アルクの英語教材『1000時間ヒアリングマラソン』をはじめて、気が付けばもう1年!
受講期間を無事、走り続けることができたので、実感した効果や、よかった点・残念だった点について、教材のくわしい内容とともに、正直な感想をまとめてみる。
※あくまで個人的な感想です。
※ヒアリングマラソンには、期間や内容の異なるコース(『ヒアリングマラソン6カ月コース』、『
ヒアリングマラソン ビジネス』、『
ヒアリングマラソン 中級コース』等)がありますが、私が受講したのは『
1000時間ヒアリングマラソン』という1年間のコースです。
もくじ
- ヒアリングマラソンの誤解あるある
- 絶対に1000時間必要なのか?
- 教材の内容と強化スキル
- スピーキング魂
- 英語スケッチング
- ヒアリングマラソン1年の効果
- 残念だった点
- ヒアリングマラソンという教材を使う意義
- 用途の向き・不向き
- ゴールとこれから
- ヒアリングマラソン公式サイト
ヒアリングマラソンの誤解あるある
まずはじめに、ヒアリングマラソンって、すごく有名な割にその中身は案外知られておらず、誤解されているフシもあるように思う。
先日、取引先の部長さんと雑談中に英語学習の話題になったので、「今、ヒアリングマラソンやってるんですよ」と言ったら、その部長さん(関西出身)のリアクションは、次のようなものだった。
「ああ、ヒヤリングマラソン! 1000時間、聞き流すだけっちゅうやつやろ?」
あの、部長さん、それはちょっと、というか、全面的に違います。。
ただ、彼の発言には、よくある誤解が集約されているように思われる。
このような誤解が生じる要因として、
- 通信教材の宿命として、実際に受講した人しかリアルな中身はわからない
- 『有名な英語教材』つながりで、方向性が真逆の他教材と混同してしまう
- 『1000時間』のインパクトが強く、けれどもその意味するところは謎につつまれている
といったことがあるのではないかと思う。
実を言うと、私自身も受講する直前まで『1000時間』というのが具体的にどういうことなのか、よく理解していなかった。
簡単に言うと、1000時間というのは目標値・コンセプトのようなもの。
「英語を英語のまま理解できるようになる」目安がおよそ1000時間なので、その段階を目指してがんばりましょう!ということ。
そして、1000時間ヒアリングマラソンには、それを効率的に達成するための多種多様なトレーニングが用意されており(後述)、決して1000時間ずっと聞き流すだけではないのだった。
絶対に1000時間必要なのか?
上述のとおり、『1000時間』は目標値・コンセプトなので、たくさん勉強するに越したことはないけれど、必ずしも1000時間を費やさなければ学習プログラムとして成立しない、というわけではない。
(※この1000時間には、ヒアリングマラソン教材の他、英語のニュースや英語講座番組の視聴、文法書での調べもの、等々、英語学習全般の時間を含む。)
さらに、自分の状況に合わせて、多忙な時期はペースを落とすとか、メリハリをつけて学習することも可能。
<1000時間ヒアリングマラソン マンスリーテキストより>
私のこの1年間の英語学習時間は、計819時間32分だった。
最終月は12日現在の数字なので、もう少し増えるはずだけど、1000時間には及ばず。。
【月別集計グラフ】
周期的にずいぶんムラがあるのは、仕事その他で時間の確保が難しかったもの。
個人的実感としては、1000時間に満たなくても、できる範囲でちゃんと勉強をつづけていれば、効果は出ると思う。
教材の内容と強化スキル
教材は毎月、マンスリーテキストと副読本『English Journal』がセットで届く。
マンスリーテキストの学習メニューは、例えばこんな感じ。
下の写真右側の『ポイント&強化スキル』を見ると、それぞれのコーナーで英語力の特にどの部分を鍛えられるかがわかる。
<1000時間ヒアリングマラソン マンスリーテキストよりコンテンツの一部>
これらのコーナーにそれぞれ、
- リスニング(英文音声を聞いて概要を理解する)
- シャドーイング(聞こえた英文をそのまま少し遅れて声に出す)
- ディクテーション(英文音声を聞いて書き取る)
- 音読(英文を声に出して読む)
- オーバーラッピング(音声にぴったり合わせて音読する)
- リピーティング(音声を聞いた後で声に出す)
- リプロダクション(聞いたり読んだりした英語をそのまま口頭で再現する)
といったトレーニングが、素材ごとに効果的な組合せでプログラムされている。
スピーキング魂
例えば、『スピーキング魂』のコーナーでは、ビジネスで頻出する場面を題材に、さまざまな会話表現をマスターする。
トレーニングは4つのセクションに分かれていて、
Section1:概要リスニング
↓
Section2:ディクテーション、リピーティング、音読、リード&ルックアップ
↓
Section3:リプロダクション、オーバーラッピング、シャドーイング
↓
Section4:ロールプラクティス、自由会話
という手順で進んでいく。
一見、ややこしそうだけど、テキストにしたがって進めば戸惑うこともないし、音源も細かくトラック分けされているので、繰り返し練習もやりやすい。
英語スケッチング
『英語スケッチング』というコーナーは、英語のストーリーを聞いて、それを頭の中にスケッチング(=映像化)し、それを文字や記号を使ってメモする、というトレーニング。
実際のスケッチングの例として、ちょっと恥ずかしいけど、最近私が書いたものがこちら。
スケッチングのセンスはさておき、聞こえてきた英語を脳内で映像化できているわけで、「英語を英語のまま理解できる」段階に達しつつあると言っていいと思う。
(※絵を描くことを求められているわけではなく、文字や記号でOK)
ヒアリングマラソン1年の効果
上記のコーナーの他、1000時間ヒアリングマラソンで各種トレーニングを1年間続けた効果をひと言で言うと、
音・語彙・文法がつながってきた!
どういうことかと言うと、以前は、例えばTOEICのリスニング問題で、聞こえてきた単語を知っている(はず)なのに、とっさに意味をつかめず、会話がどんどん進んでいってしまう、というようなことが多く、非常にもどかしい思いをしていた。
おそらくこれは、単語集を使って単語を丸暗記したため、言葉のニュアンスや用法をちゃんと理解できておらず、会話として出てくると対応できない、ということだったのだと思う。
ヒアリングマラソンをやっていて悟ったのは、単語は文脈込みで覚えないと、頭に残らないし、使えないということ。
1000時間ヒアリングマラソンの各種トレーニングは、単語集で丸暗記するお手軽さに比べると大変だけど、音源と文脈込みで単語と出会うので、言葉のニュアンス・用法とともに記憶に定着しやすい。
音、語彙、文法、とそれまでばらばらの点だったものが、まとまりをもってつながり、言語として用をなす段階にきた感じがする。
残念だった点
一方、1年間ヒアリングマラソンをつづける中で、残念だった点。
1000時間ヒアリングマラソン受講中は、毎月、マンスリーテストというのを提出(送信)することになっていて、これを1回でも出し損ねると、修了証がもらえなくなる。
一度、仕事の繁忙期で提出できなかったことがあり、それまでけっこう頑張っていただけに、気持ち的にがっくりきた。
結局、開き直りで対処したけど、無理に完璧を目指して挫折するよりは、適度にゆるく続けるくらいのつもりでいく方がいいのかもしれない。
あと、ヒアリングマラソンの教材と連動したスマホアプリがあるのだけど、老眼女子にとってはやや厳しかった。。
ヒアリングマラソンという教材を使う意義
今の時代、お手軽な英語学習本は山ほどあるし、インターネットもあるのに、あえてヒアリングマラソンという教材を使う意味はあるのか?
私自身が1000時間ヒアリングマラソンに価値を見出したのは、
- 内容が確かな英語学習素材の安定供給
- 英語学習そのものに時間をかけられる
という点だった。
私の場合、アラフィフになってから独学で英語学習を開始し、3年経った頃から、こなせる学習量が増えてきた。
一時期は、NHKラジオの英語講座を8つ聞きながら、読み物系や文法本を常に物色しては、頻繁に買い足していたのだけど、これがけっこう手間がかかる上、当たりはずれもあって、非効率なのだった。
それで思いついたのが、毎月教材が届く1000時間ヒアリングマラソンで、これなら、学習素材を探しあぐねることなく、英語の勉強そのものに時間をかけることができる。
実際に使い始めてみると、各種トレーニングがバランスよく幕の内弁当のようにセットされているので、ある意味すごく楽だし、お得だということがわかった。
忙しい人ほどむしろ、こうした『学習パッケージ』を利用するメリットは大きいと思う。
自力で学習素材を調達して学習を継続するには、強固な意志が必要だし、仕事が忙しくなったりすると、ついなし崩しになってしまう。
やはり、継続を前提とした教材を使って英語学習をルーティンにしてしまう、というのが現実的かつ効果的な学習法なのではないだろうか。
用途の向き・不向き
ただし、1000時間ヒアリングマラソンは万能というわけではないので、向き・不向きもあると思う。
実際に使ってみた実感として、以下のようなタイプまたは状況にある人は、1000時間ヒアリングマラソンに効果を感じるはず。
- 英語の学習量を増やしたい
- 自分の英語力に弱点があるのはわかっているけど、具体的に何をどうしたらいいのかわからない
- アメリカ英語以外(英、豪、加)のリスニングも強化したい
- 数値目標に燃える
逆に、用途を特化して短期間で勉強したい場合は、内容的に守備範囲が広くて定期的に教材が届く方式の1000時間ヒアリングマラソンは向いていないと思う。
例えば、早急にTOEICの点数を上げたいとか、急に海外出張に行くことになったので最低限必要なことだけ押さえたい、というようなケース。
なお、ヒアリングマラソンシリーズには、1000時間ヒアリングマラソンのような定期購読方式ではなく、申し込み後すぐに教材セットが一括で届くコースもあるので、用途に応じてこれらも検討してみるといいかも。
ゴールとこれから
今のところまだ1000時間は達成できていないので、『完走』とは言えないけど、ともあれ、途中であきらめずにマラソンを続けてこれたので、よしとしたい。
せっかく英語学習の習慣が身に付いたので、今後もメインとなる教材をひとつ決めて勉強をつづけるのがいいのだろうな、と思う。
今、候補として気になっているのは、
それとも、1000時間ヒアリングマラソンの2周目にいくか?
目下、真剣に考え中。
ヒアリングマラソン公式サイト
参考:
1000時間ヒアリングマラソン は、受講期間が1年間。
ヒアリングマラソン6カ月コース は、半年間のコース。
その他、コンテンツ内容が異なるコースとして、
等あり。
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