Youは何のサービス?AWSの面白サービス名と認定試験の話
歌舞伎座テストセンターはテストセンターのある階の屋上庭園がオススメ。
▲今の季節は流石に暑いけど。都会の真っ只中でお庭を拝めるのは、中々に心が安らぐものでした。
こんにちは。お盆期間の電車は至高と思ってしまったAWS事業本部のしろたです。オフピークを渡り歩いて快適な生活を送りたいものです。 そんなお盆期間真っ只中ですが、私は本日AWSの資格試験を受けてきました。 そして試験終了後に撮ってきたのが上記の写真になります。
所感ですが、歌舞伎座テストセンターは環境がとても整備されていて良かったです! 具体的には、
- 東京メトロ日比谷線・都営浅草線の東銀座駅直結。雨の日は濡れずに行く事が可能
- 入ってすぐのフロアにセブンイレブンやタリーズがあるので、朝でも軽食を済ませて試験に臨める
- テストセンターでは防音イヤーマフ、ブランケットの貸し出しをしてくれる
- PCのモニターもそれなりの大きさ、机も十分な広さでストレス無く試験を受けられる
- テストセンターの目の前の壁にめっちゃ可愛いキャラクターがいる
と言った感じで、快適かつ心にほっこり感を抱いて試験を受ける事が出来ました。 そして、無事合格致しました。え、何の試験を受けてきたかって?
AWS認定クラウドプラクティショナーを取ったよ
と言う訳で、見出しにしました。この認定の詳しい内容は、AWS公式のページを見て下さい。 クラウドプラクティショナーの、AWS認定内での立ち位置は下記の感じです。
先にあったアソシエイト系の資格への入門レベルとして新設された資格です。 入門なので簡単……かと言うと、一概にもそうとは言えないと思いました。 何故なら、AWSは常にアップデートを続けている為、情報量が半端なくあります。サービスの種類も然り。 入門ならでは、の「浅く・広く」が広いです。 AWS公式の資格のページには、試験準備の為の参考資料が提示してありますが、量が多い。 充実のトレーニング数。情報ぎっしりなホワイトペーパー。 普段、ピンポイントに知りたい事を探して使う時とは訳が違うなと感じました。 資格試験勉強の時間は特に有限です。(申し込みさえしなければ無限にはなりますが) 「逆算して勉強計画を立てる」事がとても大事になります。 ここで、私がクラウドプラクティショナー試験勉強で特に意識した事をお話します。
掘り下げる度合いを決める
前述通り、AWSに関する情報はひたすら広く、ひたすら深いです。日々情報もアップデートされていくので変化がかなり激しいように思えます。 なので、はじめにどの辺りまでの情報を握っておくべきかを自分の中で固めてから資料に臨みましょう。 個人的に、情報の範囲を決めるのに大変有り難かったのは、AWSの各サービスのトップページです。 例えば、EC2ならこういったページですね。 基本、「何に使うサービスなの?」「どういう所が強みなの?」と言った内容はこのページに収められています。 AWSで実現したい事がある人がはじめに辿り着く、まさに入り口となるトップページこそがこれです。 試験では、「こういう事がしたい時は何を使うか」「これを使うとどう良い事があるのか」と言った事を聞かれます。 そう、まんまトップページに書かれている事を聞いてきているように思えませんか? クラウドプラクティショナーが受験者に求めている知識はまさにそこなのです。 後は、そこに書かれている内容が理解しきれなければ、その為に必要な知識を補う。 それを繰り返す事で、試験に必要な知識を吸収する事が出来るでしょう。
そうは言っても量が多い
これでも量は多いと思います。だってサービスめっちゃあるもの。 ざっと全てのサービスの概要を把握しておこうと、以下のエントリを読んだのですがうーんめっちゃある。 スッキリ簡潔に纏めたものでもこんな量になるんです。
そこで、次は勉強のスピードを上げる為に、資料を読み込む手間を少しでも省けるように工夫していきます。
サービス名が直球でないサービスの記憶定着に重きを置いてみる
これはどういう事かと言いますと、S3(Simple Storage Service)やEC2(Elastic Compute Cloud)と言ったように、サービス名からサービスの概要が分かる事が多々あります。 こう言ったサービスは、さっとサービスについてをさらっておけば、試験本番でも名前を思い出したり、名前からサービスの内容を思い出したりが容易に出来ます。名前による知識の紐付けが簡単かつ強いのです。 逆に、サービス名から知識を引っ張り出すのに労力を有するサービスも存在します。ただ、これも物に依ってはいくつかの知識を繋ぎ合わせれば芋づる式に知識が引っ張り出せるものもあります。 これが、今回お話したかったもう一つのテーマです。 今回私が試験勉強に向き合うに当たって重視したのは、「普段あまり触れていないサービス」かつ「名前からサービス内容がパッと想像出来ないサービス」を中心に勉強する事でした。 AWSに関する経験値がまだまだ少なく、試験までの日数もあまり無い状況を作り出してしまった(余裕を持って1週間後に試験を申し込んだ筈が、色々あって勉強する時間がその半分以下になってしまっていた)私が、勉強の際に調べたそれらサービスについて、名前の単語自体の意味や(分かる場合には)その単語が指し示しているものについて纏めておきます。 サービスの詳細にはあまり触れず、概要が紐付けられそうなものは、結び付ける事を目標にしてみました。
ユニークなサービス名一覧
AWS Lambda
ラムダ、はギリシア文字の1つです。AWS Lambdaのアイコンは、小文字のラムダを用いています。 Lambdaでは、実行するコードの事をラムダ関数と呼ぶのですが、ラムダと関数と言えば無名関数の表記法の一つである「ラムダ式」とか関係あるのでしょうか。これはちょっと調べても確固たるソースを見つけられませんでした。 余談ですが、ラムダって言うと宇宙物理学では大文字のラムダとかが割と縁が深いものです。
AWS Elastic Beanstalk
「Beanstalk」は「豆の木」と言う意味です。また、豆の木は豆の木でも、「ジャックと豆の木」でジャックが手に入れた、一晩で大木のように成長する豆の木の事を指す事もあるそうです。今回は多分後者のBeanstalkなのでは無いでしょうか。 様々なAWSのサービスをプロビジョニングしつつアプリケーションを統合管理できる、まさにジャックが豆の木を登って空の上に辿り着いたように何にでも手が届くような便利なサービス……と言う事なのでしょうか。大きな豆の木=便利みたいな発想がどうも無いので、ちょっとこれもピンと来る回答は見つかりませんでした。
Amazon Glacier
「Glacier」は「氷河」と言う意味です。アップロードされてから長時間が経過し、アクセス頻度が低下したデータの事を「コールドデータ」と言い、このようなデータに最適なストレージとして作られたのがこのGlacierです。 これは、Glacierの意味が分かると内容が引っ張りだせるので中々親切なサービス名だな、と思いました。
Amazon DynamoDB
「Dynamo」は整流子を使って直流を生成する整流子発電機(整流子?と思う方もいると思いますが、よく高校入試の理科で整流子(ブラシ)の問題をやった事があるのではないでしょうか。あれです) を指しています。 運動エネルギーを電気エネルギーに変える、そのエネルギーを想起させる感じからスピードのあるDynamoDBを表現……ちょっとこれはこじつけ過ぎですね。これもピンと来る回答や自分の中でしっくり来る回答が見つからなかった一つです。
Amazon Redshift
赤方偏移が何だって? 「Redshift」は「赤方偏移」と言う意味です。俗に言う光のドップラー効果ですね。遠ざかる天体に依る、波長の伸びた光が赤く見える現象の事を指しています。その逆、青方偏移と言うのも存在します。宇宙物理学ではよく見る名前です。なので私に取ってはとても馴染みのある単語なのですが、まさかAWSについて調べていて聞く事になるとは思わなかったです。 どうやら、これは「オンプレミスからクラウドへ」急速に移行が進んでいく、そんな理想を願ってこのような命名が成されたそうです。Beanstalkといい、AWS側の望みや願いと言ったものが篭ったものが多いのかもしれません。
AWS Snowball
読んで字のごとく「雪玉」です。Glacierとか、氷や雪系の名前のサービスが多い事から来ているのかもしれないですね。雪玉が転がるようにデータを移行する、とかそんな意味合いがあったりするのではないかと考えました。雪玉は雪の上を転がっていくと大きくなるし、大きなデータ移行を行うSnowballには似合うのではないでしょうか。段々雑になって来ているのは気のせいです。赤方偏移の話が今回したかっただけのような気がするのは気のせいです。
Amazon Route 53
アメリカの国道は「Route」と呼ばれます。こちらは道路ではないですが、DNSサーバが53番ポートを使用している事からこの名前が付けられているそうです。
AWS Cloud9
「Cloud9」は「意気揚々」を意味する単語だそうです。アメリカでは、雲の分類が9つあり、その中で最上に浮いている雲の事を「cloud nine」と呼ぶそうで、その高いところで浮かび上がっている感じが意気揚々に繋がったのでしょう。 ううん、これも例の「こうなって欲しい」願望系の名前の気がします。
AWS X-Ray
「X-Ray」は「X線」の事です。アプリケーションが処理するリクエストに関するデータを収集し、分析する事ができます。これは「分析」から来ているのではないかと思います。 因みに、AWS X-Rayはクラウドプラクティショナーの選択肢としてよく見ます。
Amazon Kinesis
「Kinesis」は「生物の動き」、ひいては「細胞分裂」などの意味を持つ単語です。 大量のストリーミングデータをリアルタイムに収集、処理、分析する様が細胞分裂を想起させるとかそう言った雰囲気でしょうか。これも少しピンとは来ませんでした。
Amazon Polly
「Polly」は女性の人名に使われる言葉です。Amazon Pollyは文章読み上げサービスなのですが、Polly自体は男声も女声もサポートしています。
Amazon Athena
「Athena」は「ギリシャの女神」の名前です。アテナ自身は、知恵・芸術・学芸・戦争などの女神であるそうですがこの場合は知恵や学芸に関しての願望系のサービス名なのでしょうか。
AWS Glue
「のり」です。「海苔」でない方の「のり」です。データストア間の移動の為にデータの分類、消去、強化、移動をやってくれるフルマネージドな所がのり付けされているような感じがするのでしょうか。これはかなりピンと来ない名称でした。
Amazon Cognito
「Cognite」は、「Incognito」と言う「変数の」や「匿名の」と言った言葉の逆を示す造語だそうです。 以下の記事に、とても分かり易く由来と共に解説がありました。
図解!よく分かる Amazon Cognito 入門 #アドカレ2015
Amazon Sumerian
シュメール人!? メソポタミア文化のシュメール人ですよね。日本人のルーツだという説もありますが、実際どうなのでしょうか。 VR技術も凄いし、当時のシュメール人の文化も凄かったのでしょうけど、ううん。
怒涛のラインナップを見てきて
思ったよりサービスの中身と直結しているようには見えないサービス名も多いんだな、と今回調べてみて思いました。 逆に言えば、それらはサービス名から引っ張らずにこういう事が出来るサービスだ、と覚えてしまえばいい訳です。 そうです。そもそも、今回これらを調べたのは「普段使わなくてイメージが湧きにくいサービスについて内容を把握する為」でした。 この通り、名前からサービスの内容が分かりづらいサービスを含め、AWSにはとてつもなく多くのサービスが存在しています。 これら全てを事細かに網羅する事は、クラウドプラクティショナーを取得する過程では時間を浪費し過ぎる事になってしまいます。 限りある時間の中で必要なところを掘り下げ、後はできるだけ多くのサービスをさらって、分からない問題に出会ったとしても知識の総合で消去法に持ち込めるように準備をしておきましょう。
また、是非「このサービスの名前の由来はこれ」など、知っている方がいたら教えて頂けると嬉しいです!