Flower Trip

旅ブログ

映画「バクマン。」恋と漫画に賭ける青い情熱

映画「バクマン。」恋と漫画に賭ける青い情熱

泣いてしまった。

俺は昔、漫画家になりたかった。

中学2年の時漫画を描く方法を知って、Gペンやケント紙を買い毎日漫画を描きまくるようになった。毎月4コマ漫画を小学館に投稿して一度だけ掲載された時は死ぬほど嬉しかった。読み切りを何本か買いて新人賞にいくつか投稿した。もちろんかすりもしなかったけど。高校2年生ぐらいまでは、それこそ毎日漫画を描き続けた。学校から帰ってきて宿題を終わらせたら明け方の4時ごろまで漫画を読むか漫画を描くかしていた。睡眠時間数時間で学校に行っていた。毎日だ。

高校2年の進路相談でも「漫画家になる」と担任の先生に言っていた。親も反対はしなかった。そのために高校を出たら東京で働くようになった。

でも俺が右手に持つGペンはいつしかギターに変わってしまった。いつまにか漫画はあまり描かなくなってしまった。そのかわりに曲を書くようになった。

何故だかミュージシャンはプロになれる気がしなかった。目に見えて上手い人は上手いしかっこいいし、俺にはできそうにないと思った。趣味で一生懸命やるぐらいがいいんだと悟っていた。

その後、色々あって俺は絵を描いたりデザインをしたりして食べて行けるようになった。アホみたいに漫画を描き続けたことはひとつも無駄にならなかった。

俺が漫画から離れてしまった理由の一つに「ストーリーを作ることの難しさ」がある。絵を上手に書くことは出来た。でも面白い話を作るとなると相当に難しかった。映画もたくさん観たけど、世界レベルのものはやっぱり面白くて、自分にそんなものが作れるのかと自分の才能の無さを悟った。イラストだけに絞って仕事にしたのは良かったと思う。

漫画家になりたい」なんて、漫画が好きな人なら一度くらいは思ったことがあるかもしれない。実際「一緒に漫画を描こう」と家に遊びにきてくれた友達は何人かいた。だけど漫画を熱中して描く俺の姿を見て怖気付く奴がほとんどだった。まさに取り憑かれたように黙々と描くのだから。アート関係でいうとイラスト展を数回やったのが俺の活動のピークかもしれない。音楽活動では、ライブ出演するとお金をもらえるようになって、アルバムも自主制作して数ヶ月でそれを全部売り切ったのがピークだと思う。

映画「バクマン。

バクマン。

DEATH NOTE』の原作者・大場つぐみ小畑健による大人気コミックを、「モテキ」の大根仁監督が実写映画化。

大好きな組み合わせ!!前から観ようと思っていたのが今になってしまった。

 

カリカカリカリとGペンの先を走らせる臨場感のある描写に興奮してしまう俺は変態だろう。Gペンとケント紙とインクにまみれた日々が蘇ってくる。

教室でずっと絵を描き続ける主人公・真城最高佐藤健)、同じクラスの秀才・高木秋人神木隆之介)。そこに声優志望のヒロイン・亜豆美保小松菜奈)が登場してここ「ウォォォォーーーー!!!」っとひと盛り上がりある。観てるこっちも思わずガッツポーズをしてしまう。

ジャンプの担当編集者に山田孝之、編集長にリリー・フランキー、漫画家のおじさんに宮藤官九郎、俺の好きな役者さんばかりが脇を固めている。

いくつもの壁や強敵が現れてストーリーを盛り上げていく。

 

映画の中には漫画を描くことがいかに難しいかが見事に詰め込まれている。でも短い時間の中で漫画の描き方を端的に明確に表現していて見事だった。

そうだ、やっぱり漫画家になることは甘くない。なんでもそうだ、プロになって上を目指そうと思えば思うほど難しい。自分でいい作品ができたと思っていても、目の肥えた人からは厳しいアドバイスで打ちのめされる。根拠のない自信は必要だけど、うぬぼれは成長を止めてしまう!ひたむきに上に行こうとする者のみが星に手が届くようになる。

 

漫画は読者に読んでもらって、はじめて漫画なんだよ

 

この言葉が胸に響いた。

 

続けざまにもう一回観てる!

デスノートも繰り返し何度も観たくなったけど、バクマン。も同じだ。