“異常な夏”の原因は? 分析結果を気象庁が発表

写真拡大

 今年の暑さはおかしい、と感じている人も多いと思うが、気象庁が会見を開き「異常な夏」になった原因について、分析結果を明らかにした。

 記録的な暑さと大雨に見舞われたこの夏の天候について、専門家による検討会が30年に一度の異常気象だったと判断。その原因をまとめた。先月23日に、埼玉県熊谷市で最高気温41.1度を記録して歴代全国1位になるなどとにかく暑い、この夏。実際、7月の平均気温は東日本で平年よりプラス2.8度となり、1946年の統計開始以来、歴代1位。西日本でも平年よりプラス1.6度となり、歴代2位に並んだ。なぜ、これほどの暑さとなっているのか。夏の暑さをもたらす太平洋高気圧に加え、今年はチベット高気圧が強く列島に張り出している。この2枚重ねの高気圧をさらに強めているのが、日本から遠く離れたフィリピン付近で発生している積乱雲だ。平年より活発な積乱雲からもたらされる気流が高気圧のいわばエネルギーとなり、記録的な暑さが続く原因になっているという。豪雨から1カ月あまり。今も行方不明者の捜索や復旧作業が続く被災地。200人以上の犠牲者を出した西日本豪雨は平成に入ってから最悪の水害となった。その原因については…。

 異常気象分析検討会:「(Q.『西日本豪雨の原因』について)今回は東シナ海方面から気流が流れ込んだということが非常に特徴的です。薄い湿った空気の流れ込みと、中下層の比較的分厚い湿った空気の流れ込みが西日本で収束するということで、これまでにあまり見たことのないような水蒸気量を含む空気が西本方面に流れ続けた」

 さらに、気圧配置などによって次々と雨雲が作られる線状降水帯の影響もあり、記録的な大雨につながったという。