二年前のエントリー「こんなもんかぁ」にも書いたが、あの頃はまぁどん底なのでそんな心境だったと思われてもしょうがないのだが、やっぱり今も、僕にとって世間の言う成功や成果や、幸せや「楽しい!」とかは、味わってみると、
「こんなもんかぁ」
で、終わってしまう。

初めて賞なる物をもらったTAMA映画祭の晴れ舞台に立たせていただいて、しかも舞台袖でスタッフの方に「『先輩』凄く良かったです!」とわざわざ満面の笑みで声をかけていただいた時も、
「こういうんじゃないよなぁ」
と思いながら、当時のまだ若い川村元気さんや安藤サクラさんなどと打ち上げの席で飲んで騒いでいた。

今お二人とも立派になられたなぁ・・・。


それはさておき、僕がアニメをやってて20年、一番痺れるのは、結果や成功を得た時ではない。
とんでもない絵を見た瞬間だった。

これしかないのだ。

その時だけ、僕は幸せになれる。
それに比べたら、俗世の幸せなぞ、欠片も興味が湧かない。
実際その「幸せ」の現場に立って、あまりの無感動に拍子抜けしたからこそ言える。


アニメが「真実の器」たる瞬間にだけ、僕は興奮を覚える。
それは人や俗世の幸福感とはかけ離れたものなのかも知れない。
ひょっとすると、神か宇宙人かがやってきて「人類は愚かだから全部滅べ」とか、『インディペンデンス・デイ』かよ、みたいな展開の方が、興奮するのかも知れない。知らないけど。
ともかく、上辺だけの人類賛歌や、幸福主義・功利主義には、本当に興味がない。

それが「真実」であることだけが、僕の唯一の歓びだ。
なんとも生きにくい人格だが、本心なのだからしょうがない。