eスポーツ選手は、なぜ本名を使わないのか

報道で2つの名前が併記される「違和感」

アジア競技大会日本代表選手選考会にて『ウイニングイレブン2018』の代表選手として選ばれた杉村直紀選手(選手名:SOFIA、写真右)と相原翼選手(選手名:レバ)。コナミデジタルエンタテインメントのニュースリリースでも本名と選手名が併記して掲載されています(筆者撮影)

8月18日に開幕するアジア競技大会(ジャカルタ)で、デモンストレーション競技として、eスポーツが採用されています。日本からは、『ウイニングイレブン2018』に杉村直紀選手(選手名:SOFIA)と相原翼選手(選手名:レバ)、『ハースストーン』に赤坂哲郎選手(選手名:Tredsred)の3選手が東アジア予選を勝ち抜き、見事出場が決まりました。

そういった背景により、ますますeスポーツが一般スポーツと同様の扱いになってきています。そうなってくると現状のeスポーツ界隈とリアルスポーツとの文化のズレが散見されるようになりました。

その1つが、プレーヤーネーム問題です。

プレーヤーネームを使う背景

先ほど紹介したアジア競技大会の選手に(選手名:○○)と記載したように、多くのeスポーツ選手にはプレーヤーネームが存在します。選手がプレーヤーネームを使う背景としては、eスポーツで扱われているタイトルの大半が、オンラインゲームが由来となっている点です。ネット社会では身バレを防ぐために、ハンドルネームなどの匿名を使って活動をしています。

当然、オンラインゲームも、SNSや掲示板などネットでの活動と同様に、ハンドルネームやプレーヤーネームを使って活動をしてきています。オンライン上だけで大会を開き、そこだけで完結していれば、それはそれで問題がなかったのですが、eスポーツ化することで、決勝大会などはオフラインで行い、顔出しもするようになりました。

顔出しした以上、プレーヤーネームを使う必然性はなくなったのですが、それまで使っていたゲームでのIDが、そのタイトルではアイデンティティとして存在している以上、そのプレーヤーネームを使う必然性があったわけです。

そういったネット文化に帰属するものであったので、プレーヤーネームはそのまま使われ続けてきたわけですが、eスポーツがスポーツの1つとして、さらにはアジア競技大会のような国際的なスポーツ大会へ出場するとなると、どうしても浮いた存在になってしまいます。

アジア競技大会に出場するとなると、サッカーや陸上競技、水泳などの日本代表選手と肩を並べなくてはなりません。eスポーツ選手以外のスポーツ選手が本名を名乗っている以上、eスポーツ選手がプレーヤーネームを使うのに違和感を覚えてしまうわけです。

次ページ多くの選手はプレーヤーネームを未だに使い続けている
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

  • NO NAMEc10660963ef9
    芸能人もミュージシャンも漫画家でさえも別名使ってる人多いし、別に気にしないってのが大半かと

    そういう人らが本名で報道されるのは事件起こした時だしね…
    up55
    down14
    2018/8/11 11:24
  • NO NAME8747bac427dc
    本人の好きな方で何の問題もない
    違和感なんて慣れの問題でしかないから放っておけば消える
    up49
    down9
    2018/8/11 13:02
  • NO NAME4fbde0c5a89d
    スポーツというより「見世物」なのでね。

    プロレスなんかのリングネームと一緒。
    up36
    down8
    2018/8/11 11:22
  • すべてのコメントを読む
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
株主総会で賛成率が急落<br>機関投資家が物言う株主に

低支持率の役員167名を実名公開!低出席率、低ROEなどを理由に、機関投資家は役員選任議案に反対票を投じ始めた。「物言わぬ株主」といわれた機関投資家が変貌した理由は?