【石破茂氏総裁選出馬表明会見詳報】(8完)「なんでこんなこと書かれるんだろう、って悲しいことはいっぱいある」

8月10日(金)23時28分 産経新聞

自民党総裁選への出馬会見を終え退室する石破茂氏=10日午後、国会内(春名中撮影)

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 自民党の石破茂元幹事長が10日、国会内で記者会見を行い、9月の党総裁選への出馬を正式に表明した。記者会見の詳報は次の通り。

 −−政治や行政の信頼回復に向け、テレビで「首相夫人の位置づけがあやふやだ」と

 「総理大臣が信頼できるという方がどれだけ多いかということには、常に真剣に配慮する必要があると思っております。ですから、『公人なのか私人なのかということはどっちだかよく分からないね』というようなことではあってはなりません。プライベートな部分を尊重すべきは当然であります。プライバシーに対する過度な侵害があってはならない。総理のご婦人であれ誰であれ一緒のことだと思っております」

 「他方、国民の税金を使っていろいろな対応がなされるのは純然たる私人とはいえないという部分があろうかと思います。そこにおいて基本的人権たるプライバシーのようなものは、守っていかねばなりません。それ以外は国民の税金をサポートしている以上、基本的に、公の色彩を帯びるところが大きいと私は考えているところでございます」

 −−日中関係について

 「私は長く政権から離れておりますので、実際いまの政府の中で外交問題がどれだけ議論されているか、承知する立場にはございません。しかし政府のなかで(安倍晋三)総理や、あるいは河野(太郎)外務大臣を中心として防衛省も加えた安全保障の観点から、あるいはいま茂木(経済再生担当)大臣が米国といろんな交渉をしておられますが、あらゆる角度から外交を真剣に話し合われていると推察をしている」

 「中国は隣国であり、そして日本国と多くの国益を共有する。私は中国が安定的に発展していくことは、日本国の国益であり、国際社会にとっての重要な利益であると考えております。そこにおいて、過度な拡張主義に走る、あるいは法の支配というものを逸脱したりということがないようにしていく。それは中華人民共和国においていかにして経済が安定的に発展するかとともに、国内において地域間、世代間やあるいは職業間の格差というものが広がらないこと。そしてひとりひとりが幸せを実感できるということが大事だと思っております」

 「私はいろんな大臣のときに中国を訪問しました。そこにおいて、中国がどのような困難に逢着し、それをどうやってともに解決をするかという思いでやってまいったつもりでございます。そこにおいて日本の国益は国益としてきちんと主張しつつも、中国がこれから迎える人口減少にどう対応するか。あるいは水が足りない、エネルギーが足りない、食糧はますます厳しい状況になることに対して日本を含めた国際社会がどのように対応できるかということは、必要なことだと考えております」

 「要は、いかにして相手を理解するかということであって、安全保障でもそうでした。私は(防衛庁)長官のときに、人民解放軍の陸海空の青年将校が参りました。私は自衛隊に対し、機密以外はすべてみてもらうように命を下しました。それを見た上で、日本が中国が侵略しようとしているか判断してくれと申し上げました。そういうような相互理解、認識の共有、国益を踏まえた上でのそういう信頼関係の構築は、日中間に限らず必要なことだと承知をしております」

 −−首相への取材機会が減っている

 「私は民主主義社会のために、たとえ自分が気に入らないことであっても不都合なことであっても、取材に対しては極力応じるべきだという考え方を今までとってまいりました。従って、そういう思いのもとにこれからメディアとの対応はしてまいりたいと思っております。『なんでこんなこと書かれるんだろう』って悲しいことや悔しいことはいっぱいあります。『なんで分かってもらえないんだろう』ということはあります。しかし、だからといって、メディアを選別したり制限したりすることはあってはならないと思っております。それはものすごい負担でもあるでしょう。ですけれども、それが政治の使命だと自らにそれを納得せしむることは肝要だと思っておりますので、仮にそうなりましたら、ぜひよろしくお願いいたしたいと思う次第です」

 −−石破氏が総裁になったら、自民党がまとめた改憲4項目をどう扱うのか

 「ちゃんとした議論が必要だと思います。私もあの(党内議論の)場にいました。9条に限らずいろんな問題点を提起しましたが、お答えはありませんでした。それを議論というとは私は思っておりません。この4項目に限るものではなくて、『前文に基本的人権の尊重って入っていないよね。それを入れなきゃ』っていうのが改正草案です。あるいは、陛下のご公務についてどう書くか。そういうことに対して意見を述べ、その任にある方がきちんと答えないと議論が煮詰まってまいりません。そういうな丁寧な過程が必要だと思っております。4項目の中には時限性のあるものがあるということは、先ほど申し上げた通りです。以上です」

=終わり

産経新聞

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