな。ちゃんとやらないと」となるが、事業として考えれば「バカを言え」という事だ。

「事業」としてちゃんとやらねばならない。

もちろん、あなたが「サービスの一貫として無料で提供したい」と思っているのなら止めはしない。
24時間空いているファミレスのように規定時間外の作業(会社員の言葉で言うなら残業)ができる事をサービスとして付加価値にするもよしだ。(って、大抵は価格にわからないよう上乗せされて含まれてるし、ファミレスなら深夜料金がある。)

しかし、

フリーランス一人一人が事業としての価値を把握して守っていかねば、価値ある商品の無料ばら撒きが増え、低価格化競争になり、それは回り回ってあなたに跳ね返ってくる。そして、最終的にはフリーランスになる人はほとんどいなくなるだろう。

つづく

間違いその3:人件費や交通費は費用だよ?

間違いその4:なんで1つの現場にいるの?

間違いその5:なんで何年もいるの?

間違いその6:なんで見積もり工数を周りと同じにしてるの?

間違いその7:1人日かかるものは、必要工数1人日じゃないよ?

間違いその8:仕様変更?それって金取ってる?

間違いその9:勤怠の連絡?いや、違うでしょ