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NASAの太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブが太陽に「触る」旅に出発

数々の太陽の謎が解明されることが期待されます。

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[Engadget US版より(原文へ)]

太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブは、何度かの延期の後、ようやく旅立ちました。NASAは、この探査機を搭載したULAデルタIVヘビー・ロケットを、米東部時間の8月12日午前3時31分に打ち上げ、午前5時33分には、正常な飛行を続けていることを確認しました。しかし、科学調査の仕事が始まるのは、まだ少し先のことです。最初の1週間は、宇宙空間で高利得アンテナ、電界型アンテナの最初の部分、そして磁気探知機の展開を行い、9月の初めごろには、およそ4週間をかけて機材の試運転を行い、確実に科学的データを収集できるかを確認します。

太陽までは、長い旅になります。10月初頭から、プローブは金星の近くを7回通過し、金星の重力を利用して、さらに太陽に近づくための加速を行います。太陽に初めて接近するのが11月の初頭です。そのときは、太陽から1500万マイル(約2400万キロメートル)にまで近づきます。そこは太陽のコロナの内側、つまり太陽の大気圏内です。いちばん近づくのは、太陽から380万マイル(約608万キロメートル)になる予定です。そのときのプローブの速度は、時速43万マイル(約68万8000キロメートル)に達し、人類が作った物のなかで、もっとも速い物体となります。最初の観測データが送られて来る時期は、12月の予定です。

どう控えめに言っても、これは危険なミッションです。パーカー・ソーラー・プローブは、指向性の熱シールドに完全に依存して、熱に耐えることになっています。それほど危険ではないだろうとお考えかも知れません。コロナの温度は摂氏数十万度で、とてもまばらです。しかし、ほんの短い時間シールドが故障しただけでも、機器が高熱にさらされ、あっという間に燃え尽きてしまいます。お察しのとおり、プローブをうまく運用するために、NASAは自動制御に頼っています。

しかしこの賭けに勝てば、このミッションは、これまで謎だった太陽活動に関する情報をもたらします。それは、コロナの極度な高温、太陽風や、光の半分以上の速度で太陽から発射されるエネルギー粒子の原動力の秘密解明に役立つはずです。こうした発見は、人工衛星や地上の送電線網に被害をもたらす太陽フレアを、各宇宙機関が予測したり予防対策を施すといった、具体的な目的に役立てられることになるでしょう。



編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
原文著者:Jon Fingas



 
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