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2018-08-11

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・過去に、何度も何度も「未来」は想像されてきました。
 いまの時代の文明は、もっと進歩していって…
 「腕時計みたいな電話ができるんじゃない?」
 「壁掛けみたいに薄いテレビジョンもできるよね」
 「お掃除ロボットなんかも、あったらいいな」
 なんて会話は、そのまま現実になりましたよね。

 あんまり進歩してないものも、それなりにあります。
 よく言われるのは自動車のフロントのワイパーですよね。
 カラテキッドが手で拭いてる姿と同じですが、
 あれ以上の改良は、いまのところできないんでしょうね。
 あと、1970年の大阪万博で登場していた「人間洗濯機」。
 洗濯槽のなかに水着の女性が入って、身体を洗うって…。
 それは進歩というものだろうかということについて、
 当時から疑われてたんじゃないでしょうかね。

 進歩してないように見えて、実は改良されてるものに、
 家電の省エネ化がありますよ。
 ぼくは、冷蔵庫を買い替えるときに、
 カタログをよく読んだりして知ったのですが、
 古い冷蔵庫と比べて、ものすごく電気代がかからない。

 というような「モノ」の進歩の話はネタフリでして。
 こういうのは、いわば文明に関わる進歩の話ですよね。
 そんな文明の進歩ばかりが注目されやすいのですが、
 実は「文化・カルチャー」の面での進歩のほうが、
 もっと静かに「積み重なってきてる」と思うのです。
 例えば、いまの男性女性のヘアスタイルの進化。
 大都市にいようが地方にいようが、みんなそれぞれに、
 ふわふわだったり、サラサラだったりかっこいいです。
 どさっと重いとか、ごわごわとか、ほとんど見ないもの。
 つまりこれは、全国の美容師の腕が上がったということ、
 そして、その美容技術とセンスが進歩した恩恵を、
 全国の大多数のお客さんが受けているということです。
 過去を遡ったら、タレントたちの写真はともかく、
 ほとんどの一般の人たちの髪は、スタイル以前でしたよ。
 美容の進歩と同じように、見えにくいけれど進歩している
 領域は、まだまだたくさんあると思うんですよね。

 そっちの進歩と調和のほうに、注目してみたいです。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
つまりは、ハードの進化以上に、ソフトも進化するよ、と。


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