母親シャチ、死んだ子シャチを17日間運び続け
カナダ・バンクーバー島沖で、シャチの母親が死んだ子どもを17日間、1600キロの距離にわたり運ぶ姿が見られた。
米ワシントン州拠点の鯨類研究センター(CWR)は、子どもの亡きがらを放したシャチは「ハロ海峡で仲間と共に元気にサケの群れを追っていた」と話した。
「母シャチの追悼の旅は終わり、その行動は目に見えて元気になった」とCWRはコメントした。
シャチが死んだ子どもを1週間運ぶケースは、以前も知られている。研究者はこの母親シャチが「記録を更新した」と見ている。
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「J35」と識別番号がつけられたこの母親シャチはここ数日、世界の注目を集めてきた。
CWRは11日、「海岸から望遠レンズでデジタル撮影したところ、この母親シャチは良い健康状態にあるとみられる」と発表した。
「子どもの死体はおそらく、(カナダと米国の間の)サリッシュ海に沈んだのだろう。そのため、死体を研究者が解剖する機会はないかもしれない」とCWRはコメントした。
子どもの死体を連れた母親シャチは7月24日、バンクーバー島の沖合いで発見された。
子どもはこの日に亡くなったとみられるが、死因は分かっていない。
カナダと米国は共に、この海域のシャチを絶滅危惧種に指定している。この海域のシャチにとって主食はキングサーモンだが、キングサーモンはここ数年で急減している。