「クラフトビール」がいま“アツイ”!クラフトビールを味わえるビアバーやクラフトビールにフォーカスしたビアガーデンなどが続々とオープンし、人気を集めている。しかし、みんな「クラフトビール」の種類や味わいをきちんと理解している?
そこで今回は、「よなよなエール」などを製造する、ヤッホーブルーイングにクラフトビールを学ぶ。日本で飲まれているビールがほぼ1種類の時代からクラフトビールに着目し、現在長野県から全国へ約15種類を発信する“クラフトビールのスペシャリスト”が教える、初心者でもわかる種類の違い、おすすめのビール、東京都内のビアバーを紹介する。
「クラフトビール」とは小規模な醸造所がつくる個性的なビールのこと。技術、工芸、職人技などを意味する“クラフト(craft)”になぞらえて「クラフトビール」と呼ばれている。
日本に広まったのは1994年以降。酒税法改正により小規模なビール醸造所が全国で設立され、これまでにない多様性と個性を持ったビールが広まった。
ヤッホーブルーイングが誕生したのは、酒税法が改正されてまもなくの1996年。その頃、日本ではたった1種類のビールしか知られていなかったため、“ビール=のどこし、苦味、爽快感のある渇きを潤すもの”と認識されていた。
しかし、世界には100種類以上のビールが存在。フルーティーで苦味の少ないもの、強烈な苦味を持つパンチの効いたもの、アルコール度数が10%を超えるものなど、多種多様だ。「クラフトビール」はこういった個性を活かし造られたドリンク。そのため、同じ醸造所で造られる製品でも、一つひとつ味わいが異なる。
ビールとは麦芽、ホップ、水、酵母の4種類を原料とした醸造酒。使用する酵母と発酵方法の違いによって「ラガー」と「エール」大きく2つのスタイルに分けることができる。
日本で流通しているほとんどのビールは「ラガー」。スッキリとした飲み心地が特徴で、ゴクゴク飲めてしまう爽快な味わいがポイントだ。ラガー酵母と呼ばれる、発酵時に下面に沈む「下面発酵酵母」を使用し、約5度の低温で発酵させている。
一方、「エール」はフルーティーで豊かな香りと深みのある味わいが特徴。色や香り、味わいをゆったり楽しむビールだ。「ラガー」とは異なり、発酵時に上面に浮かぶ「上面発酵酵母」を使って約20℃で発酵させる。
どんなビールも、基本は麦芽、ホップ、水、酵母を原料としている。しかし、使用する麦芽やホップをチェンジしたり、醸造工程に変化をつけることで、異なる味わいが生まれるため、世界には100種類以上のビールが存在しているのだ。