ある会社のイベントで、イベント開催日が祝日ということから、休日を振替えて、その祝日を出社日としていたのですが、諸事情によりイベントが中止となってしまいました。その振替日は、休日となったのですが、振り替えるはずであった出勤日が1日余っているので、これを別の休日に振替えても差し支えないのでしょうか?
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こんにちは!
大矢社会保険労務士事務所の大矢です。
振替出勤日の再振替はできる?
休日を振替えたけど、その振替えた日が何らかの事情で休日になってしまったとき、別の休日に振替えても差し支えないのでしょうか?
これは、事前に振替えているのなら基本的に問題はないと考えられます。
しかし、振替休日を行うための要件等について確認する必要があると思います、
休日の振替の要件というのは、
- 就業規則や労働協約に休日振替について振り返要件、運用方法などを定めている
- 振替日を事前に特定(明示)する
振替日を特定して振替えることで、従来の所定休日と所定勤務日を入れ替えることができます。
振替休日が振替出勤日の前でも後でも問題ありません。
ただ、振り替えが行われるまでの期間について、法的な規制はありませんが、振り替えるべき日については、振り替えられた日以降出来る限り近い日が望ましいという行政通達が出されております。
通達は、昭和63年3月14日基発150号になります。
また、労働局では、できるだけ同一賃金計算期間中に取得させるよう指導を行っているので、できるだけ近い日に振替えられるのが労働者にとっても使用者管理にとってもよろしいかと思います。
休憩時間中の行動制限について
ある会社の一部の従業員がお昼の休憩中にパチンコに行くなどして少々困っているということで、休憩時間中の外出を禁止したり、許可制にしたりと制限を設けたいと相談がありました。
休憩時間というのは、基本的に自由なのですが、一定の制限を加えることは可能となっています。
休憩には、次の3つの原則があります。
- 仕事の途中に与えなければならない『途中付与の原則』
- 特定の業種の場合や労使協定がある場合を除いて、同時に休憩を与えなければならない『一斉付与の原則』
- 休憩時間中は自由に休息させなければならない『自由利用の原則』
3つ目の『自由利用の原則』があるために、基本的に休憩時間中の労働者は行動に制限を受けることはありません。
しかし、休憩中といえども勤務中であることは間違いなく、休憩時間中だからといって何でもやってよいということにはならないのです。
もちろん、常識や節度は保たれなければならないわけです。
そうした考えから、会社の規律保持や企業秩序を維持させるためにもある程度の制限を加えることは許容されるものであると裁判所の判例や行政通達があります。
今回の相談に関しては、休憩時間にパチンコに行くことを制限したいということですので、遊戯に夢中になってしまい休憩時間内に事業場に戻れないといったことや、十分な休息が取れない、制服や社名入りの作業着のままでは企業の評判に悪影響を及ぼすといった可能性が十分に考えられ、当然、会社の規律保持や企業秩序維持の上で問題になることとなります。
外出の理由の申出や必ず時間内に戻ることを条件に、休憩時間中の外出を認めるということを就業規則に記載され、その様に運用されるとよいかと思います。
ただし、会社の敷地内では自由に休息をとることができる環境を用意することも重要なことです。
『自分の事務机で電話番をしながら』、『作業内にて機器類を監視しながら』の休憩は、休憩には該当せず、労働時間とみなされます。
なお、休憩時間における演説や集会、ビラ配布なども他の従業員の休憩時間を妨げる場合やその内容によっては企業秩序を乱す恐れがある場合などは、許可なくこれらを行ってはならないとすることも可能とされています。
まとめ
振替出勤日の再振替はできるのか?については、これはできます。要件がありますので、確認が必要ですが、休日を振替えて出勤日にしたが事情により休日になってしまったとしても、再振替をすることはできます。休憩時間中の行動制限については、これもできます。休憩時間にパチンコに行くので、制限をしたいということですが、企業秩序や規律保持の観点から外出を許可制にすることは可能です。裁判例や行政通達などから可能とされています。社会保険労務士はこうした問題に対応していきます。お困りでしたら、お近くの社会保険労務士か当事務所までお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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