人工知能を導入しようと思ったときに読むべき本

第三次人工知能ブームが到来し、官民問わず様々な組織が人工知能の導入を検討している。しかし、いざ導入しようとしても何から始めてよいのか、そもそも人工知能は何が出来るのかなどなど前提となる予備知識が不足している人も少ないあろう。

そこで、そのような方向けにお勧めの書籍を紹介する。

 

以下にような方々を対象としている。

①非エンジニアの方

人工知能の導入を検討しているので前提知識を身に着けたい

人工知能に何が出来て何が出来ないかをざっくりと整理したい

④専門用語を使わず平易な文書で書かれている本を探している

等など

 

クラウドからAIへ(小林雅一著)

 AIの進化の歴史が端的にまとめられている良書。従来のルールベースのAIでは数々の限界の生じ一時期終息したブームが因果関係を無視し統計的推論を用いた新たな手法により息を吹き返したなど、AIがたどってきた歴史がわかりやすく整理されている。

 

②誤解だらけの人工知能田中潤松本健太郎著)

AIに関して流布している様々な誤解を紐解き丁寧に解説がされている。

AIの今後の進化予測についても、年代別に丁寧にまとめられている。

これ一冊読めば、人工知能の導入にあたって必要最低限の知識は習得できる。

 

 

人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの(松尾豊著)

 人工知能第一人者である松尾先生の著書であり、人工知能関連の書籍で最も売れている本。内容は人工知能の歴史やその仕組み、人工知能の今後についてなど非常にオーソドックス。人工知能の原理・仕組みについても一通り丁寧な説明がなされている。手元に必ず置いておきたい一冊。

 

おそらく以上3冊を読めば前提知識としては十分である。むしろ、世の中のAI関連本は嘘が公然と語られているものや、誇張表現だらけのものがありふれており、AI関連本は書店に行けばたくさん目にするが、本当に読むべき価値のあるものは非常に数少ないので注意していただきたい。

 

 

番外:逆に(売れているが)全くおすすめしないもの

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

 

とにかく事実誤認や、一部の情情報を隠して読者をミスリードする記述が目立つ。

嘘を見抜く訓練には有益であるが、それ以外の用途はないのではないだろうか。

少なくとも前提知識のない人が、一冊目に読んでは全体にダメな本。