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26歳日本籍の在日コリアン3世が「あの女性差別」から考えたこと

いま生きづらさを抱えている人へ

在日の人から話を聞くと…

私は26歳の日本籍の在日コリアン3世だ。

在日として生活しているなかで見えてくるものをテーマにしてブログを書いている。

最近、ブログのネタを探すために私の親や祖父母と同じぐらいの在日の人たちから話を聞く機会が増えてきた。

彼らが語る在日話はとても面白い。在日をテーマにした小説や映画はたくさんあるものの、実際に聞いてみるとフィクションとして語られる話よりもやんちゃな「武勇伝」が多い。

魅力的なのは、そんな話をしているときのおっちゃん(敬意をこめて私はこう呼んでいる)たちのキラキラした表情と「お兄ちゃん、ワシみたくなったらあかんよー」で終わる自虐的なオチである。

そんな彼らの話を聞いていると共通してある話をしていることに気づく。

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「私のおふくろは苦労しましたよ。君は若いから知らないかもしれないけれど、当時、女の人が勉強することなんかとんでもないと言われた時代に生まれたおふくろは文字が読めなかった。

いろいろなことがあって日本に来て、各地を転々としていたんだけど、親父と結婚をした。やっと落ち着いたと思ったら、親父が働かず酒ばっかり飲んでいるような人でね(苦笑)

それだからおふくろは私たち兄弟の世話をしながら、今の言葉で言うと肉体労働をしたり、夜は親戚の焼肉屋で働かせてもらってね。親父がおふくろの稼いだ金を持っていかなければマンションひとつ立ったんじゃないかな(笑)」

 

彼らは母親の話をちょっと涙ぐみながら誇らしげに語る。その理由は私も理解できないわけではない。

私の父方の祖母もそんな生き方だったし、小さいころからそうした苦労話を周りの大人たちから聞かされて育った。そうすると私は私のパートナーに祖母と同じような苦労をさせたくないと思うようになっていった。

Facebookを覗いていると高校や大学の同期たちが次々と結婚したと知らせる投稿が目に入ってくる。

こうした書き込みを見ていると「ああ、もう私はこんな年齢になったんだなぁ」と思うのと同時に「ちゃんとパートナーに苦労を掛けないくらいにまで稼げるようになったんだ。凄いなぁ」と劣等感に似た微妙な気持ちなってくる。