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IPv6 IPoEとは?IPv4 PPPoEとの違いやv6プラス等のメリットを解説!

速度が遅いと嘆く人の中には

昼は速度が出るのに夜になると低下する

という人が意外と多いです。

つまり、自分が一番使いたい時間帯(コアタイム)に限って速度が低下していまうというケースです。

特にauひかりやNURO光ではなく、フレッツ光や光コラボの利用者に多くみられる傾向です。

ところがこういった傾向は、ある意味で速度を改善する余地が残されている傾向であるとも言えるのです。

そう、実は接続方式を見直すことで速度を改善することができるのです。

もっと具体的に言えば、回線の接続方式をIPv4 PPPoEからIPv6 IPoEに切り替えると速度の向上が見込めます。

ちなみにプロバイダのオプション等で「v6プラス」と呼んでいるのはこのIPv4とIPv6を自動変換してくれる仕組みを指したブランド名のようなものです。

今回はフレッツ光や光コラボを利用している人たちが、夜間になると速度が遅くなる傾向を改善するための「接続方式」について詳しく解説しようと思います。

是非参考にして下さい。

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IPv4とは

昼は普通に使えるのに夜(8時~12時)になると急激に速度が低下するという人はNTT基地局内の混雑が要因として考えられます。

フレッツ光や光コラボを利用している人は基本的にPPPoEと呼ばれる接続方式で通信を行い、NTTの基地局からプロバイダを通過してインターネットに接続をします。

この際、NTTの基地局からプロバイダへと接続する際にIPv4接続口の網終端装置と呼ばれる出口を通過することになるのですが、夜間帯にPPPoE方式で接続をする人が増えるとIPv4接続口の網終端装置が混雑をしてしまうのです。

つまり従来のPPPoE接続を利用すると混雑する可能性の高いIPv4接続口を通過するので、昼間はスムーズに通過出来ていたとしても利用者が増える夜間帯などは出口(網終端装置)が混み合ってしまい回線速度が低下してしまうという理屈です。

ちなみにこの網終端装置は各都道府県に設置されているのですが、利用者が多いエリアであればあるほど混雑してしまうため、東京や大阪といった大都市圏に住んでいる人たちは特に速度低下の影響を受けやすいと言えます。

IPv4まとめ
  • 夜に速度が低下するのはIPv4接続口の網終端装置の混雑が原因
  • 大都市圏になるほど網終端装置の混雑は顕著

IPv6とは

IPv4は個々のホストを区別するためのIPアドレスを32ビットで表現しています。

つまり数で表すと42億9496万7296個になるわけですが、世界人口を考慮すると一人一つのIPアドレスを割り当てることができなくなります。

そして2011年、インターネットの全IPアドレスを管理している国際組織(IANAやAPNIC)から新たに割り振りできるIPv4アドレスのストックがとうとう尽きてしまい、懸念されていた問題が現実化してしまいました。

(※厳密に言えばユーザーに割り当てられるIPアドレスが尽きたわけではなくプロバイダに配られるIPアドレスが尽きたという意味です)

そこで注目されたのがIPv6接続で、IPv6ではIPアドレスを128ビットで表現することにしたのですが、128ビットだともはや数で表す必要がないほど膨大な量になるので、現在の世界人口や人口増加率を考えても事実上無限にIPアドレスを割り当てることができるようになります。

そんな背景があり2011年頃からIPv6に接続することが出来る最新の接続方式IPoEが徐々に注目を集めるようになったのです。

そして皆さんの悩みの種である速度低下もIPoEが解決のカギを握っています。

従来の接続方式はPPPoE方式を採用してIPv4の網終端装置を通過すると説明しましたが、最新の接続方式であるIPoEは利用者の少ないIPv6の接続口を通過させて混雑を回避することが出来るのです。

混雑が回避出来ればその分インターネットの表示速度が速くなるのは何となくご理解いただけると思います。

IPv6まとめ
  • IPv4はIPアドレスに限りがあるがIPv6はほぼ無限
  • IPv6はIPv4よりも利用者が少ないので混雑を回避できる

PPPoEとIPoEの違い

たまに「IPv4からIPv6に変えると速くなる」と思われている人がいますが、厳密に言うと間違いです。

そもそもIPv6自体はIPoE方式だけでなくPPPoE方式でも接続することが可能で、「IPv6 IPoE(ネイティブ方式)」と、「IPv6 PPPoE(トンネル方式)」の2種類に分類されています。

トンネル方式と呼ばれるPPPoEではユーザー側にIPv6 PPPoE対応の機器が必要となるのに対し、ネイティブ方式と呼ばれるIPoENGN(Next Generation Network)網内を従来のPPPoEトンネルを使わずに、L3ルーティングのみでパケット転送を行う新しい接続方式です。

また、IPoEは特別な機器は必要なく、コストも低く、広帯域性に優れ、トンネル方式だと下り最大200Mbpsまでしか出せないのに対してネイティブ方式だと1Gbps以上の速度を出すことが可能になります。

つまり「IPv4からIPv6に変えると速くなる」のではなく「IPv4 PPPoE接続からIPv6 IPoE接続に変えると速くなる」という方がより正確です。

IPv6まとめ
  • PPPoE方式でもIPv6に接続できるがIPoE方式よりデメリットが多い
  • 速度が速くなるのはIPv6接続というよりもIPoE方式のおかげ

VNE(ネイティブ事業者)

従来の接続方式であるPPPoEはEthernet(イーサネット)上でPPP(Point to Point)セッションを作り、ユーザー認証を行なうための技術を指します。

要するにPPPoE方式でインターネットに接続する際には一度ユーザー認証をする必要があるということです。

一方、新しい接続方式であるIPoEでは認証は行わずに直接インターネットに接続することが可能になりました。

ただし、IPoE方式を利用する場合には技術的な問題でユーザーはインターネットに接続する際、プロバイダに直接接続するのではなくVNE(ネイティブ事業者)を介して接続する必要があります。

ちなみに国内にある主要なVNEは以下の3社です。

VNE IPoE接続サービス名
インターネットマルチフィールド DS-Lite
日本ネットワークイネイブラー v6プラス
BBIX IPv6 IPoE+IPv4
ハイブリッドサービス

例えばv6プラスを採用しているプロバイダで貸し出しているホームゲートウェイは、IPoE方式に切り替えても特にルーター等を変える必要がないケースがあります。

逆にDS-Liteを採用しているプロバイダの場合、IPoE対応のWi-Fiルーターが別途必要になり、対応ルーターがレンタルできる場合もあれば自前で用意する必要があるケースもあります。

いずれにせよ、IPv6 IPoEオプションに申し込んだあとの対応はプロバイダやVNEによって変わってくるので、自分のプロバイダがどこのVNEなのかというのは把握をしておいて損はないでしょう。

VNEまとめ
  • PPPoE方式ではネット接続の際にユーザー認証が必要だったがIPoE方式では不要
  • IPoE方式を利用すると必ずプロバイダと利用者の間にVNEが介在する
  • プロバイダによって接続するVNEが異なる

IPv4 over IPv6

IPv6接続をする場合、プロバイダはもちろんのこと、自宅で利用しているルーター、そして閲覧するウェブサイトもIPv6に対応している必要があります。

プロバイダやルーターに関しては利用者側でなんとかできますが、ウェブサイトが対応するかどうかは利用者側でどうにかできる問題ではありません。

じゃあ結局IPv4にしか対応していないサイトを見るときには込み合ってるIPv4に接続するしかないから回線速度が遅くなってしまうのか、というとそうではありません。

この問題を解決するのが「IPv4 over IPv6」です。

IPv4 over IPv6とはつまり「利用者側はIPv6で接続をするがIPv4にしか対応していないウェブサイトを閲覧しようとしたときには接続事業者(VNE)がIPv4接続に自動変換をしてくれる」サービスのことを指します。

IPv4 over IPv6に対応していればIPv4にしか対応していないサイトを閲覧する際でも自宅側の接続方式はIPv6なのでIPv4サイトの閲覧の際でも混雑を回避できるのです。

ただしIPv4 over IPv6に関しては対応しているプロバイダとそうでないプロバイダが分かれます。

IPoE対応」「IPv6対応」を謳っているプロバイダであっても必ずしもIPv4 over IPv6に対応しているわけではないので注意してください。

IPv4 over IPv6まとめ
  • IPv6接続をする場合プロバイダだけでなくウェブサイト側でも対応が必要
  • IPv4 over IPv6に対応していればウェブサイトがIPv6に対応していなくてもVNEが自動変換
  • IPv4 over IPv6に対応しているプロバイダとしていないプロバイダがある

IPv4 over IPv6対応プロバイダ

以下がIPv4 over IPv6に対応しているプロバイダです。
ちなみに各プロバイダとも「IPv4 over IPv6」といった名称で提供しているわけではなく、ネイティブ事業者(VNE)が掲げているブランド名に準じたオプション名になっています。

つまり、名称が違ってもIPv4とIPv6を自動変換してくれる仕組みは全く同じととらえて頂いて問題ありません。

プロバイダ オプション名 月額料金 IPoE接続サービス 公式HP
So-net IPoE(IPv6)オプション
IPoE無線LAN機器レンタル
400円 DS-Lite 公式HP
BIGLOBE IPv6オプション 無料 自社提供 公式HP
@nifty v6プラス 無料 v6プラス 公式HP
DMM v6プラス 無料 v6プラス 公式HP
GMOとくとくBB v6プラス 991円 v6プラス 公式HP

まとめ

auひかりとNURO光に関してはそもそもの利用者が少ないため、そもそも「混雑」という問題が起きずらいです。

しかしフレッツ光や光コラボを利用している人に関しては利用者が非常に多く、夜間帯に限って速度が低下する原因の多くがIPv4の混雑です。

逆に言えば接続先を変えるだけで回線速度は大幅に改善される可能性があるので試してみる価値は大いにあります。

フレッツ光を利用している人、光コラボを利用している人、東京や大阪などの大都市圏に住んでいる人は是非ともプロバイダのIPv6 IPoEオプションを検討してみてください。

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