2018年8月13日 16:12
GitHubで活動するdomas氏は9日、かつてVIA Technologiesが開発したC3プロセッサに、バックドア「rosenbridge」が存在することを突き止めた。詳細はハッカー向けイベントBlackHatEventsで報告された。
同氏によれば、VIA C3プロセッサには、メインのx86コアのそばに非x86コアが組み込まれており、このコアはmodel-specific-registerのコントロールビットによって有効になり、起動命令によって起動できる。x86命令でラップされた特別フォーマットの命令を受け、すべてのメモリ保護と特権チェックを迂回して実行できるという。
rosenbridgeは、Intel Management EngineやPlatform Security Processorなど、一般的なx86のコプロセッサとはまったく異なり、CPUが管理するすべてのメモリだけでなく、レジスタファイルと実行ラインにもアクセスできるという、かなり深いレベルに組み込まれたコプロセッサとなっている。
このコアを有効にするためにはカーネルレベルのアクセスが必要だが、同氏によればいくつかのシステムではデフォルトで有効になっていたという。同氏がGitHub上で公開しているデモ用のソースコードを見るかぎり、2行のアセンブラでバックドアを開き、数行のカーネルメモリ操作で管理者権限を取得できている。
同氏は、システムでこのバックドアが有効にされているかどうかをチェックするためのプログラムや、バックドアを無効化するプログラムもGitHub上で公開している。
C3は2001年に発表/販売されたプロセッサ。低価格/低発熱などで一世を風靡し、組み込み機器での採用実績が多い。