【格闘技】村田、ベルトよりビッグマッチ 指名試合を拒否2018年8月15日 紙面から ボクシングのWBAミドル級王者の村田諒太(32)が所属する帝拳ジムの本田明彦会長(70)は14日、WBAが村田と同級2位ロブ・ブラント(27)=米国=との指名試合興行権入札を行い、ブラント側が約20万ドル(約2200万円)で落札したことに関して、ブラントと試合するつもりはないとの方針を明確にした。 ビッグマッチのためなら王座にこだわらない姿勢だ。入札はパナマで13日(日本時間14日)に行われ、帝拳は入札しなかった。10月20日に米ネバダ州ラスベガスで別の相手とV2戦を行い、そのあと来年にも、9月15日に行われる同級2団体統一王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と元2階級王者のサウル・アルバレス(メキシコ)の勝者と対戦するシナリオが内定しているからだ。WBAの指示を無視すれば王座剥奪の可能性もあるがリスクはいとわない方針だ。 本田会長は「前の試合後から、次はブラントと言われていたならまだしも、この話はここ1カ月で急に出てきた。とても応じられない。ゴロフキン、アルバレスのプロモーターからも、WBAの事情がどうなっても次は村田と言ってもらっている。こちらからベルトを返上するつもりはないが剥奪されてもかまわない」と説明した。 WBAからファイトマネー配分を通常の王者側7で挑戦者側3ではなく5対5とされたことや、昨年10月にスーパーミドル級で判定負けしたブラントが物足りない相手なのも理由という。ゴロフキン-アルバレス戦は今年最大のメガマッチ。その勝者との対戦はボクシング界の地図を塗り替えるチャンス。そのためなら、日本人史上2人目のミドル級ベルトも惜しくない。村田はさらなる高みを見すえている。 (藤本敏和)
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